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更新日:2019.05.30 / 掲載日:2019.05.30

ついに正式発表MAZDA3の2車種をインプレッション

最新が注がれた世界戦略モデル、堂々デビュー

2018年のロサンゼルスモーターショーでお披露目されたマツダ3が、ついに正式発売。最新最良が注がれたマツダの次世代モデルの実力はどれほどのものなのか?その実力を徹底究明してみるぞ。
●文:川島茂夫/編集部●写真:奥隅圭之/澤田和久

マツダの次世代モデル群はマツダ3から始まっていく

マツダ3への車名変更には様々な理由があるだろうが、さらに深化が進んだ魂動デザインが与えられたファストバックやセダンのエクステリアを見る限りでは、そのイメージは大きく変わっていない。

マツダ3の源流はファミリアに繋がる。ファミリアは初代の登場から半世紀以上も歴史を紡ぐモデルであり、特にFF化された5代目は2BOX車のスポーティなイメージを強化することで大ヒット作となった。マツダの発展と共に、日本のモータリゼーションの一端を担ってきた名車だ。

ファミリアは9代目を最後に車名をアクセラに変更した。ファミリア時代に比べて、車格感やスポーティさを軸とした大幅なテコ入れが行われたことで、スポーティなイメージはさらに高まっており、その実質的な後継モデルとなるマツダ3の基本コンセプトは、アクセラの流れを踏襲している。

ならば車名もアクセラのままで良さそうと思うのだが、内外統一名称にすることで、国際的なブランド力の強化を狙ったことに加え、ハードウェアの進化、特にスカイアクティブ技術が第二世代に突入したことを印象付けたい、という狙いもあるのだろう。

アクセラの進化はスカイアクティブと共にあり、2代目でパワートレーン関連を、3代目ではプラットフォームも含めたスカイアクティブ仕様となり、この新型ではプラグ点火併用の圧縮着火ガソリンエンジンのスカイアクティブXや、新設計理論の骨格設計、新型のサスペンションなどの新技術を導入している。

つまり、マツダ3は次世代マツダ車の皮切りとなる存在であり、今後、このマツダ3に注がれた新技術は多くのモデルにも採用されていく。魂動デザインも含めて正常進化ではなく、マツダ車の変革は、「このマツダ3から始まった」と認識されることになるはずだ。

MAZDA MAZDA3 FASTBACK

●主要諸元(XD Lパッケージ FF)

●全長×全幅×全高(mm):4460×1795×1440●ホイールベース(mm):2725●車両重量(kg):1410●パワーユニット:1756cc直4DOHCディーゼルターボ(116PS/27.5kg・m)●トランスミッション:6速AT●WLTCモード総合燃費:19.8km/L●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R)●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R)●タイヤ:215/45R18●価格:291万9000円

  • エンジンは4タイプ用意されるが、現時点では1.8Lディーゼルターボが主力を担う。116PS/27.5kg・mを発揮するなど、パワーと環境性能の両立が図られた最新仕様だ。

  • ファストバックもセダンも引き算の美学を根底に描かれるが、完成形に至るアプローチは異なる。ファストバックは、キャビンとボディの一体感を意識した「色気のある塊」を感じるスタイリングに仕上げられている。

新型マツダ3 ファストバック:バリエーション&価格

※SKYACTIV-Xモデルは、2019年内発売予定。

最新デザイン&機能装備で上級セグメントに殴り込み

大成功した5代目ファミリアのイメージもあってか、歴代はいずれも5ドアハッチバックのイメージが強い。この流れは最新のマツダ3にも受け継がれており、見た瞬間に「マツダ3の革新を牽引するのはファストバック(5ドア)」と思わせる個性的なエクステリアが採用されている。

車体の外寸は全長4460mm×全幅1795mm×全高1440mmと、このクラスとしては最大級の大きさ。先代のアクセラスポーツと比べると、全長は10mm、全高は30mm小さくなっているが、ワイド&ローなプロポーションが巧みに強化された印象だ。最新の魂動デザインから導かれるスタイリングの味付けは、プレミアム&スポーティを重要視するマツダ車としては正常進化といえるものだが、車体後半部のデザインは斬新かつ挑戦的な味付けに変えている。詳しくは別ページで述べるが、セダンとは明らかに異なるデザインを強調することで、ファストバックに大きな存在感を持たせることに成功している。

