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更新日:2022.05.20 / 掲載日:2022.05.10

CX-60プロトタイプを解説【ニュースキャッチアップ】マツダが「LARGE群」に込めた戦略

文●ユニット・コンパス 写真●マツダ
(掲載されている内容はグー本誌 2022年5月発売号掲載の内容です)

マツダがこれまで手がけてこなかったプレミアム領域にも商品を投入しようとしている。第2世代SKYACTIVテクノロジーをもって挑む「LARGE群」計画について紹介する。

技術を磨き上げてさらなる高みを目指す

 2010年、「すべての人に走る歓びと優れた環境・安全性能を提供する」という考えに基づき、マツダが投入したのが第1世代SKYACTIVテクノロジー。これらを取り入れたCX-5やアテンザがヒットし、マツダは存亡の危機から大復活を遂げたのは記憶に新しい。
 その後もマツダはSKYACTIVテクノロジーを進化させ続けており、2025年頃のSKYACTIV EV(電気自動車)に向けて、技術を積み上げている。一方で当面の方向感として現実的な回答だと、内燃機関の改良にも投資を続ける。それが2019年からの第2世代SKYACTIVテクノロジーだ。
 すでにマツダ3、CX-30などの商品が登場している第2世代だが、じつはマツダはさらなる成長要素として、これまで手がけていなかったプレミアムセグメントに挑戦する。それが今回発表された「LARGE群」だ。これらはCX-5よりも車格が上で、CX-60、CX-70、CX-80、そしてCX-90の4モデルを開発中。日本市場へはCX-60とCX-80を投入するとしている。
 マツダは「LARGE群」がライバルよりも燃費と運動性能で優れていると主張。この計画が成功すれば、マツダの企業価値は大きく上がることになる。第1弾となるCX-60の登場はこの秋を予定している。

[CLOSE UP]抜群の燃費性能と走りの楽しさを両立

 クルマづくりを根本的に見直した第1世代SKYACTIVで基礎的な技術を作り上げたマツダ。2019年から取り組んでいるのが第2世代SKYACTIVで、すでにSMALL群としてマツダ3、CX-30などを商品化している。今回発表されたLARGE群で取り組むのはCX-5以上のプレミアムセグメント。欧州ドイツ勢が得意とするこの領域にマツダはLARGE群で挑戦する。マツダによればLARGE群に投入するエンジンは抜群の燃費性能と走りの楽しさを両立するという。

技術をブロックのように高く積み上げることで、商品の魅力と環境性能を高めるというのがマツダのビルディングブロック構想。2010年のSKYACTIVテクノロジーから始まり、2025年以降の電動化実現まで技術を積み上げていく。

LARGE群で投入される新技術

 マツダはプレミアムセグメントにLARGE群をもって参入する。そのため、車体骨格、エンジン、トランスミッション、4WDシステム、マイルドHV&PEHVといったメカニズムを新規開発した。解析技術や一括企画といった工夫によって、開発コストは従来より25%削減できたと説明。

FFベースの「SMALL」とFRベースの「LARGE」

 FFベースの美点は、空間効率のよさで、車体の小さなコンパクトカーに生きる。一方でFRベースのメリットは、舗装路における上質な操作フィーリングを作り出しやすいことにある。なのでプレミアムクラスはFRベースが多い。

LARGE群ではデザインもさらに美しさを増す

 デザイン面ではマツダのデザインフィロソフィである「魂動」を引き続き採用。一方で大きく変わるのがプロポーションで、特に前輪の位置に注目。FRベース(写真上、左側)になることで、前輪がキャビンから離れ、プロポーションがのびやかだ。

マツダ初のPHEVやディーゼル+48VマイルドHVを投入

 LARGE群第1弾として登場するCX-60は、今秋発売予定。日本市場のパワートレインは4種類。2.5ℓ直4+モーターPHEV、3.3ℓ直6ディーゼル+48VマイルドHV、3.3ℓ直6ディーゼル、そして2.5ℓガソリン直4をラインアップする。

LARGE群はマツダにとって負けられない戦い

 より高価な商品を扱うべく、マツダでは販売店改革も同時進行している。特にLARGE群の主戦場である北米では、販売店の100%子会社化など抜本的な手法も取る。マツダが今後も独立性を維持するためにも、このLARGE群の成功は不可欠。それだけにクルマの出来栄えも楽しみだ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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