新型車比較・ライバル車対決
更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.03.30
コンパクトSUV実力採点簿

山 本 シ ン ヤ / 川 島 茂 夫 / ま る も 亜 希 子
各社ご自慢のモデルが揃うだけあって、ユーザーからの注目が高いカテゴリーだ。ここでは国内メーカーが販売しているモデルを本誌執筆陣が辛口採点。その実力を確認してみたい。
エントリーNO.1 TOYOTA C-HR

2016年末に発売されたC-HRは、全てのSUVの中でも昨年最も売れたモデルだ。スタイリングばかりが注目されることも多いが、サスまわりの煮詰めはニュルブルクリンクで仕込まれるなど、走りの良さも売りにしている。先進安全を含む、装備類もクラストップレベルだ。
最近のトヨタ車に採用されているV字型にグリルが広がるキーンルックが印象的。ボディラインはまるでクーペそのもの。他とは違う個性も大きな強みにしている。
1.2L 直噴ターボ車も選べるが、主力はハイブリッド車。98PS+53kWのパワーはもちろん、JC08モード燃費も30.2km /Lとトップクラスだ。
後席快適性や荷室の使い勝手は、お世辞にも得意といえない。スタイリング優先の弊害は、ユーティリティの幅の狭さに出ている。
オススメのグレード G-T
できればもう少しパワフルなパワーユニットを搭載して欲しい
ニュルブルクリンクで鍛えた走りは、決してスポーティな味付けではないが、基本に忠実なハンドリングでロングドライブも疲労度が少ない。しかし、クロスオーバーSUVながら最低地上高は低めなのでオフロードは……。パワートレーンはFFのハイブリッドと、4WDの1.2Lターボを用意。ともに正直、シャシーの仕上がりに対してちょっと物足りない。居住性やユーティリティは絶対評価をすると低い点数だが、メーカーは完全に割り切っているので問題ない。オススメのグレード G LEDエディション
オンロード主体ならば満足度はかなり高い
レジャーユース向けに選ぶなら4WDのターボ車も気になるが、ハイブリッドはやはりC-HRの大きな魅力。また、SUVに分類されているが、最低地上高は一般的乗用車と大差なく、4WD車でもラフロード走行を前提とする用途には厳しい。キャビンスペースは容量的に不足はないが、後席は圧迫感が強く、荷室は積載性に劣る。キャビンもまた実践的レジャー用途向けの設計とは言い難く、スペシャリティカーに割り切ってこそ、その魅力は輝く一台だ。オススメのグレード G-T
安全&運転支援装備も未だに一線級の実力を持つ
プリウスに続くTNGA採用第二弾としてプリウスをベースに仕上げられ、欧州の道やサーキットで走りを鍛え抜いただけあって、オンロードでのバランスの良さ、安定感のある爽快な走りが一番の持ち味だ。デザインもアグレッシブ。ハイブリッドの上質なクルージング感覚もいいが、高回転の伸びやかさと小気味いい挙動を見せるガソリンターボもコスパにも優れる。安全&運転支援装備はトヨタ最新ではないが、十分なレベルが備わっている。
エントリーNO.2 HONDA ヴェゼル

