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更新日:2023.09.07 / 掲載日:2023.09.07

【トヨタ センチュリー】セダンとは異なる顧客層獲得を目指した新時代のラグジュアリー

文と写真●大音安弘

 トヨタ自動車は、2023年9月6日、トヨタの最上級ショーファーカー「センチュリー」に、クロスオーバーSUVタイプのモデルを新設定することを発表し、都内にてワールドプレミアを実施した。新センチュリーは、同日より販売を開始している。

新型センチュリーがSUVスタイルになった理由

新型センチュリー発表会より。取締役・執行役員 デザイン領域統括部長サイモン・ハンフリーズ氏がプレゼンテーションを行なった

 センチュリーは、1967年に、国内の大型高級車市場で圧倒的なシェアを誇っていた輸入車に対抗する大型高級車として誕生した。世界と肩を並べられる性能や品質を追求するのは、もちろんのこと、新たな技術の投入などでチャレンジングな姿勢でもって開発されていた。その独自の世界観は、流行に左右されない普遍的なものであり、歴代モデルがロングライフであることも伝統であった。もちろん、センチュリーが最も大切にするのは、顧客の満足度である。そこで開発チームは、「これからもセンチュリーが顧客の期待に応えるおもてなしを提供するためには、どうあるべきか」を議論した結果、新たなセンチュリーが誕生することになったという。

日本の美意識を大切にしたデザイン

センチュリー

 SUVスタイルに求められる迫力を備えながら、重厚感と品格を備えたデザインは、一目で日本の高級車と分かるもの。その品格を影で支えるボディ塗装は、7層コート塗装が施され、塗装工程で3回の水研磨を重ねることで、鏡面磨きで仕上げた塗装の真の美しさを追求しているという。樹脂パネルとなる前後バンパーも丁寧な磨き工程を受け、ボディ同様の艶やかな美しさを実現している。フォルムこそ、SUVライクなものだが、前後マスクやCピラーなどには、セダンセンチュリーとの共通性を感じるデザインに仕上げられており、歴代センチュリー同様に、和の高級車であることを重視している点は変わらない。

 ボディサイズは、全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm。ホイールベースは、2950mmと巨大だが、セダンと比べると全長は短い。デザインのバランスはもちろんのこと、大型車ではあるが、日本でも扱いやすいサイズであることもしっかりと意識されている。

センチュリー

 おもてなしを追求した後席空間は、4人乗り仕様となる。後席は左右独立式となり、フルリクライニングが可能なシートを採用。スライド機構との連動させることで、SUVの限られた空間でも、ミニバン同様にシートを自由に調整することで、移動時間を休息に使えるように配慮した。乗降性の良さに配慮するだけでなく、乗降時の立ち振る舞いの美しさにも気遣い、最大75°の開口角度を備えた後席ドアを始め、電動格納式ステップやアシストグリップのデザインを行っている。エンタメ機能としては、専用のオーディオシステムに加え、後席専用モニターなども装備。またオプションで冷蔵庫を追加することも可能だ。シート表皮は、最上位レザーとなるほか、ドアトリムなどの合成皮革も最上級のものが使われており、表面には抗菌加工が施されている。キャビンスペースを広くしながらも、ラゲッジスペースもしっかりとしたサイズで、ゴルフバックなど想定されるレジャーに対応できるサイズを確保。さらにショーファーカーらしく、洗車など専任の運転手の仕事道具を収納も用意されているという。

センチュリー

 パワーユニットは、セダンとは異なる専用システムを搭載。専用開発となる3.5L V6プラグインハイブリッドは、69kmのEV航続距離を備えており、単距離移動を電気のみで賄うことも可能に。エンジン性能は、最高出力262ps(193kW)、最大トルク335Nmとなり、電気式無段変速機を組み合わせる。モーター性能(最高出力/最大トルク)は、フロント部が182ps(134kW)/270Nm、リヤ部が109ps(80kW)/169Nmとなる。そのスペックが物語るように、前輪駆動ベースで後輪がモーター駆動のみとなる4WDシステムだ。フロア下には、51Ahのリチウムイオン電池が収められている。さらに走行機能として、取り回し性を高める4輪操舵システム「ダイナミックリヤステアリング」や後席快適性を高めるドライブモード「リヤ コンフォート」などを備えている。またボディ骨格も、センチュリーに相応しい乗り心地を目指し、「ラゲージルームセパレート構造」を新開発し、各部の強化に加え、セダンのボディ構造に近づけることで、ボディのねじり剛性や乗り心地を大幅に向上。また後席とラゲッジスペースを仕切るガラスを装備することで、高い静粛性が実現されているという。

センチュリー独自のオーダーメイドシステム

センチュリー GRMN仕様(コンセプト)

 価格は、セダンよりも、420万円高となる2500万円だ。もちろん、セダンの販売も継続され、ユーザーの好みによる選択が可能だ。ただいずれもショーファーカーであることには、変わりはないが、SUVタイプのものは、オーナーカーとしての面も重視され、走りの魅力も追求したという。これは顧客となる富裕層の世代やライフスタイルの変化を受けてのものだ。このため、センチュリーの世界観を守りつつも、ユーザーの要望によるカスタマイズプランも用意される予定だ。発表会場でも、豊田章男会長の提案で作れた「GRMN」仕様を公開。スポーティに仕上げられただけでなく、リヤドアが標準のヒンジドアではなく、スライドア仕様になっていた。そのようなユーザーの使い勝手を高める変更にも応じるようだ。因みに、GRMN仕様は、足回りなど各部に専用チューンが施されており、開発が進められてるという。同仕様も、カスタマイズプランでのオーダーが可能となる。

 開発関係者によれば、「これまでのセンチュリーのお客様の中にも、セダンよりアルファードの利便性の良さから乗り換える方もいらっしゃる。また今のエグゼクティブな方々や富裕層のライフスタイルは、アクティブ。自身で運転も愉しまれるケースも多い。そんなセダンではカバーできない方に乗って頂きたいモデル」と新型とセダンのポジションの違いを説明してくれた。さらにSUVタイプのセンチュリーだが、決してSUVでもクロスオーバーでもないという。顧客のニーズや快適性を考慮して生まれた新たなボディタイプと捉えて欲しいとのことであり、他の高級SUVのような悪路走破性については全く触れられていないのも、そのためだろう。つまり、センチュリーの価値観の中に、ミニバンやSUVの良さを寄り込んだのが、新センチュリーというわけだ。このため、名称も単に「センチュリー」よしている。このため、今後は識別する際には、「センチュリー」と「センチュリーセダン」と呼ぶことになるようだ。

まとめ

 現行型セダンは、日本専用車だが、新センチュリーはグローバルモデルを目指す。まずはアジア圏への投入を予定だが、世界中の市場の声により展開を広める可能性もあるという。ただ生産数を拡大して数を狙うモデルではなく、セダン同様に職人の手による丁寧かつ独自の美を追求したクルマ作りは続けられるとのことだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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