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更新日:2021.05.27 / 掲載日:2021.04.07
NISSAN キックスの魅力大解剖

NISSAN キックス ラインナップ■交流同期モーター(発電用エンジン=1.2L直3) 【FF】
モーターならではの走りとプロパイロットの安心に加え4名乗車もきちんとこなす
SUVだが2WDのみの設定。車体前後端の処理や170mmの最低地上高で悪路対応をしているが、SUVらしい踏破性を求めるモデルではない。サイズの割にキャビンスペースと荷室容量に余裕があり、実用面の汎用性に優れている。スモール&コンパクトクラス狙いで4名乗車の機会が多いユーザーには適している。 もうひとつの魅力は走りである。現在の日産の二枚看板となるe-POWERとプロパイロットの両方が揃っている。電気自動車と同じく駆動力のすべてを電動モーターでまかなうシリーズ式ハイブリッドの特徴を活かし、急発進でも滑らかな加速など質の高い動力性能を実現。高速域での余力や燃費が多少気になるが、同クラスでも車格感のあるパワーフィールである。 ACCの加減速制御、LKAの走行ライン支援ともに上位クラスと比較しても遜色はなく、キックスの高速長距離適性においてプロパイロットの支援は大きい。シャシー性能で目立ったアドバンテージはないものの、長距離ドライブの多いユーザーにはe-POWERとプロパイロットは大いに役立つ。
NISSAN キックス

●価格:275万9900~286万9900円 ●発表年月(最新改良):’20年6月(未実施)
日産の持てる武器をコンパクトな車体に詰め込んだ、攻めの一台
途上国向けコンパクトSUVの国内導入版。とはいえ日産が誇るe-POWERとプロパイロットを標準搭載し、車体も改良。安価なガソリン車を設定せず、プレミアム路線で勝負を懸けている。

プレミアムな素材感の中にD字型ステアリングなどスポーティなアイテムを融合。写真のツートーンのほか、ブラック内装もある。
【魅力】走りの質感も高いe-POWERのフィール


ワンペダルの加減速が新鮮な乗車体験を生む。疲労軽減のほか、微妙な速度調整もやりやすい。

日産の基幹技術となっているe-POWER。先代ノートやセレナから制御を変更し、パワーや静粛性などが向上している。

ノーマルモードでお任せも良し、例えば峠の上りはSで力強く加速、下りはECOで回生など、自分流に使いこなすもまた良し。
【魅力】ロングドライブで威力を発揮するプロパイロット

プロパイロットはオプションではなく標準装備。車間距離維持と車線中央走行の支援により、高速道路での長距離移動の負担を軽減してくれる。

車線逸脱防止支援システムも搭載。プロパイロット作動時に限らず、逸脱事故の危険を軽減する。

前方監視は単眼カメラ(写真)と天候の影響を受けにくいミリ波レーダーで行っている。
【魅力】キャビンも荷室も余裕あり。実用面の汎用性が光る

e-POWER+プロパイロットで武装しているが、元は使い倒してナンボのSUV。デザインのために実用性を犠牲にするようなことはない。


後席使用時でも荷室奥行きは90cmを確保。後席格納は6:4分割のシングルフォールダウンだ。

運転席周りのユーティリティはボックス&カップホルダーとシンプル。
NISSAN キックス 主要諸元

NISSAN キックスのおすすめグレード
X ●価格:275万9900円
グレード差はカラー設定と寒冷地向けの装備程度

駆動方式も含めて2車種の設定。上位グレードはその名のとおり2トーンのインテリアを施したフルOP仕様。機能装備の違いはOP選択で埋められるので、使い勝手から選ぶならXで十分だ。ただし、フルOP仕様にするならば上級設定仕様を選んでもいいだろう。
●文:川島茂夫