●価格帯:207万5000円~292万6000円
先日のマイナーチェンジで内外装の意匠変更に加え、最新仕様のハイブリッドシステムの採用や、ホンダセンシングを全グレード標準装備するなど、プレミアム性を大きく高めてきた。フィット系由来のパッケージの割にはやや割高な価格設定だが、最新型の充実ぶりを考えると納得できる。
基本骨格などはフィット系を由来とするが、デザインなどはヴェゼル専用仕立て。手頃なボディサイズもあって、常に販売ランキング上位に位置する人気モデルだ。
ガソリン車もハイブリッド車もエンジンは1.5L直4DOHCを採用。ハイブリッド車は132PS+22kWのパワースペックを発揮する。
後席&荷室は広さもゆとりもクラストップレベル。アレンジ面も優秀で、レジャーから街中での買い物まで、便利に使うことができるだろう。
オススメのグレード ハイブリッドZHondaSENSING
最新型は快適性も高いレベル充実装備も大きなポイント
エクステリアはスタイリッシュで居住性は割り切られていると思いきや、フィット譲りのセンタータンクレイアウト採用により、想像以上に居住性/ユーティリティは高い。ハイブリッド(スポーツハイブリッドi-DCD)は燃費の良さだけでなくダイレクトなフィーリングと小気味よさがスポーティ。初期型のフットワークは操安性重視で快適性は厳しかったが、最新型は上手にバランスがとれている。安全支援は上級モデルと同じホンダセンシングなのもマルだ。オススメのグレード ハイブリッドZHondaSENSING
万人にオススメしやすいオールラウンダーだ
欲を言えばもう少し最低地上高に余裕があればと思うが、スペシャリティ感覚やレジャー用途向け実用性、オン&ラフロード性能のバランスの取れたモデルである。1.5Lながら電動アシストを上手に使い高速走行での余力感もある。ACCは全車速型ではないが、半自動操舵型LKAも採用され、長距離適性向上の一助となっている。全方位ともバランスよくまとまり、いずれもクラストップレベル。汎用性を求めるほど買い得感も高まる。オススメのグレード ハイブリッドRSHondaSENSING
マイナーチェンジで魅力向上価格以上の満足感がある
スタイリッシュなデザイン、フィット譲りのセンタータンクレイアウトによる低重心な走り、ゆったり座れる後席と広い荷室など、ファミリーユースにも向く要素が詰まっている。つい先日のマイナーチェンジでホンダセンシングが全車標準となり、シート形状刷新による居住性や静粛性もアップ。とくにハイブリッドRSはパワフルな加速と機敏なハンドリング、上質な高速クルージングでロングドライブも快適。価格以上の満足感が得られるモデルだ。
エントリーNO.3 NISSAN ジューク

●価格帯:197万5320円~346万8960円
スポーティなエクステリア&インテリアで仕立てられる個性派SUVの元祖というべきコンパクトクロスオーバー。発売は2010年と他のライバルに比べると設計年次は古いが、近年はNISMOモデルも投入されるなど、根強い支持を受けている一台。
オススメのグレード 15RX Vセレクション
ニスモRSには独自の魅力があるが全体的に古さは否めない
登場してから年数が経過しているので、基本性能や安全装備で不利を感じる。エクステリアは古さを感じないが、インテリアは質感を含めて時代を感じてしまう。走りは見た目と違って普通だが、ニスモRSは日本車では数少ない気持ちよく走れるSUVの一台だ。居住性やユーティリティはC-HRより割り切っている印象だ。オススメのグレード 15RX Vセレクション
走りはホットハッチ風味乗り心地と安全関連が弱点
走りはホットハッチ的で、キャビンは前席優先の5ドアクーペ的。1.5L車はFFのみだが、4WDを採用するターボの走りはさらにホットハッチ志向が強まる。コンパクトサイズとショートオーバーハングは悪路で有利だが、乗り心地が厳しい。スペシャリティな雰囲気の演出は巧みだが、安全&運転支援対応がウイークポイント。オススメのグレード 15RX Vセレクション
扱いやすいキャラは健在ただ、安全系装備は物足りない
個性的なデザインや、全長4m強の手頃なサイズ感と軽い車重による市街地での扱いやすさが大きな魅力。日常に必要十分な1.5L、パワフルな1.6Lターボ、ニスモ仕様とバリエーションも多彩。安全&運転支援装備が手薄なことと、後席がタイトなところが弱点だ。インテリアも登場初期は斬新だったが今となっては古さを感じる。
エントリーNO.4 MAZDA CX-3

