新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.06.22 / 掲載日:2023.06.22

SUV界の人気者・ヴェゼル/カローラクロス/クロストレック 選び方決定版!

クルマは初めてというビギナーから、酸いも甘いも噛み分けたベテランにいたるまで、SUVはもはや外すことができないカテゴリー。ここでは国産車の中から注目すべきモデルをピックアップ。ライバル比較によって各車の特徴を明らかにしていく。

●文:川島茂夫

HONDA ヴェゼル vs TOYOTA カローラ クロス vs SUBARU クロストレック

いずれもクラスを代表する人気者
僅差でヴェゼルが最有力

 この3モデルは価格帯が近いこともあって、比較検討されるケースが多いモデル。HEVが主力を担うことも同じだ。ただおのおの得意としている分野が異なっており、それが選び分けのポイントになっている。

 まずクロストレックは、インプレッサを悪路対応させたモデルであり、車体骨格や艤装を除いたボディシェルをインプレッサと共用している。当然、キャビンスペースや荷室は共通になるため、他のSUVパッケージングとして開発されたライバルモデルと比べると余裕は少なめ。ただ200㎜が確保された最低地上高やフォレスターと同等の悪路対応型4WDシステムを採用することで、走りや悪路踏破性はコンパクトクラスの中ではトップレベルの実力を持っている。

 カローラクロスは、第四のカローラとして企画開発されたSUV。軸足はあくまでも“カローラ”であり価格を抑える必要があったため、FF車のリヤサスを新開発のトーションビーム式、SUVの華である4WD車はHEVのみと悪路踏破性には消極的な設計だ。だが、キャビンと荷室に関しては、SUVパッケージングを活かしたゆとり十分のスペースを確保することで、カローラシリーズの中では最も優れた実用性を獲得している。価格とユーティリティのバランスの良さはピカイチだ。

 ヴェゼルはフィットをSUVとして再設計したモデル。フィットが2BOXとしてはハイトパッケージを採用していることもあってSUVパッケージを採用したことの恩恵は薄めだが、多彩な積載を可能とする後席格納といったアレンジ機能も継承したことで、クロストレックやカローラクロスよりも一回りコンパクトな車体平面寸法ながら、積載性や使い勝手は勝っている。悪路対応力に関しては、カローラクロスよりも多少上回るが、クロストレックには及ばない。

 走行性能はクロストレックが一歩リード。カローラクロスもヴェゼルも不足ない性能を持っているが、高速走行時のゆとりなどはクロストレックが上。ツーリング主体のレジャー用途を重視するユーザーならば最適の選択になるはずだ。

 カローラクロスは経済的な実用車を求める向きに最適な一台。見た目こそSUVだが、本質は実用的なハイトワゴン。荷室の広さやコスパを重視するユーザーにオススメできる。

 ヴェゼルは流麗なスタイリングも魅力のひとつだが、レジャーから日々の買い物などのアシとしてこなせる万能タイプということが強み。カローラクロスに比べるとコスパは少し劣るが、総合性能は比較3モデルの中でもトップ。3モデルで迷っていたら、ヴェゼルを選べば問題ないだろう。

HONDA ヴェゼル

●価格帯:227万9200~329万8900円
オススメはHEV。先代のパラレル式からシリーズ/パラレル式に変更し、余力も瞬発力もランクアップ。乗り心地はファミリーユース向けのソフトめの設定で、高速走行での安定性も良好だ。

TOYOTA カローラ クロス

●価格帯:199万9000~319万9000円
最近のHEVの中では、瞬発力は少し物足りなく、4WDが弱いのは残念だが、燃費も含めた総合性能はいまだにトップ級。フットワークはカローラセダンよりも乗り心地寄りになっている。

SUBARU クロストレック

●価格帯:266万2000~328万9000円
本格SUVの踏破性を得ながらツアラーとしても良質な走りを実現しているのが新型の魅力。全開加速性能は2ℓの標準レベルだが、繊細なコントロール感と優しいフットワークが魅力だ。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