もう一つ注目したいのが、明確な意思を感じるパワートレーン別のグレード展開だ。1.5Lガソリン車は約220万円~、2Lガソリン車が約250万円~と最新技術がふんだんに盛り込まれたモデルとしては戦略的な価格設定となっており、熾烈な戦いが繰り広げられているコンパクトクラスでの競争力も考慮されている。

その一方で、ディーゼルターボ車とスカイアクティブX車は上位モデルとしての役割を持つ。ディーゼルターボ車はアクセラでは1.5Lと2.2Lが設定されていたが、マツダ3では環境性能に秀出た1.8Lに一本化。シリーズ最上位に位置するスカイアクティブX車は、執筆時点では詳細なスペックは未発表だが、過去に試乗したスカイアクティブXエンジンを搭載したプロトモデルの印象からすると、全域において豊かな力感を感じることができ、1ランク上の余力感を感じられる走りが印象的だった。動力性能と燃費の両立に加えて、マツダの求める「人馬一体」の走りの向上も、大いに期待できそうである。

キャビン&ユーティリティなど実用面の適応適性は、先代アクセラと大きくは変わっていないが、最新の魂動デザインとパワートレーンの採用は、マツダのこれからを担うであろう次世代モデルにふさわしい選択だ。国内のみならず海外においてもプレミアムコンパクトは実力車が揃っているが、1ランク上を達成した新型マツダ3は、その激戦区において戦える実力を持っていそうだ。

MAZDA MAZDA3 SEDAN

●主要諸元(20S Lパッケージ)

●全長×全幅×全高(mm):4660×1795×1445●ホイールベース(mm):2725●車両重量(kg):1350●パワーユニット:1997cc直4DOHC(156PS/20.3kg・m)●トランスミッション:6速AT●WLTCモード総合燃費:15.8km/L●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R)●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R)●タイヤ:215/45R18●価格:264万9000円

  • ガソリンエンジンは2種類用意されるが主力は最新の吸排気効率設計が与えられた2Lエンジンが担う。156PS/20.3kg・mを発揮しながらもWLTC燃費モードは15.8km/Lとバランス良い性能が見所。

  • セダンは「凛とした伸びやかさ」がデザインコンセプト。ロングノーズやワイド&ローという見せ方は共通だがライト&グリルやルーフ、サイドパネルの造形を別設計とすることで成熟したセダンスタイルをアピールする。

流麗&上質を取り込んだ次世代セダン像をアピール

新型マツダ3セダンをデザインする際、そのコンセプトの一つとして伝統的な3ボックスデザインと美しさの融合を考慮したそうだ。新型の全長は80mm拡大されたものの、フロントからリヤにかけての流麗なボディラインは踏襲され、ロングノーズ/ショートデッキの4ドアクーペ的なフォルムは健在。先代から続く、スタイリッシュなセダンというキャラクターは、さらに強まったとも言えるだろう。

セダンとファストバックを並べてみると、セダンはショート&ハイデッキを備えていることに加えて、ファストバックはリヤオーバーハングを切り詰めていたこともあり、セダンには伸びやかで落ち着いた雰囲気を強く感じることができる。同じようにスポーティを意識してデザインされているが、カジュアルな印象が強いファストバックに対して、クロームメッキのシグネーチャーウイングなどを用いることもあり、セダンは大人っぽくまとめられている。

キャビン&ユーティリティは、先代アクセラと同様に前席優先の設計。インパネ意匠やキャビン仕様にもプレミアム性を重視した内容が注がれる。また、マツダが進める人とクルマの一体感を考慮した設計も見所。ドライバーが快適に走れる工夫が随所に盛り込まれていることも見逃せない。後席乗員にも前席並みの寛ぎをもたらすというセダンの基本的なアプローチではないが、いまや世界のセダン市場では前席優先がトレンド。そういう意味でも世界基準を意識したモデルといえよう。

車種構成は1.5L車とMT車が設定されないこと以外はファストバックと共通だが、先代まではトヨタから供給されていたTHS-2仕様のハイブリッド車も整理された。ラインナップに関しても、オールマツダ体制となり、フルスカイアクティブ化を達成している。

新型マツダ3 セダン:バリエーション&価格

※SKYACTIV-Xモデルは、2019年内発売予定。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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