●価格帯:210万6000円~303万4000円
走りに加え、内装まわり仕立てもトップクラスの実力を持つ
全域で軽快に走れる2Lガソリン車も登場して選択肢が広がったことはマル。年次改良も積極的で、乗り心地や操縦安定性も熟成されてきた。大胆な本革ホワイトシートや細部まで丁寧な仕上げと色使いが施されたインテリアの上質感、センスの良さはコンパクトSUV随一。快適なロングドライブができることも魅力だ。
オススメのグレード XD プロアクティブ
内外装の仕立ては際立つが割高な価格設定が残念
スポーティに仕立てるモデルが多い中、内外装共に質感にこだわりエレガントに仕上げられている。ただし、居住性/ユーティリティは前席重視である。フットワークは基本に忠実で自然かつ素直なハンドリング。どちらかと言えばGT的な走りで、ロングドライブで疲れにくいセットアップだ。ライバルに対してや割高なのが残念なところだ。オススメのグレード XD プロアクティブ
2名乗車がメインならば有力な選択肢になってくる
コスパの点では2Lガソリン車に分があるが、高速域での燃費と動力性能がディーゼル車の魅力。ライバル車に対する大きなアドバンテージだ。高速や山岳路でも安心感の高い操安性を披露するなど、長距離走行に適している。安全&運転支援装備も充実。ただ、後席が狭いので2名乗車を基準に考えた方がいい。オススメのグレード 20S Lパッケージ
走りに加え、内装まわり仕立てもトップクラスの実力を持つ
全域で軽快に走れる2Lガソリン車も登場して選択肢が広がったことはマル。年次改良も積極的で、乗り心地や操縦安定性も熟成されてきた。大胆な本革ホワイトシートや細部まで丁寧な仕上げと色使いが施されたインテリアの上質感、センスの良さはコンパクトSUV随一。快適なロングドライブができることも魅力だ。
エントリーNO.5 MITSUBISHI エクリプス クロス

●価格帯:253万2600円~309万5280円
アウトランダーの下にカテゴライズされる、ミツビシSUVの最新モデル。流麗なエクステリアや質感を高めたキャビン空間に加えて、S-AWCを中核とする走破性能の高さも売り。FF車も設定されるが、その実力を堪能するには4WD車を選ぶのが良さそうだ。
フロントマスクは、ミツビシの新デザインテーマ「ダイナミックシールド」を採用。「エクリプス」の名を冠しているだけに、スタイリングの随所にクーペ風味もふんだんに注がれる。
日本仕様車に搭載されるのは、新開発1.5L直4直噴ターボ。150PS/24.5kg・mを発揮するが、最大トルクは2000回転からと、全域で扱いやすい特性を持つ。
スタイリングにこだわるモデルだが、荷室などには手狭感は感じない設計。ユーティリティ面は平均レベルだが、なかなかの実用性を兼ね揃えている。
オススメのグレード G
内外装も走りも魅力十分高いレベルで纏まった一台
最後発モデルだけありライバルをよく研究。スタイルと居住性/ユーティリティを上手にバランスさせたパッケージングや、オンロード/オフロード性能をバランスさせた走りなど隙の少ない内容だ。1.5Lターボ+CVTの組み合わせも十分以上のパフォーマンスを備えているし、安全支援システムも充実。全体的なバランスは非常に高い。ただ、これぞ……と言う部分が「S-AWC制御」と一般ユーザーへのアピールが難しいことは難点かもしれない。オススメのグレード G Plus Package
実用性能の高さも大きな見所幅広いニーズに応えてくれる
スペシャリティ型SUV市場をターゲットに開発されているが、実用性も配慮された設計を採用。ファミリー&レジャーにも対応できるユーティリティを備える。走行性能はオン&ラフロード性能の高水準での両立が見所。低回転から力強い1.5Lターボにより高速も余裕。四季を通してドライブを楽しむレジャーにぴったりだ。車線維持支援は警報のみだが、全車速型ACCやBSMなど安全&運転支援も充実。ただ、価格も内容相応である。オススメのグレード G Plus Package
随所に入念な造り込みを感じるコストパフォーマンスも優秀
新生三菱を牽引する役割を担うモデルだけに、デザインも走りも使い勝手も気合が入った作り込みとなっている。特にバランスの良いボディに三菱独自のS-AWCを搭載した4WDは、速さもありながら雪道などの走破性が高いのが特徴だ。前後スライド可能な後席は広さも十分で、奥行きと横幅のある荷室の積載性は余裕たっぷり。フル装備の4WDトップグレードでも300万円強という価格で、コストパフォーマンスにも優れている。
エントリーNO.6 MITSUBISHI RVR

