車の最新技術
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.03.04
ボルボ XC40リチャージでワイヤレス充電技術の実証実験 EV
ボルボは現地時間の3月3日、電気自動車であるボルボXC40リチャージの法人向け車両を使用し、北欧地域最大のタクシー事業者であるCabonline(カボンライン)と連携して、新しいワイヤレス充電技術のテストを実施すると発表した。テストは少数の車両で、3年間にわたって行われる見通し。
充電パッド上に駐車するだけで充電開始、有線の急速充電器とほぼ同じ充電速度に
このワイヤレス充電テストは、同社がスウェーデンのイェーテボリ市と協力してクライメートニュートラルな都市を目指す実証実験「イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーン」で展開されるプロジェクトのうちの一つ。
テストで使用される充電ステーションは、ワイヤレス電気充電システムの主要プロバイダーであるMomentum Dynamics(モメンタムダイナミクス)によって提供されるもの。対応する車両が道路に埋め込まれた充電パッドの上に駐車すると、自動的に充電が開始されるという。
充電ステーションは、充電パッドを通じてエネルギーを送り、それを車内の受信ユニットが拾う仕組み。ボルボは車と充電パッドの位置合わせを容易にするため、360度カメラシステムを使用する予定だという。この充電システムで、XC40リチャージの充電の電力は40kW以上となり、有線の11kW ACの充電器の約4倍、有線の50kW DC急速充電器とほぼ同等の充電速度になるとみられる。
実験用のボルボ車は1日12時間以上使用され、年間10万km走行する予定で、これは同社EVの商用車として初の耐久試験でもある。
ボルボ・カーズの研究開発部門の責任者であるマッツ・モーバーグ氏は、「イェーテボリ・グリーン・シティ・ゾーンでは、新技術を現実の環境で試し、将来的に広く導入できるように時間をかけて評価することができます。選ばれたパートナーと新しい充電技術を一緒にテストすることは、私たちの将来の車のための代替充電システムを評価する良い方法です」と語った。
プロジェクトに参加する他のパートナーは、スウェーデンのボルボ車の販売会社であるボルボ・ビルおよびボルボ・カー・ソレッド、スウェーデンのエネルギー会社であるVattenfall(ヴァッテンフォール)とその充電ネットワークであるInCharge(インチャージ)、イェーテボリ市のエネルギー会社であるイェーテボリ・エネルギー、イェーテボリ市所有の市経済開発機関であるビジネスリージョン・イェ―テボリなど。
ボルボは昨年、2030年までに排出ガスのない交通手段の実現を目指す「イェーテボリ・グリーンシティゾーン」構想の立ち上げに参加。実際の都市を実験場として、電動化、シェアードモビリティ、自動運転、コネクティビティ、安全性などの分野の研究開発を進めていく考えだ。