新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.05.29 / 掲載日:2020.05.29
ロッキー/ライズ VS ヴェゼル
DAIHATSU ロッキー 価格帯:170万5000~242万2200円

●主要諸元(ロッキー X 2WD) ●全長×全幅×全高(mm):3995×1695×1620 ●ホイールベース(mm):2525 ●車両重量(kg):980 ●パワーユニット:996cc直3DOHCターボ(98PS/14.3kg・m) ●トランスミッション:D-CVT ●WLTCモード総合燃費:18.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディング・トレーリング(R) ●タイヤ:195/60R17
ボディサイズは5ナンバーサイズを堅守。凹凸を効かせたデザインと全長を短めにとったプロポーションが印象的。RAV4の弟分に見える。
ラゲッジの床面はデッキボードを採用することで使い分けにも対応。奥行きも十分、開口部の段差もないなど使い勝手の良さも併せ持つ。
1Lターボ車とは思えぬほど元気いっぱいな活発な走りが楽しめる。サスチューンはやや硬めだが、ロールの抑揚が巧みに効くこともあって、乗り心地を損なうほどではない。
前後シートの間隔や天井までの高さも配慮した快適性重視のキャビンレイアウト。サイズ以上の余裕があることも人気を集める理由の一つ。
ロッキーとライズはどこが違うのか?

TOYOTA ライズ 価格帯:167万9000~ 228万2200円
ロッキーのトヨタ版となるのがライズだ。ロッキーとの差別点は、ロッキーにはハーフレザーシート仕様のプレミアムが設定されていることと、フロントマスク意匠の違い程度。パワートレーンも装備内容もほぼ同じと考えて問題ない。
HONDA ヴェゼル 価格帯:211万3426~298万186円

●主要諸元(ハイブリッドZ ホンダセンシング FF) ●全長×全幅×全高(mm):4330×1770×1605 ●ホイールベース(mm):2610 ●車両重量(kg):1320 ●パワーユニット:1496cc直4DOHC(132PS/15.9kg・m)+モーター(22kW/160N・m) ●トランスミッション:7速オートマチック ●JC08モード燃費:23.4km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:215/55R17
クーペライクなスタイリングもヴェゼルの特徴の一つ。いち早く運転支援機能も充実するなど価格と性能のバランスの良さも人気を集める理由だ。
パワートレーンは3タイプ設定されるが、主力は1.5L直4+モーターのハイブリッド。パワーと燃費性能のバランスが良く、足回りもしっかりと煮詰めらているなど、選びたい理由も多い。
後席格納にダイブダウン式を採用するなど、荷室はクラス最大級の広さと実用性を持つ。座面のチップアップ機構など、多彩なアレンジも見所だ。
2018年のマイナーチェンジで内装意匠の質感向上が図られ、上質感の演出も高まった。また後席の余裕もこのクラスとしてはトップレベルだ。
ズバリ!買うならば、こいつで決まり!

ヴェゼル (ハイブリッド)
価格と装備揃えでロッキーと競合するのはNA車になるが、動力性能の余力を考えると、プラスαの予算を追加してでもハイブリッドを選びたい。
個性がハマればロッキーだが 総合力ではヴェゼルが上
軽量小型車らしい小気味の良い走りが好みならばロッキーは魅力的である。スペックだけでなくフットワークやパワートレーンの味付けもそのようになっている。ただし、悪く言えば落ち着きがない。大人っぽいゆったりとした走りを好むなら断然ヴェゼルがいい。車格が上というだけでなく、走りの味付けも穏やかな志向。もう少し高速での余力があればいいなとも思うのだが、それでも総合力では間違いなくトップクラス。ロッキーとの価格差に見合う満足感が得られるだろう。
価格的には競合してくる 実はぶつかるライバルだ
ロッキー(ライズ)は全長4m弱、ヴェゼルは4.3m強。一回り違うボディサイズが示すように車格も1クラス異なっている。しかし、ロッキーは1Lとは言えターボを搭載。ヴェゼルのガソリン車との価格差は意外と少なく、20万円に届くかどうか。実勢価格では拮抗したライバル関係となるのだ。
車体サイズが影響するキャビンの実用性はヴェゼルが勝って当然。コンパクトサイズながら後席居住性に気を使ったロッキーも悪くはないが、寸法的な余裕に加えてフィット譲りの多様な積載性を持つヴェゼルには及ばない。
4WDシステムは両モデルともに電子制御カップリングを採用し、機能的に大きな違いはない。最低地上高は185mmだが、ホイールベースとオーバーハング長の短いロッキーのほうが下打ちの可能性は低い。もっとも、両車ともにハードクロカン向けではなく、想定用途では大差ない。
オンロードでの走りはロッキーは硬めのサスチューンとターボの伸びやかな加速感で、軽量車らしい小気味よいドライブフィールを持つが、快適性や高速走行での落ち着きではヴェゼルが優れる。ヴェゼルはこのクラスのライバル勢の中ではNA車もハイブリッド車も高速域での非力感が少々目立つのだが、ロッキーとの比較ならばヴェゼルの方が高速長距離は有利だ。
装備機能面は車載IT機能は共にオーディオレスが基本で、ナビはOPで選ぶカタチ。ロッキーは9インチ大型ディスプレイのDA(ディスプレイオーディオ)、ヴェゼルは通信機能付きのインターナビ(8インチ)がメーカーの純正品として用意されている。
違いが出てくるのは安全運転支援機能。ロッキーは新世代スマートアシスト、ヴェゼルはホンダセンシングが用意されており、共に歩行者検知などの衝突軽減ブレーキを備えているが、運転支援の要であるACCの機能が微妙に異なる。ロッキーは停車時まで作動する全車速型、ヴェゼルは30km/h以上で作動する高速型と、機能面ではロッキーに軍配が挙がる。ただし、ロッキーのACCは上級グレード向けのOP設定で、全グレードにホンダセンシングが備わるヴェゼルと比べると、装着のハードルが高い。いまやクルマ選びにおいて運転支援機能の充実ぶりは、クルマ選びの重要なキーワード。見逃せない差といえるかもしれない。