●価格帯:205万8480円~254万1240円
ミツビシSUVのエントリーモデル。パワートレーンは1.8LガソリンとCVTの組み合わせだが、上位グレードは6速スポーツモード付きの上級仕様にアップグレードされる。デビューは2010年と設計年次は古いが、頻繁な改良が施され、商品力を高めている。
オススメのグレード G
スペック以上の走りを持つが基本設計の古さは否めない
三菱クロスオーバーSUVシリーズの末っ子となるモデル。1.8L のSOHCエンジン+CVT、電子制御AWDとメカニズムはベーシックだが、アウトランダーよりもコンパクト/軽量なボディとストローク感の高いサスペンションの組み合わせによりスペック以上にキビキビ走る。しかし、デビューから8年経過しているので古さを感じる部分も多い。オススメのグレード G
基本性能は十分だが安全&支援系装備が弱点
エクリプスクロスの姉妹車とも言え、ファミリー&レジャーをコンパクトサイズにうまくまとめている。しかし、パワートレーンや安全&運転支援機能は一世代以上前の水準となってしまう。車格を考えると値頃感の高い値付けであり、趣味に合えば買い得だが、長く乗り続けることを前提とするなら運転支援の遅れは致命傷だ。オススメのグレード G
最新改良で安全装備を強化ただしACCがないのは残念
登場から8年経過でやや古さは感じるものの、とても真面目に作られていると感じられるモデルだ。市街地での扱いやすさや乗降性の良さ、欲しいところで不足のないパワーが得られる1.8Lエンジンで、日常からレジャーまで十分にこなせる。昨年のマイナーチェンジで予防安全装備が加わったが、ACCなど運転支援系がないのが残念。
エントリーNO.7 SUBARU スバルXV

●価格帯:213万8400円~267万8400円
インプレッサベースだが、スバルの新世代プラットフォーム「SGP 」を前提に開発。先代よりもSUVらしさが高まっている。CMなどではカジュアルさも強くアピールするが、悪路走破をサポートするX-MODEを搭載するなど、オフロード適正も隠れた見所だ。
オススメのグレード 2.0i-L EyeSight
オン/オフ問わない走りの実力質感の高さはさすが
専用ボディのライバルと比べるとインパクトと言う点では厳しい。だが、走りはSGP採用によりオンロード性能は数値に現れない質感もアップ、オフロード性能はAWD+X-MODEの組み合わせで、下手なSUVを超える性能を持つ。ただ、パワートレーンはNAエンジン+CVTだが、1.6Lはややアンダーパワー、2.0Lの方がキャラクターに合っている。オススメのグレード 2.0i-L EyeSight
燃費面に難点を持つがSUVとしての実力はトップレベル
オンロードでの走りはベースとなったインプレッサよりもしなやかな印象があり、SUVとしては快適性も安心感もトップレベル。アイサイトは全車速ACCや半自動操舵型LKAも採用。運転支援機能でもクラス最高水準である。長距離燃費や見た目や乗車感にS U Vらしさが希薄なのが難点だが、汎用性の高さは大きな長所だ。オススメのグレード 2.0i-S EyeSight
マルチに使える万能選手コストパフォーマンスも抜群
新世代プラットフォームを採用し、全高を1550mm に抑えながら最低地上高を200mm 確保したパッケージは、走破性と安定性、使い勝手を見事に並立。軽やかな1.6Lと直噴化でパワフルな2.0Lが選べる一方、全車速追従機能付きACCを含む先進運転支援技術「アイサイト」が全車標準。コストパフォーマンスも素晴らしい。
エントリーNO.8 SUZUKI ハスラー

