車の最新技術
更新日:2021.06.25 / 掲載日:2021.06.25
ボルボ、XC90後継フラッグシップSUVに最新の安全技術を標準装備する方針 来年公開予定

XC90カメラの後継機のセンサー_イメージ
ボルボ・カーズは、2022年に公開が予定されているXC90の後継モデルにあたるフラッグシップSUVに、業界をリードする安全技術を標準装備すると現地時間の6月24日発表した。
2022年に公開が予定されているその電気自動車には、Luminar(ルミナー)が開発したLiDAR技術を含む最先端のセンサーと、NVIDIA DRIVE Orinシステムオンチップを搭載した自律走行スーパーコンピュータが標準で搭載される。
ボルボ・カーズは、この最先端ハードウェアと、ボルボ、Zenseact(ゼンセアクト)、Luminarのソフトウェアを組み合わせ、次世代の安全パッケージによる衝突回避技術を実現することで、死亡事故の減少を目指す。
最高経営責任者であるホーカン・サムエルソンは「このハードウェアを標準装備することで、オンラインで安全機能を継続的にアップデートしていくことにより、高度な自律走行システムが実現できるだろう」と述べた。オンラインによる継続的なソフトウェア・アップデートにより、時間の経過とともに衝突事故の減少率が加速することが予想されるという。
ヘンリック・グリーン最高技術責任者(CTO)は、「より安全なクルマを提供するために、長期的には衝突をゼロにし、事故を完全に回避することを目指す。オンラインを通じての継続的なアップデートにより安全技術を継続的に改善していくことで、衝突がますます稀になり、より多くの命を救えると考えている」と述べた。
一度導入されれば、この技術は時間の経過とともに成熟し、より高性能になっていくことで、安全上重要な状況下でドライバーの能力をアシストし、向上させると期待されている。これまでの技術では、差し迫った危険に対して、ドライバーへの警告が中心だったが、この新しい安全技術では、衝突を防ぐために必要に応じて介入することできるようになる。
ボルボの次期フラッグシップモデルには、センサー群とAIコンピューティングの性能に加えて、ステアリングやブレーキなどの主要機能のバックアップシステムが搭載され、安全でドライバーの監視を必要としない自律走行が可能なハードウェアが用意される。

XC90レーダーの後継機のセンサー_イメージ
これらのバックアップシステムは、LiDAR、コンピューター、ソフトウェアとともに、ボルボ・カーズの自律走行ソフトウェア開発会社であるZenseactと共同で自社開発したハイウェイ・パイロット機能が実現する。高速道路での自律走行機能であるハイウェイ・パイロットは、それぞれの地域や状況に応じて、安全かつ法的に許可されていることが確認された場合に、作動させることができる。
今年初め、ボルボ・カーズは、NVIDIA(エヌビディア)の技術を用いて車載コンピューターを集中管理すると発表した。NVIDIAの技術を採用したコア・コンピューターと自律走行用コンピューターは、オンラインでのアップデートにより、ボルボ・カーズの車をより安全に、よりパーソナルに、より持続可能にすると同時に、視覚機能(Vision)とLiDARの処理に必要なコンピューティング・パワーを提供する。
この新しい安全技術は、ボルボ・カーズが、Luminar、NVIDIA、Zenseactなどのテクノロジー・リーダーとのパートナーシップにより、業界で最も動きの早い企業の一つとなるための技術基盤を得ることができると考えている。
ボルボ・カーズは、6月30日に開催される「ボルボ・カーズ・テック・モーメント」で、将来の技術ロードマップの詳細を明らかにする予定としている。