新型車比較・ライバル車対決
更新日:2021.06.17 / 掲載日:2021.06.16

SUBARUの魅力大研究【1】レヴォーグ × スバルXV 長距離ツーリングテスト

レガシィツーリングワゴンが築いたイメージもあって、スバル車と聞いてまず期待が高まるのがツーリング性能の高さ。
ツーリングワゴンのレヴォーグとSUVのスバルXV、タイプの異なる2台でロングツーリングに出掛け、その実力を改めて検証した。

【左】
SUBARU レヴォーグ STIスポーツEX
●車両本体価格:409万2000円
●ボディカラー:ピュアレッド

【右】
SUBARU スバルXV アドバンス
●車両本体価格:292万6000円
●ボディカラー:プラズマイエロー・パール

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タイプは違えど、ともにツーリング性能を追求

 4WDの利点は高速域や滑りやすい路面での操安性、悪路踏破性の向上だ。前者は4WDツアラー、後者はSUVが代表的。スバルの4WD戦略はこの二本柱に基づくものであり、4WDツアラーとしての象徴的な存在がレヴォーグ、SUVではフォレスターとなる。この2車の狭間には、ほかにインプレッサとXVがある。インプレッサについてはレヴォーグのマイルド仕様と捉えてもいいが、XVはちょっと立ち位置が異なる。

 XVはインプレッサ スポーツから発展したSUVであり、基本ボディシェルも共用。SUVとしては低全高だが、スポーツ&スペシャリティを狙ったモデルではない。ごく大雑把に言えばインプレッサにフォレスターのサス周りを移植したようなモデルであり、悪路対応についても積極的。タウン&ツーリングに使いやすい5ドアハッチバックにSUVの広い行動範囲を付与したのが特徴だ。

 両車ともツーリングを得意用途とするが、魅力の付加要素としてレヴォーグはスポーツ性、XVはアウトドア志向の活動範囲拡大が上乗せされる。スバルの求める全天候ツアラー思想にスバルらしいファン・トゥ・ドライブや好奇心の刺激を楽しめるモデルたちだ。

icon レヴォーグ

●車両本体価格:310万2000~409万2000円
●発表年月(最新改良):’20年10月(未実施)

最新技術満載のツーリングワゴン

 SGPプラットフォームを採用した2代目。新開発パワートレーンやアイサイトXを引っ提げてデビューするや、日本カー・オブ・ザ・イヤーの獲得など高評価を得て販売も好調だ。

icon スバルXV

●車両本体価格:220万~292万6000円
●発表年月(最新改良):’17年4月(’20年9月)

熟成を進めe-BOXERを拡充

 SGP採用のインプレッサをベースとするコンパクトSUV。1.6Lと2Lハイブリッド(e-BOXER)を搭載し、アイサイトは操舵支援機能付きの「ツーリングアシスト」を採用。

走りや行動範囲の広さでドライブの魅力を高める

 WRXのように4WDを駆使して限界性能を追求するのもスバルらしいとは思うものの、速さに偏ったクルマ趣味はその楽しさを味わえる状況が少なく、ドライバーの自己満足的でもある。風景や会話を楽しむドライブには運転ストレスの軽減や快適性が重要だが、そこを重視しすぎればクルマ趣味の側面で消化不良気味になる。

 ある意味で背反要素でもあるファン・トゥ・ドライブの高揚感とみんなで楽しいドライブの両立こそレヴォーグの狙いであり、STIはそのレベルを上げた「ザ・レヴォーグ」とも言えるモデルだ。

 ドライブモードをコンフォートにセットし、高速道ではアイサイトをフル活用。ZF社製電子制御ダンパーはどのモードを選択しても負荷に応じて減衰力を高めるので、ワインディングに入ればスポーツモデルのフットワークとなる。ただし硬さの初期値等の違いからハードサスとなるスポーツ+は過大な回頭を抑えてラインコントロール性を向上させた特性だ。軽快感を楽しむならノーマルモードがほどよい。中庸域でのコントロール性とトルクに優れたターボはどのモードにも適したドライバビリティを示し、リズミカルなドライビングも楽しめる。ドライブの途中、空いた時間にひとりでSTIの本領を楽しむのもアリである。