●価格帯:110万520円~167万4000円
先代ワゴンRをベースとする軽SUV。2014年のデビュー時には爆発的な人気を集め、新たなジャンルを切り開いたモデルだ。商品改良も積極的で、特に安全装備関連は頻繁にアップデート。最新型はデュアルカメラブレーキサポートを装着。
オススメのグレード Xターボ
軽ミニバンと違って居住性/ユーティリティに多くは求められないだろうが、必要十分なスペースは確保されている。AWD 仕様のオフロード性能も想像以上にシッカリ。ロングドライブはやや苦手だが、ターボ車ならファーストカーとして使っても問題ないと思う。
オススメのグレード Xターボ
ターボと4WD を選択すれば中距離レジャーにも対応できるが、コンパクトクラスと比較すると長距離適性は弱点だ。街乗り中心のユーザー向けの選択。ただし、キャビンユーティリティは格上クラスと同等以上。居住性や積載性のこだわりは見所のひとつである。
オススメのグレード Xターボ
軽クラスながら、居住性はコンパクトクラスに勝るとも劣らない広さ&便利さ。ただどうしても荷室容量は敵わず、安全&運転支援装備も必要十分なものにとどまる。とはいえ走りの質感やパワーは気持ちのいい仕上がり。4WD の性能も高い。
エントリーNO.9 SUZUKI SX4 S-クロス

●価格帯:206万2800円~227万8800円
生産はハンガリーのマジャールスズキが担当。欧州市場を狙って開発されたモデルだが、日本にも輸入されて販売されている。グレードは1.6L直4ガソリン(117PS/15.4kg ・m)を搭載する標準仕様のみの設定。FFと4WDを選ぶことが可能。
オススメのグレード 標準仕様
先代モデルはWRC のベース車両になったこともあり、実は走りの素性はスイフト以上。欧州では高い評価を得ているが、日本ではエスクードと被る部分も多く、地味な存在。トランスミッションはマイナーチェンジでCVT → 6速AT となったが、まだ物足りない。
オススメのグレード 標準仕様
キャビンは上級コンパクトまたはショートワゴンの仕立て。最低地上高の確保などクロスオーバーSUV らしい設計だ。悪路対応も含めた汎用的な性能が売り物のひとつだが、運転支援機能は一世代前の標準レベルであり、ウェルバランスだが決め手に欠く。
オススメのグレード 標準仕様
全長4.3m のサイズとしては前席・後席とも広さは必要十分。特筆すべきは運転感覚と乗り心地の良さ。剛性感が高くフラットで、山道や高速、長時間ドライブでも疲れにくく、よくできた欧州車のイメージだ。安全&運転支援装備が少ないのは残念。
エントリーNO.10 SUZUKI エスクード

●価格:258万6600円
2015年にデビューした4代目エスクード。クロスオーバー色が強くなるなど、オンロード志向が高まっている。このモデルもSX4と同様にマジャールスズキの生産で、最新の仕様変更で1.6LNA車の設定が終了し、1.4Lターボ車のみとなった。
オススメのグレード 1.4ターボ
現行型よりモノコックボディとなり、SX4 S-クロスと基本コンポーネントを共用する。マイナーチェンジで1.4Lターボ+ 6 速AT が追加され、安全支援システムも用意。欧州仕込みの走りの実力はあまり知られていないが、クラストップレベルに位置する。
オススメのグレード 1.4ターボ
全車速型ではないがACC を採用し、街乗りにも高速長距離にも扱いやすいバランスのいい走行性能を持つ。1.4L車はターボらしい余力感があり、6速AT と相まって走りの質感も上々だ。を向上。突出した部分はないが、使い回しのいいクルマだ。
オススメのグレード 1.4ターボ
初代から連綿と培ってきた高いオフロード性能を守りつつ、クロスオーバー色を強めたデザインや、パワーと燃費を両立する新開発の1.4Lターボ車の設定など、進化を続けているエスクード。ただし、荷室の使い勝手はいいが、快適装備が少なめなのは残念。
エントリーNO.11 SUZUKI ジムニー

