新型車比較・ライバル車対決
更新日:2023.05.22 / 掲載日:2023.04.08

新型トヨタ プリウス PHEV vs ハイブリッド!買うならどっち!?

ついに正式発売! TOYOTA 新型プリウスPHEV 実力CHECK!

HEVモデルに遅れること2か月、PHEV(プラグインハイブリッド)モデルが正式発売された。満を持して投入される新型PHEVは外部充電機能を持つだけではなく、動力性能も1ランク上に仕立てられていることが特徴。プリウス同士はもちろん、ミドルセダンを探しているユーザーにとっても見逃せないほどの実力モデルだ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

※写真はプロトタイプ

真のトップグレードはプラグインハイブリッド!

■主要諸元 (PHEV Z FF)
●全長×全幅×全高(㎜):4600×1780×1430 ●ホイールベース(㎜):2750 ●車両重量(㎏):1570 ●パワーユニット:1986㏄直4DOHC(151PS/19.2㎏・m)+モーター(120kW/208N・m) ●トランスミッション:電気式CVT ●WLTCモード総合燃費:26.0㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:195/50R19

EV走行可能距離は87㎞
BEV的な使い方も可能

 PHEV仕様は3代目プリウスから追加され、現行型でPHEVとしては3世代目となる。満充電EV航続距離は初代PHEVでは26.4㎞(JC08)でしかなかったが、2世代目は60㎞(WLTC)、現行型は87㎞まで伸ばしてきた。短距離主体というユーザーならば、毎日充電することで、BEV的な使い方も可能になっている。

 現行型のPHEVのシステムは、エンジンとモーターはハイブリッド仕様と同型。ただEV走行領域を拡大するため、PCUを変更することでモーター出力を37‌kW増の120kWとしている。

 充電方式は普通充電のみだが、OPで太陽光で発電するソーラー充電システムを用意しており、トヨタの試算ではこれだけで年間1200㎞の走行が可能の電気を発電する。屋外に駐車していれば毎月100㎞分のEV走行電気代が節約できる計算も成り立つ。

動力性能に優れる
4WD車は未設定

 また、エンジン出力は同等ながらシステム最高出力も強化され27‌PS向上の223PSを発揮。プロト車のサーキット試乗での印象も中高速域の加速性能が高まっており、動力性能面でもハイブリッド車の上位設定となっている。

 ただPHEVはFF車のみの設定。新型の4WD車(E-Four)は、リヤモーターの出力が大幅に向上しただけではなく、FF車よりコーナリング時の挙動のしなやかさやラインコントロールの追従性が洗練されているだけに、4WD車が選べないのはPHEVの弱点に思える。

 ちなみにHV走行モードでのモード燃費はハイブリッド車の約一割減となる26.0㎞/ℓ。500㎞走行した場合でEV走行分も含めたPHEV車とハイブリッド車の燃料消費量を計算すると、PHEV車の方が1.6ℓほど少なくなる。価格にしてしまうと数百円という違いで、ハイブリッド車との価格差を回収するには30万㎞以上が必要となり、前述の太陽光発電をOPで装着したとしても経済性の観点からPHEVを選ぶのはナンセンスだ。

 PHEVは環境負担の少なさと動力性能面のメリットから選ぶモデル。急速充電には対応していないが、EV時代のカーライフを試せることも魅力。コスパで選ぶには厳しいが、スペシャリティに振ったキャラは現行型のコンセプトにはしっくりとくる。

2ℓエンジン+モーターの基本構造は共通だが、大容量駆動バッテリーが組み合わされたことで駆動モーター出力も向上。名実ともにプリウスの頂点に位置するモデルだ。
高効率ソーラーパネルを車両ルーフに搭載するソーラー発電システムも第2世代型に進化。1年間でEV走行1200㎞分を賄える発電能力を持つ。
外部充電対応は普通充電のみだが、200V/16Aの普通充電で満充電まで4時間30分が目安。実用的には問題ない。

新型プリウス選び【最終結論】

PHEVは割高感が……ハイブリッド車の4WD車が魅力的だ
 現行プリウスのコンセプトをそのまま投影したモデルといえるPHEV。急速充電には非対応だが、太陽光発電電力を走行に活かせるようになりエコ度も高まった。

 しかし、先進性や性能の優劣を考慮しても価格差が大きすぎる。最上位モデル狙いというユーザーならばPHEVを狙ってもいいがバランスがいいのはハイブリッド車だろう。

 また走り重視という向きには4WD車も有力候補に躍り出る。FF車との価格差は22万円と、性能面の向上に対して買い得感は極めて良い。オンロード中心というユーザーでもハイブリッドの4WD車が最もコスパに優れている。

●新型プリウス PHEV Z/プリウス Z 主要諸元&装備比較

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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