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更新日:2023.10.12 / 掲載日:2023.10.04

ホンダ新型アコードの魅力解説! 最新技術が満載の新世代プレミアムセダン

事前予約は2023年12月にスタート

今年1月に北米でリローンチした現行11代目アコードが、来年春に国内導入されることが発表された。安全システム「ホンダセンシング360」や車載ITの「Googleビルトイン」、進化した2ℓハイブリッド「e:HEV」といった国内初となる最新技術が惜しみなく注入されるなど、プレミアムセダンらしい充実の内容が印象的だ。現状で開示されている情報はまだ限定的だが、その魅力と特徴、じっくりと見ていこう。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅圭之

最新の電脳技術が注がれた新世代プレミアムセダン

HONDA 新型アコード誕生

上級セダンとしての基本性能を大きく底上げ
 先代が国内向けのホンダ車ラインナップから整理されて1年の空白期を経て登場したのが、11代目に当たる新型だ。全長を70mm拡大したが、その他の車体寸法諸元は先代を踏襲している。アコードの主力となる北米ミドルセダン市場をターゲットとしたパッケージングであり、ライバルとしてはトヨタ・カムリがある。

 スタイリングはルーフラインを連続的にトランクへと導く、ファストバック風のキャビンを採用。クーペ的な味が強いのは、最近のセダンとしては標準的。後席の居住性や荷室積載性を求めるユーザーがミニバン系やSUV系に移行して、相対的にセダンが前席優先の用途向けとなったのを考えれば、クーペ的になるのも納得できる。

 だからといって後席を蔑ろにしている訳ではない。見た目こそ傾斜が強いリヤピラーだが、ロングルーフを利すことで、後席の頭上スペースを確保している。後席に乗り込んでみたが、ヘッドルームは余裕があり、頭上はしっかりと天井で覆われ、圧迫感も少ない。

 さらにFFプラットフォームのスペース効率の良さを活かしたロングキャビンにより、レッグスペースは脚を組めるほどに悠々としている。床面に対して低めにセットされたヒップポイントで、そこに自然に臀部が収まるように設計された座面傾斜が特徴。脚を前に出した着座姿勢が自然と馴染むシート設計だ。リアドア開口部も頭抜けが良く、ファストバックフォルムのハンデは少しも感じなかった。

 もっとも、居心地の良さは新型の要点ではない。継承された特徴でしかなく、新型で大きく注目したいのは、表示操作系やインフォテイメントの進化だ。

「グーグル」の純正採用で使い勝手の良い操作感を獲得
 メーターパネルには10.2インチ、ディスプレイオーディオには12.3インチモニターを採用。それに伴い、物理的な操作スイッチの減少や表示アイコンの選択、配置といった柔軟なカスタマイズが可能になっている。特にディスプレイオーディオはパソコンやスマホのGUIにも似た機能を備えており、ディスプレイにタッチして行う操作は、すぐに馴染める出来だ。

 とは言え、ディスプレイの目視確認が必要であり、ブラインドタッチが好ましいクルマの操作系としては、使い勝手がいいとは言いきれず、運転中には制限も伴う。そこを補完するのが音声入力のボイスコマンドだ。標準でディスプレイオーディオには主なグーグルアプリがインストール済み。もちろんボイスコマンドのスタートは「OKグーグル」である。

 走行ハードウェア関連の詳細は未発表なのだが、北米仕様や開発者の言によれば、従来型と走りの特性が変わっているようだ。

 パワートレーンには、従来型同様に2ℓ4気筒を発電機に用いたシリーズ式を基本に、高速巡航用エンジン直動機構を加えたシリーズ/パラレル切替型のe:HEVが搭載されている。ただし新型は、直噴エンジンを採用することで、エンジンとモーターの低回転域トルクアップが図られているとのこと。これにより高速巡航時のパラレル制御域の拡大に繋がり、従来型よりも加速時のシリーズ制御への移行を遅らせている。エンジン直動時の動力性能の向上も、余力感に高める効果があるだろう。

 ほかにもシリーズ制御中のエンジン回転数に車速との一致感を持たせるなど、走りの心地よさと快適性をバランスさせた改良が加えられている。e:HEVのキレのいい加速と、車格を実感する悠々とした巡航感覚が期待される。

 シャシー周りも情報がほとんど出ていないのだが、e:HEVの改良点や他のホンダ車の傾向を考え合わせるなら、安心感と多様な状況下での扱いやすさ、乗り心地のバランス点を高めた特性になると予想される。車格からしても、ホンダ車として最も良質な走りとなるだろう。

 そしてホンダセンシングが「360」にバージョンアップした。「360」では前方交叉車両警報や車線変更支援、車線変更時衝突抑制機能が追加されている。

 縮小傾向にあるセダン市場だが、新型アコードは今クルマに求められる要素とセダンのアドバンテージを巧みに融合させたように思える。包まれ感と寛げる後席の居心地やゆとりを求めた改良により、「大人の余裕」を感じさせるセダンに仕上がっているはずだ。

新型アコード 国内初導入の新機能に注目!

その1 次世代の先進安全運転支援機能「ホンダセンシング360」

ホンダセンシングが従来型からレーダーやカメラを追加し、検知範囲の拡大と検知精度の向上を図ったホンダセンシング360にバージョンアップ。前方交叉車両警報や車線変更支援、車線変更時衝突抑制機能が追加されることで、最も進化したシステムとなっている。

その2 ナビやオーディオも“電脳”で管理する時代「Googleビルトイン」

車載ITは「Googleビルトイン」を初採用。車両情報やナビ、オーディオなどの主要機能はアプリを通じての操作となり、アップデートも全自動化。さらにナビはグーグルマップを用いた通信型のみとなっている。通信システムは車載DCMのほか、自らのスマホ経由でも可能。

その3 自慢のハイブリッド、さらに性能アップ「新世代e:HEV」

従来型と同様に2ℓのe:HEVを搭載するが、エンジンが直噴タイプに変更されたことで出力特性を強化。さらに駆動モーターの強化も図られている。詳細は不明だが、従来型以上にトルクフルでスムーズな加速を体感できる、上質な走りが期待できそうだ。
●新型アコード主要諸元(プロトモデルの数値) 全長:4970㎜ 全幅:1860㎜ 全高:1450㎜ ホイールベース:2830㎜ トレッド【前】:1590㎜ トレッド【後】:1615㎜
伸びやかなロングノーズとリヤエンドを絞り込むクーペライクが織りなす、バランスの良いシルエット。流麗な雰囲気をアピールする最近のセダントレンドを考慮したデザインを採用している。
ホイールは18インチ。撮影車に装着されていたタイヤは静粛性と低燃費性能に優れる、ミシュラン・eプライマシーの235/45R18を装着。
ギヤ操作はセレクタースイッチ式で、その後方にドライブモードセレクターや電子パーキングブレーキが配置される。非接触充電のQiも用意されている。

秀麗な佇まい! 純正用品にも注目だ

ホンダアクセスがプロデュースした純正カスタムスタイルも同時発売される。この車両はロー&ワイドなイメージを強めた「ツーリングライン」を装着している。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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