●価格帯:129万6000円~162万5400円
デビューは1998年と20年近く前。幾たびの商品改良が行われているとはいえ、現代のクルマの基準には足りない要素も多い。だが堅牢なラダーフレームが生み出すオフロード性能は唯一無二。噂される次期型にも受け継がれるはずだ。
オススメのグレード ランドベンチャー
世界最強と呼ばれるクロカンSUV。フレーム構造、リジットサス、パートタイム4WD とシンプルなシステムだが、軽量ボディを活かしたオフロード性能は敵なし。ただし、オンロード性能は必要十分と言ったレベルなのも事実。乗る人を完全に選ぶ稀有な存在だ。
オススメのグレード ランドベンチャー
設計も性能もハードクロカンそのもの。キャビンスペースは最小クラス。乗り心地に落ち着きはなく、燃費も悪い。悪路踏破性を除けばいいところがない。総合評価はその結果だが、逆にクロカン性能を最優先にするユーザーにとっては唯一無二のモデルだ。
オススメのグレード ランドベンチャー
気の利いた収納や快適装備も少なく、後席は乗り降りからして大変でタイト。オンロードでは足元は柔らかくノイズも大きいため、高速走行は正直厳しい。でもひとたび雪道や悪路に出れば、無敵の走破性を見せる。それを求めている人には最高の一台だ。
エントリーNO.12 SUZUKI ジムニーシエラ

●価格帯:166万8600円~177万9840円
軽自動車のジムニーに対して、1.3Lの直列4気筒エンジンを搭載する白ナンバーバージョン。スペックもジムニーの64PS/10.5kg ・mから88PS/12.0kg ・mに高まるなど、動力性能が向上している。ジムニー同様に次期型の噂もあるので、その動向に注目したい。
オススメのグレード ランドベンチャー
全幅が増えトレッドが拡大した分、オンロード性能はアップしているが、本拠地はオフロードであるのことには変わりはない。ABS /エアバックは装着されるものの、安全支援システムは未採用。ここは間も無く登場が噂される次期モデルで解決されるはずだ。
オススメのグレード ランドベンチャー
ワイドボディ化し、搭載エンジンを1.3Lに変更した以外はジムニーとほぼ同じ内容。ジムニーよりもパワーコントロールがしやすく、オフロード走行でも有利なことと、横滑り防止装置を採用した分だけ安全装備が少し充実した程度の違いしかない。
オススメのグレード ランドベンチャー
乗車定員は4 人のままだが、1.3Lとなるエンジンは高速での伸びもあり、ファミリーでも使いやすくなっている。ただ快適装備や安全&運転支援装備は変わらず手薄で、あくまでジムニー譲りの高いオフロード性能を優先する人向けのユーティリティと言える。
エントリーNO.13 SUZUKI イグニス

●価格帯:138万2400円~177万8760円
ハッチバックとSUVを融合させた新感覚クロスオーバー。燃費性能に優れるマイルドハイブリッドの採用に加えて、ボディも5ナンバー枠を目一杯使うスタイリングを採用。スズキらしい実用面を強く意識したモデルだ。
オススメのグレード ハイブリッドMZ
1.2L+ CVT、1 トンを切る車両重量によりオンロードでも元気に走るが、その一方で180mm の最低地上高や十分確保されたアプローチ&デバーチャーアングル、更にはヒルディセントコントール付の4WD システムなど、見た目に似合わずオフロードも難なくこなす。
オススメのグレード Fリミテッド
経済的な実用型スモール2BOX とクロスオーバーSUV を融合させたモデル。シャシーをクロスビーと共用しているが、1.2Lのマイルドハイブリッドは長距離走行向けではない。コンパクトな車体の割に居住性もユーティリティも良好だ。
オススメのグレード ハイブリッドMZ
高めのアイポイントによる見晴らしの良さと、最小回転半径4.7m の取り回しの良さで、抜群に運転しやすい。ただ高速やロングドライブではやや乗り心地が硬めで、パワーの余裕はもう少し欲しい。デュアルカメラブレーキサポートなど、安全系は充実。
エントリーNO.14 SUZUKI クロスビー

