新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.06.30 / 掲載日:2020.06.30

TOYOTA 新型ヤリスクロス対ヤリス ライバルモデル比較

似ているようで違いは大きい 実用利便性はかなり差がありそう

 車体の大型化やスポーティなキャラでプレミアム性を向上させるのは昨今の常套手段だが、ヤリスはキャビン後半を絞り込んだデザインを採用することで、カジュアル&スポーティな色合いを濃くしている。Bセグメントモデルらしいパーソナルユースを狙いつつも、最優先はスポーティというモデルだ。

 当然、後席の実用性は低くなるため、フル乗車時の使い勝手は同クラスのライバル勢に比べても見劣りしてしまう。その弱みを改善したモデルがヤリスクロスだ。全長を240mm長くすることで、荷室を中心にキャビンスペースの拡大を図っている。フル乗車でのアウトドアレジャーは厳しいにしても、ある程度のファミリー&レジャー用途には対応できるなど、実用面が大きく向上しているのは間違いない。

icon ヤリスクロス

ボディ寸法が異なることに加えて、各部の意匠や造りも完全に別物。スタイリングもかなり違う。横から見比べるとヤリスとの違いは一目瞭然だ。

icon ヤリス

前後バンパー&ドア形状やグラスエリア、鋭角なコンビライトなど、見た目にもヤリスクロスとは違ったアプローチ。リヤセクションのスペース配分も明らかに異なる。

チェック1 キャビン& 荷室比較

icon ヤリスクロス

ボディサイズ拡大の恩恵はキャビンスペースの余裕に表れる。特に後席は明らかに広くなっており、ヤリスの弱点を克服していることが分かる。素材感も高まることも予想できる。荷室スペースも余裕をもたせた設計。上下2段式のラゲッジボードを採用することで、後席格納時にはフラット床面にすることも可能。ヤリスと同様の工夫が施されるようだ。

icon ヤリス

横方向に広がりをもたせた開放的なインパネデザイン。素材や仕立てはコンパクトクラスとしては良好だ。後席はクラスなりのスペースで、ヤリスクロスと比べるのは酷だろう。2段式のラゲッジボードの採用など使い勝手を高める一定の工夫は施されているが、奥行きが違うことに加えて、開口部の左右幅もかなり違う。積載性はほどほどの印象だ。

ハッチバックとSUVの差は 車内設計のゆとりでも実感

 ホイールベースはほぼ同じ。リヤオーバーハングはヤリスクロスが180mm大きく、その分が荷室奥行きに上乗せされている格好だ。リヤゲート周りの造形から推測するにデッドスペースも少なく、積載性も勝っているだろう。また室内高を活かして座面高を高くセットしていることから、居住性でもヤリスクロスが多少上と推測できる。

チェック2 走り& パワートレーン比較

  • 入念に煮詰められたシャシー&サスのおかげで走りの質感はクラストップレベルだ。ヤリスクロスにもこの強みが引き継がれることは間違いないだろう。

  • ハイブリッド車もガソリン車も熱効率に優れた最新ダイナミックフォースエンジンを採用することで燃費性能にも優れる。ガソリン車は他社のハイブリッド車並みの数値を出すことも。

重量ハンデの影響は僅か 走りも大いに期待できそう

 ヤリスクロスの車両重量は未公表だが、車体が一回り大きくなった事から想像するに1クラス上がったと考えるべきだろう。車両重量の増加はそのまま動力性能と燃費に影響するが、動力性能はハイブリッド車は駆動用モーターの出力からして大きな影響はなく、ガソリン車も最新のダイナミックフォースエンジンの特性から考えると、加速時のエンジン回転数が高くなるくらいだろう。基本的にはヤリスと同レベルの走りの良さを期待していいはずだ。

チェック3 装備&機能比較

  • 高度駐車支援システム「トヨタアドバンスドパーク」は、精度も操作性も優秀。ヤリスクロスにも搭載される可能性が高い。日常生活を便利にする支援機能の充実もヤリスの美点の一つだ。

  • ヤリスは、DCM(車載通信機)とDA(ディスプレイオーディオ)が全グレードに装着された。T-Connectに加えスマホ連携も強化されるなど、通信機能が充実している。ヤリスクロスにも同様のシステムが採用されるだろう。

ヤリスよりも1ランク上の 最新機能が盛り込まれる

 DA(ディスプレイオーディオ)を中心にした車載IT関連や基本快適装備はヤリスを踏襲するだろう。また実用装備ではハンズフリーパワーテールゲートの採用も注目点だ。イージーリターンシートなどの乗降性向上装備が設定されるかも気になる部分だ。運転支援機能ではEPBが採用される可能性が高いので、ヤリスクロスでは高速対応のACCが、全車速型となる可能性がかなり高い。

VS ライバル ヤリス編 結論 総合力はヤリスクロスが優位だが コスパ面でヤリスに勝てるかは……

ヤリスはハイブリッド車にも4WD駆動のE-Fourが採用されるなど、生活レベルの走破性を持つ仕様を比較的安価に選ぶことができる。コスパの良さはヤリスの方が上になるだろう。

 スタイリングの好みを別とすれば、ヤリスは燃費と動力性能以外はヤリスクロスを超える部分がない。サイズが一回り大きいと言っても、取り回しに影響するのは最小回転半径くらいである。しかし、コスパとなると微妙だ。公開されている内容やSUVということからヤリスと同等価格は有り得ない。ヤリスとカローラスポーツの中間くらいになりそう。価格次第ではヤリスだけでなく、カローラスポーツとの比較検討もアリになるかもしれない。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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