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更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.03.09
ホンダ 装身型生化学ラボシステム開発へ社会連携講座 東大らと開設

東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)、本田技術研究所(以下、ホンダ)、凸版印刷、三洋化成工業は3月9日、身体に装着して使う生化学ラボシステムの開発に向けた社会連携講座「装身型生化学ラボシステム 社会連携講座」を2022年1月1日に共同開設したと発表した。
装身型生化学ラボシステム開発に着手!先進ヘルスケアシステムの実証技術を構築
同講座では、身体に装着し、汗などの生体試料(※1)から主にストレスや疲労などに関わる生化学情報を、身体への負担が少なくかつ連続的にセンシングする「装身型生化学ラボシステム(※2)」の開発及び、その実証技術の研究に着手している。
同講座は、業種の異なる3社と東京大学のバイオエンジニアリング専攻で、ヒトとデバイス・マテリアル、機械をつなぐバイオインターフェース技術、デバイスおよびシステム設計技術を構築。さらに、現在開発中の「装身型生化学ラボシステム」を用いた“先進ヘルスケアシステム”の実証技術も構築する。これにより、将来的には自動車や建機などの移動・輸送機械の運転時の安全性や快適性の向上、健康・医療・介護機器などでの活用を想定し、人々の健康増進への貢献を目指している。
また、同システムを用いた先進ヘルスケアシステムのあり方の議論を医工学連携教育として実施することで、未来の医療を担う人材育成も行っていく。
※1:ヒトから得た汗などの材料サンプル
※2:装着型生化学ラボシステムとは、小型の生化学分析デバイスが集積化された実験室機能が体に装着したシステムを意味する
先進ヘルスケアシステムについて
年々盛んになりつつある体温・脈拍・心電などのバイタル情報を用いて、体調管理や健康維持に活用するヘルスケアを更に発展。安心・安全・快適性を向上させたウエアラブルセンシングデバイス情報をIoTやAI技術と複合・高度化し、取り巻く環境や機器と連動させた次世代のヘルスケアシステムのこと。
「2050年交通事故死者ゼロ」に向けた研究開発の一環として
ホンダは、「道を使う誰もが事故に遭わない交通社会」の実現を目指し「Safety for Everyone」のスローガンのもと、ハード・ソフトの両面で安全への取り組みを行っている。その中で、AIを活用した「知能化運転支援技術」は、眠気や疲労を軽減する「バイオフィードバック」など、ドライバーの認知状態と交通シーンに応じた適切な運転支援を行う将来安全技術として、2020年代後半の実用化を目指している。
これらの技術をさらに進化させるべく、このたび参画する同講座では、運転リスクの要因となる疲労やイライラ、怒りといった人の体と心の状態を、不安全な運転行動が現れる前に検知・予測するモニタリングシステムの研究開発に取り組む。4者で取り組む「装身型生化学ラボシステム」の研究成果を自動車などの運転時に活用することで、ドライバーの心と体を常に“見守り”、運転時のヒューマンエラーを低減することが可能となる。