●価格帯:176万5800円~214万5960円
昨年末にデビューしたばかりのスズキ最新SUV。見た目はハスラー風に仕上げられているが、ベースとなったのはイグニス。そのためキャビン&ラゲッジは広々とした設計で、実用性の高さも売りとしている。
オススメのグレード ハイブリッドMZ
オン/オフを問わない実力派内容を考えればお買い得だ
メカニズムの多くはイグニスと共通。そのため、オンロード性能は見た目以上にシッカリしている。また、オフロード性能も高いことはあまり知られていない。カジュアルなインテリアは質感はそれなりだがキャラクターを考えればネガにはならず。コンパクトサイズを考えれば居住性/ユーティリティも十分。内容を考えればお買い得な設定だ。オススメのグレード ハイブリッドMZ
足りない部分も僅かにあるがパフォーマンスの高さは歴然
コンパクトサイズながら多様な積載性などでタウン&レジャーを上手に両立させているのが美点。パワートレーンも1Lの3気筒ながらターボを採用し、6速ATを奢るなどでクラス上と同等以上の良質な性能を得ている。寛ぎやオフロード性能、あるいは先進運転支援機能などでは中途半端な印象は否めないが、魅力あふれる内容を持つ。オススメのグレード ハイブリッドMZ
欲しい装備がしっかりと備わる隙の少ない設定がポイント
全長わずか3.7mとしては、後席の広さがしっかりあり、シートアレンジも簡単操作で収納スペースも豊富。ファミリーユースにも十分なユーティリティが魅力だ。1L直3エンジンのマイルドハイブリッドはATとの相性がよく、16インチタイヤでの乗り心地も穏やか。高度なものは付かないが安全系装備も備わるのは嬉しい。
コンパクトSUV選び、ポイントはここだ!
山本シンヤ
もはやこのクラスのモデルでも先進安全装備は必須だ
コンパクトSUVを選ぶ際に重視すべきポイントは何か? それはユーザーがどのようなに使うかをハッキリさせることだろう。一人で使う/家族で使う カッコで選ぶ/居住性で選ぶ、オンロード主体/オフロードも使いたい……などなど、用途によって選択肢は大きく変わるからだ。その辺りがハッキリするとおのずとモデルが絞られてくるはずだ。全体の傾向としては、軽自動車以外のほとんどのモデルは世界戦略車として開発されているので、基本性能はどれも高いレベル。また、最新のモデルであれば安全支援システムはデフォルトと考えていいだろう。川島 茂夫
多様多彩なモデルが揃う激戦区クルマの中身も吟味したい
車格面では軽乗用から2L級までの幅広い選択となるが、それ以上にキャラクターは多様多彩である。ジュークやジムニーのような尖りキャラから一般的な乗用車から乗り換えても馴染みやすいXVなど嗜好も志向も様々。安全&運転支援のような時代が求める必須項目を除けば多彩な品揃えを活かした主観的な魅力と、必須となる機能や性能とのバランスを最優先すべきだろう。その点からすればエクリプスクロスやC-HR、ヴェゼルのようにスペシャリティを主キャラに、実用性や先進性をアピールするモデルが人気となるのも納得だ。まるも亜希子
限られたボディサイズゆえにキャビン&荷室の広さは重要
まずはボディサイズに注目すべき。軽自動車枠か4m以下か、4.3m程度かによって、変わってくるのは主に後席の広さや荷室容量だ。ファミリーで使う場合や大きな荷物を積みたい場合には、相応の広さを選ぶべき。次にオンロード性能優先か乗り心地優先か、高いオフロード性能も必要かどうか。ミドルクラス以上には全て備えるモデルも多いが、コンパクトクラスではどれかに特化している場合が多いため、乗るシーンを想定して選ぶことが大事だ。さらに、このクラスでは安全&運転支援装備の充実度にもまだバラつきがあるため、しっかりチェックしておきたい。
提供元:月刊自家用車