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更新日:2022.03.17 / 掲載日:2022.01.05
メルセデス・ベンツ 次世代EV「ヴィジョンEQXX」世界初公開
メルセデス・ベンツは現地時間の2022年1月3日、電気自動車の最新コンセプトカー「ヴィジョンEQXX(VISION EQXX)」を世界初公開した。同モデルは100km走行あたり10kWh以下というエネルギー消費量で、フル充電で1,000km以上の走行が可能だとしている。
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世界で最も魅力的なEVを目指して開発
メルセデス・ベンツでは、ヴィジョンEQXXの開発プロジェクトを1年半前より始動。同社のF1およびフォーミュラEのエンジニアも開発スタッフに加わり、エネルギー効率や航続距離に重点を置きつつも、電気ドライブトレインそのものの進化やサスティナブル素材の使用など、未来の電気自動車像を追求したという。ダイムラーAGおよびメルセデス・ベンツAGのオラ・ケレニウス取締役会会長は「私たちはちょうど1年半前にこのプロジェクトを開始し、100km走行あたり10kWh以下という優れたエネルギー消費量を誇る、これまでで最も効率的なメルセデス・ベンツの開発に成功しました。VISION EQXXは、非常に多くの面で先進的なクルマであり、その外観も見事で未来的です。そしてこのモデルは、私たちの企業全体が目指すべき方向性を示すもの。これからも、世界で最も魅力的な電気自動車を追求していきます」と語った。
クルマとドライバーの一体感を高めるコックピット
同モデルの開発は、刺激的でインスピレーションに溢れながらも、電気自動車の現実的な未来の道筋を指し示すものであるという視点がキーになっている。現実的な側面では、エネルギー効率の向上とサスティナブル素材の採用によってCO2排出量を抑制。一方でクルマのUI/UXを支える装備として、車幅いっぱいに広がる一体型ディスプレイを採用した。このシステムには人間の脳の働きに倣った技術を採用しているという。また、同モデルのベースには、今後市販化予定のコンパクトカーやミディアムカーにも採用しているという次世代型MMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー)を用いたとしている。
メルセデス・ベンツEQXXの主要ポイント
メルセデス・ベンツでは今回の発表に際し、“効率性”をキーワードとして主要ポイントを挙げている。
#EnergyWizard(エナジーウィザード):効率化エンジニアリングの成果により、100kmあたり10kWh以下というエネルギー消費量を達成。
#ElectricDrive(エレクトリックドライブ):自社で設計・製造した画期的な新システムで、バッテリーからホイールまでの伝達効率95%を達成。
#RangeBuster(レンジバスター):公道での1回の充電で1,000km以上の走行が可能となり、航続距離の不安を払しょく。
#EnergyDensity(エネルギー密度):専門エンジニアリングとF1技術の融合により、バッテリーパックをコンパクトカーサイズに凝縮。約100kWhのエネルギーを持ちながら、EQSのパックと比して体積を50%、重量を30%削減した。
#AeroChamp(エアロチャンプ):エクステリアデザイナーとエアロダイナミクス研究者の取り組みにより、ベンチマークとなる空気抗力係数(Cd値)0.17を達成(ダイムラー社の空力風洞を用い風速140km/hで測定された値)。
#SustainableMaterials(サスティナブルマテリアル):リサイクル素材と植物由来素材により、CO2排出量の削減に貢献。
#UpliftMindset(アップリフトマインドセット):メルセデス・ベンツの開発チームとハイパフォーマンス・パワートレイン(HPP)およびメルセデス・ベンツ・グランプリ(MGP)の世界最速のレースラボが協力、高効率でコンパクトな電気ドライブトレインと軽量バッテリーケースを開発した。
#BionicEngineering(バイオニックエンジニアリング):3Dプリント技術を使い、パーツの軽量化と廃棄物の削減に貢献。
#RollingEfficiency(ローリングエフィシェンシー):空力特性を最適化した超低転がり抵抗タイヤと軽量マグネシウムホイールの組み合わせで航続距離を延長。
#BrakingLightly(ブレーキの軽量化):アルミ合金製の軽量ブレーキディスクで軽量化に寄与。
#EfficiencyOnTheRoad(エフィシェンシーオンザロード):軽量なF1サブフレームを備えたEV専用シャシーで、レース車同等の効率性を実現。
#SolarPower(ソーラーパワー):超薄型ルーフパネルからバッテリーシステムへ給電し、最大25kmの航続距離延長を実現。
#HumanMachineMerge(ヒューマンマシンマージ):直感的でインテリジェントなUI、効率的な運転のためのガイダンスとアシストによるUXで、EV時代のさらなる調和を実現。
#SensualPurity(センシュアルピュアリティ):EVに特化した内外装で、未来のフラッグシップカーの姿を提案。
#FastTechProg(ファストテックプログラム):量産化を想定した開発プログラムにより、革新的な技術を短期間でカタチに。
#Transformation(トランスフォーメーション):メルセデス・ベンツがEVとソフトウェア主導の企業へと変貌を遂げることを提示。
#SoftwareDriven(ソフトウェアドリブン):ソフトウェア主導のアプローチで、画期的なバッテリー管理システムなど、効率的な目標達成と迅速な開発プロセスを構築。
#GlobalResponsibleLeadership(グローバルレスポンシブルリーダーシップ):メルセデス・ベンツが掲げる「Lead in Electric」の実現を加速させ、持続可能なモビリティのベンチマークを確立する。