車の最新技術
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.03.07
アストンマーティン EV用高性能バッテリー開発で英企業と提携
アストンマーティンは現地時間の3月7日、英国のブリティッシュボルト社と共同で高性能バッテリーセル技術を開発することに合意したと発表した。
アストンマーティン初のBEV 2025年発売へ向け共同開発

この提携は、2025年に同社初のバッテリー式電気自動車を発売するため、高性能バッテリーセル技術の共同開発を行うもの。アストンマーティンは超高級パフォーマンスEVの開発に取り組んでおり、同社のエンジニアリング、デザイン、パーソナライゼーションを電気自動車に応用するとともに、繰り返し走行できる性能、充電時間、航続距離の新基準を目指しているという。
ブリティッシュボルトは、リチウムイオン電池のセル技術に投資する英国最大手の企業。アストンマーティンとブリティッシュボルトの共同研究開発チームは、特注モジュールとバッテリーマネジメントシステムを含むバッテリーパックの設計、開発、工業化を行う。両社は、ブリティッシュボルトが開発中のアストンマーティン電気自動車用の円筒形の特殊高性能セルの能力を最大限に引き出すために協力していくという。
アストンマーティン初のプラグインハイブリッド車であるミッドエンジン・スーパーカー「ヴァルハラ」は、2024年初頭にデリバリーが開始される予定。また、2026年までに、アストンマーティンはすべての新型車種に電動パワートレイン・オプションを設定し、2030年までに主要ラインナップを完全に電動化することを目標としている。ブリティッシュボルトとの協業は、アストンマーティンがメルセデス・ベンツAGと締結している戦略的技術提携を補完するものとなる。
アストンマーティンのEVが電気自動車のベンチマークとなるか
アストンマーティンの最高経営責任者、トビアス・モアーズ氏は、次のように語った。「この強力なコラボレーションは、アストンマーティンの109年にわたるエンジニアリングの熟練技術と、急成長中の英国のテクノロジー・ビジネスの専門知識を融合させるものです。ブリティッシュボルトと協力することで、アストンマーティンの電気自動車のベンチマークを設定するための新技術を生み出すことができると確信しています。この技術は、高性能と超高級、そして最高水準の持続可能性という当社の評判に見合うものとなるでしょう」「このパートナーシップにより、アストンマーティンは株主であるメルセデス・ベンツAGとの緊密な戦略的関係を補完し、電動化の選択肢を広げるための技術とスキルへのアクセスをさらに得ることができます」「持続可能な超高級ビジネスのリーディングカンパニーになるという野心の一環として、英国に拠点を置く低炭素電池メーカーと提携することを誇りに思っています」
ブリティッシュボルトの最高経営責任者兼創業者であるオラル・ナジャリ氏は、以下のように語った。「アストンマーティンのような一流ブランドにとって、超高級・高性能車という世界的に有名なブランドに忠実でありながら、電動化に移行することは、パフォーマンスの限界を押し広げる、カスタマイズされた持続可能なバッテリーセル技術にこだわることを意味します。ブリティッシュボルトは、アストンマーティンと協力し、電動化への移行を加速させることに興奮しています」「このコラボレーションは、お客様と手を携えて、その地域に合った持続可能な電池セルを共同開発・製造することの価値を改めて示すものであり、自動車メーカーが優れた製品を提供することを可能にします」「ブリティッシュボルトの低炭素で持続可能なバッテリーセルを搭載したオール電化のアストンマーティンが誕生することに、私たちはとても興奮しています。このようなコラボレーションは、エネルギー転換を成功させるための唯一の方法です」
今回の発表は、アストンマーティンが英国の先進的なエンジニアリングと、高性能車の開発に継続的に投資していることを表す。2021年には、電動パワートレインや車両キャリブレーション、ソフトウェア、電気システムなどの専門家を含む176名のエンジニアを採用しており、同社は次世代スポーツカーや将来の電気自動車を開発するため、さらなる増員を計画しているという。