 XVは安心感が特徴だ。レヴォーグと同様にアイサイトの支援が加わり、高速も山岳路もストレスなくこなす。一般的なSUVよりも着座位置が低く、ロールを使った横Gの往なしと相まって、穏やかさと安定感のバランスのよさは独特。長駆レジャーをストレス少なく盛り上げるための走りである。

 今回のドライブではダート路を走る機会はほとんどなかったが、アプローチの段差が大きく、突き出た岩があるような未舗装の駐車場にも入りやすいのがありがたい。風景のいい路側駐車場ではありがちな状況だが、SUVを選んでこそ見られる風景もあるのだ。

 長距離ツーリングの楽しみは色々あるが、レヴォーグとXVはその代表的な魅力を性能と適応用途に織り込んでいるのが特徴。かつてSVXが謳った全天候「500マイル・ツアラー」の継承進化を実感させるモデルたちである。

【レヴォーグ】運転そのものの高揚感と仲間とのドライブの楽しさをこの一台で堪能できる

■主要諸元(レヴォーグ STIスポーツEX)
●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm ●ホイールベース:2670mm ●最低地上高:145mm ●車両重量:1580kg ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1795cc水平対向4気筒DOHC直噴ターボ(177PS/30.6kg・m) ●トランスミッション:CVT●WLTCモード燃費:13.6km/L ●最小回転半径:5.5m ●タイヤサイズ:225/45R18

【スバルXV】安心して遠出できる走行性能と装備を備え、まだ見ぬ景色を見せてくれる

■主要諸元(スバルXV アドバンス)
●全長×全幅×全高:4485×1800×1575mm ●ホイールベース:2670mm ●最低地上高:200mm ●車両重量:1560kg ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1995cc水平対向4気筒DOHC直噴(145PS/19.2kg・m)+モーター(13.6PS/6.6kg・m) ●トランスミッション:CVT●WLTCモード燃費:15.0km/L ●最小回転半径:5.4m ●タイヤサイズ:225/55R18

【ピックアップ/走りの快感】ボクサーエンジン+シンメトリカルAWD

スバルならではのメカニズムがもたらす安定感

スバル独自のシンメトリカルAWDは、水平対向(ボクサー)エンジンと4WDシステムを一直線・左右対称にレイアウト。重量バランスに優れ、4輪へのトルク配分も高効率だ。

  • シンメトリカルAWD

  • シンメトリカルAWD

    軽量・コンパクト・低重心なボクサーエンジンの特性を活かしたAWD=全輪駆動のシステムにより、4輪への荷重や駆動を適切に制御する。

  • リニアトロニック

  • リニアトロニック

    スバルが長年にわたり開発を続けるCVT機構。レヴォーグもスバルXVも全車に採用。

新世代スバルを支えるターボ&ハイブリッド

  • レヴォーグ/1.8Lターボ【CB18型】

    コンパクトさと効率を追求した新世代ターボエンジン。高回転高出力追求型ではなく、低回転から豊かなトルクを供給する。

  • スバルXV/ 2L+モーター【e-BOXER】

    1.6Lガソリン車も設定されるが、現代的なスバルの走りを味わえるのは、今やメインのエンジンとなったe-BOXERだ。

「SGP」を最適化

レヴォーグ

今回試乗した両車は、先進機能への対応や環境性能/走行性能の向上を果たした新世代アーキテクチャー、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)を採用している。

【ピックアップ/先進安全】アイサイトXや進化版のアイサイトが疲労を軽減

レヴォーグのアイサイトXが見所だ

 スバルXVはアイサイト・ツーリングアシストを採用。レヴォーグのアイサイトは最新版で、高速道路での渋滞時にハンズフリーが可能なアイサイトX搭載グレードも設定する。

アイサイトX

新型カメラ/レーダー/ソナーに加え、高精細3D地図や準天頂衛星データも利用する。

【ピックアップ/ユーティリティ】荷室の容量、アレンジ、機能&装備をチェック

レヴォーグは手かざしでリヤゲートが開く

 荷室容量は車格に比例するが、ともに開口部設定などが実用的で使いやすい。レヴォーグは4:2:4分割シートや新方式のパワーリヤゲートなど上位モデルらしい機能・装備が光る。

レヴォーグは奥行きに余裕があり、パワーリヤゲートのセンサーがエンブレムの位置にあるため、片足立ちの必要がない。

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●文:川島茂夫 ●写真:長谷川 徹

提供元:月刊自家用車

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ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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