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更新日:2021.06.10 / 掲載日:2021.06.10
新型ランドクルーザーが世界初公開! ランクル生誕70周年で待望のフルモデルチェンジ トヨタ

トヨタ 新型ランドクルーザー(海外仕様)
トヨタは6月10日、新型ランドクルーザーをオンラインで世界初公開した。
「ランクル」の愛称で親しまれ生誕70周年を迎えた今年、フラッグシップモデルであるステーションワゴン型のランドクルーザーをフルモデルチェンジし、2021年夏以降世界各地で発売予定。
新プラットフォーム&新パワートレーンを採用、ランドクルーザーのフラッグシップとして進化を図る

ランドクルーザーは世界170の国と地域で累計約1040万台、年間30万台以上が愛用されている(写真は海外仕様)
今回フルモデルチェンジした新型ランドクルーザー(“300”シリーズ)は、2007年に登場した“200”シリーズの後継となるステーションワゴンタイプのモデルで、代々ランドクルーザー・シリーズのフラッグシップとして最新技術を導入しながら、クルマとしての進化の道を切り開いてきた。
今回の新型ランドクルーザーにおいて、トヨタでは 1.ランドクルーザーの本質である「信頼性・耐久性・悪路走破性」は、進化させつつ継承する。 2.世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現する。 という2点の狙いを念頭に置き、開発に着手。
ランドクルーザーの本質を守る礎であるフレーム構造は踏襲しつつ、TNGAに基づく「新GA-Fプラットフォーム」を採用。
更に軽量化・低重心化、新パワートレーンの採用、内外装のデザインを含めて、長年にわたる技術の積み重ねと最新技術を融合することで、素性の刷新を図った。
新プラットフォーム採用により、フレーム、車体を含めた車両全体の軽量化(-200kg)・低重心化、重量配分・サスペンション構造など随所を改善。
さらに社内の熟練テストドライバーやダカールラリー出場ドライバーをはじめとする評価メンバーによる実路走行でのテストを重ね、オンロード、オフロードの双方で運転しやすく、疲れにくいクルマを目指した。
また、悪路走破性をさらに向上させるべく、サスペンションの基本性能(ホイールアーティキュレーション : タイヤの浮きづらさ)向上、E-KDSS(Electronic Kinetic Dynamic Suspension System)の採用による接地性向上(世界初、2021年6月現在トヨタ調べ)、ドライバー視点で障害物を直感的に可視化できるマルチテレインモニターの採用、走行路面を判定し、自動でモード選択するマルチテレインセレクトなどの開発・新技術の採用を実施した。
パワートレーンでは新開発のV6ツインターボエンジン(3.5Lガソリン、3.3Lディーゼル)を採用し、従来型V8エンジンをも超えるクラストップレベルの動力性能とドライバビリティの実現を図った。
環境性能についても、新開発のDirect Shift-10AT(10速オートマチックトランスミッション)の採用ならびにボディの軽量化とも相まり、各地域の販売計画と燃費モードを加重平均し行ったトヨタの試算では、従来型との比較で、車両使用時の年間CO2排出量をグローバルの全台数分で約10%低減できる見込みだという。
排気量(L) | レイアウト | トランスミッション | 過給 | 最高出力(kW[PS]) | 最大トルク(N・m) | |
ガソリン車 | 3.5 | V6 | 10AT | あり (ツインターボ) | 305[415] | 650 |
ディーゼル車 | 3.3 | 227[309] | 700 |
※ 一部地域に、V6自然吸気ガソリンエンジン・6AT仕様車あり
機能美を追求した内外装デザイン&クラストップレベルの先進安全性能
新型ランドクルーザー(海外仕様)
新型ランドクルーザー Toyota Safety Sense(イメージ)
外装は、ランドクルーザーのヘリテージを継承し、オフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー造形など機能美を追求。
また内装は、悪路状況でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。
直感操作ができるスイッチ類を機能ごとにレイアウトし、形状や色など操作性を考慮したデザインとすることで、快適性も追求した。
安全性については、先進機能を付与した最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を採用。
歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼)を検知し衝突回避または被害軽減に寄与するプリクラッシュセーフティに、交差点での対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者検知機能、ドライバーによる回避操舵をきっかけに操舵と車線逸脱抑制をサポートする緊急時操舵回避支援機能を追加。
さらに、駐車場での前後障害物や、後退時の接近車両、および歩行者を認識し事故防止に寄与するパーキングサポートブレーキを新たに採用した。
ランドクルーザー 70年の足跡を振り返る
世界で親しまれるステーションワゴン型ランドクルーザー
コスタリカの農場で活躍するランクル
ランドクルーザーは1951年8月、強力なエンジンを備えた4輪駆動車、TOYOTA BJ型として誕生。
自動車として初めて富士山6合目までの登山に成功するなど、厳しい環境で発揮された高い走破性が評価され、全国各地でパトロールカーとして採用されるように。
以降、70年にわたって伝統を継承する中で、世界170の国と地域において累計約1040万台、年間30万台以上(2020年末時点、累計販売台数、年間販売台数ともLEXUS LX、GXを含む)を販売する。
トヨタでは守り続けるべきランドクルーザーの本質が「信頼性・耐久性・悪路走破性」にあるとしており、世界各地で「ランクルがあるからこそ行き来できる場所で人々の暮らしを支える、必要不可欠な道具」「人道支援や災害派遣などで人の命を支える存在」「ランクルだからこそ提供できる体験を通じて、より豊かな人生を支える存在」といった用途で実力を発揮し続けるため、現在に至るまでバージョンアップを重ねてきたとしている。
形式 | 販売時期 | 特徴 |
BJ | 1951年8月~1956年1月 | 当時の警察予備隊向けに計画。警察予備隊の採用は叶わなかったが国家地方警察のパトロールカーとして採用。自動車として初めて富士山6合目まで登坂。車名は1954年よりランドクルーザー(陸の巡洋艦) |
20系 | 1955年11月~1959年12月 | 民間向けにふさわしい外観となった2代目。海外への輸出を開始。海外でトヨタの品質・耐久性・信頼性を広める役割(ランドクルーザー作戦)を負った |
40系 | 1960年8月~1986年10月 | 3代目、「信頼性・耐久性・悪路走破性」というランドクルーザーの本質を備えた代表車種クロスカントリー車として世界で高い評価と人気を獲得(24年のロングセラー、今日でも多くのユーザーが愛用する) |
50系 | 1967年8月~1981年7月 | 全く新しい、独自のデザインを持つ本格的ステーションワゴン型。ランドクルーザーの本質はそのままに、広い空間と快適性を備えた、300シリーズの祖先 |
60系 | 1980年8月~1990年1月 | 50系の後継となるステーションワゴン型。車両の高速化に伴い、走行安定性向上のためワイドトレッド化。個人ユーザー向けに快適装備を充実 |
70系 | 1984年11月~販売中 | 40系の後継モデルとして、ランドクルーザーの本質をいまも守り進化するヘビーデューティー型。登場翌年の85年から、ライトデューティ型が派生(90年には初代プラドが誕生)。ヘビーデューティー型は現在も販売中 |
80系 | 1989年10月~1998年1月 | 60系の後継。ランドクルーザー史上最高のオフロード性能と高級セダンの装備・乗り心地を備えたステーションワゴン型 |
90系 | 1996年5月~2002年10月 | ランドクルーザーとして初のフロント独立懸架を採用。悪路走破性を備えながら、オンロード性能・乗り心地をさらに向上させた、専用の車体のライトデューティ型(プラドとしての2代目) |
100系 | 1998年1月~2007年8月 | 80系の後継。ステーションワゴン型として初のフロント独立懸架を採用。4WDとしての基本性能の向上に加えて高級4WDとしてのプレステージ性とオンロード性能・乗り心地を向上 |
120系 | 2002年10月~2009年8月 | 新設計の高剛性フレーム(ランドクルーザーとして初の分割フレーム構造)を採用。電子制御の採用を含め悪路走破性とオンロードでの快適性を向上させたライトデューティ型(プラドとしての3代目) |
150系 | 2009年9月~販売中 | 120系から、更にボディ剛性を向上させ、オフロード走破性を高める先進技術を盛り込んだライトデューティ型(プラドとしての4代目) |
200系 | 2007年9月~2021年春 | 100系の後継。ステーションワゴン型としての分割フレーム構造を採用。プラットフォームを一新し、剛性、耐久性、衝突安全性能、室内の快適性を向上 |