車の最新技術
更新日:2022.04.05 / 掲載日:2022.03.10
e-POWER 4WDの実力を氷の路面で体験【ニュースキャッチアップ】
文●ユニット・コンパス 写真●日産
(掲載されている内容はグー本誌 2022年3月発売号掲載の内容です)
グリップが極限まで低下する氷上コースで、日産の最新「e-POWER」を体験。モーターでタイヤを駆動する「e-POWER」だからこそ実現できたという新型4WDシステムの実力を試した。
NISSAN Intelligent Winter Driveレポート
新しいe-POWERなら氷の上でも自由自在
電動化の目的は脱炭素にあるが、味付け次第ではクルマ好きが思わず夢中になってしまうようなクルマだって作れてしまう。しかもそれが価格的に手頃なコンパクトカーなのだから最高だ。真冬の氷上にいたのに、思わず胸が熱くなってきた。
長野県にある女神湖は、冬期になると凍結し、クルマが走れる氷上コースへと姿を変える。氷上ではグリップしないから、安全な速度でクルマの性能を深いところまで確認することができるのだ。
今回の試乗会は日産の主催で、テーマは「e-POWER」。日産自慢の電動化パワートレインが、燃費だけではなく、ドライバーの安心や運転の楽しさにもつながっていることをアピールしたいというわけ。e-POWERではタイヤをモーターで駆動させるが、この制御を緻密に行うことでクルマの動きをコントロールするというのが理屈だ。
一般的な4WDシステムはスタックからの脱出に比重が置かれる。だがe-POWER 4WDの場合は、強化されたリアモーターを積極的に活用することで走る、曲がる、止まるのすべてにプラスの影響を与えるよう設計されている。ここが大きな違い。日産によればエンジンの力を使うシステムでは、スピード的にも不可能で、電動化だからこそ実現できた技術なのだという。
[CLOSE UP]安心と楽しさを両立するe-POWER 4WD
発進だけでも2WDとの違いをすぐに体感できたが、それよりも驚いたのは減速時。クルマの姿勢はほとんど変わらないまま、すごくスムーズに安定して速度が落ちていくのだ。さらにコーナーでは2WDよりも思いどおりに曲がることができるし、アクセル操作でクルマの動きをコントロールする楽しみも与えてくれる。単なる生活4WDの枠を超えた実力の持ち主だ。
最新技術が「走りの日産」を復活させた!
日産のクルマに乗って思うのが、走りへのこだわりの強さと深さ。安全性が確保され、その上でドライバーに操る楽しさを与えてくれる。だから難しいコンディションでもストレスは感じず、むしろずっと走っていたいくらい。電動化時代にも「走りの日産」は健在だった。