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更新日:2023.07.03 / 掲載日:2023.06.30
ガチ勢BRZから新世代「STIスポーツ」まで スバルのスポーツモデル総まとめ
クルマの呼称にしばしば冠される「スポーツ」の4文字。その意味合いは時代とともに変遷し、ブランドによって解釈も様々だが、現代の「スポーツ」はスパルタン/ストイックといった文言とは無縁のものがほとんど。では、速さ一辺倒ではない現代の「スポーツ」とは何か。その魅力に迫ってみよう。
●文:川島茂夫
SUBARU
新世代の「STI」を展開
4WDをベースとしたファントゥドライブを要件とするならBRZを除くスバル開発モデルが該当するが、SUVの台頭も影響してか走りの進化や洗練の強化に比例して個性も減少気味。現在のスバルの高性能の象徴はカタログモデルとなった「STIスポーツ」系だろう。
STIが開発していたコンプリートカーとは異なり、グレード設定のバリエーションだが、シャシーまわりの設計によりスポーツドライビングと高速性能の向上を図っている。なお、現在3モデルに設定されているが、いずれの「STIスポーツ」系もターボエンジンとの組み合わせになっている。

スパルタンから上級へイメチェン
「STI」はレース部門によるスパルタンなコンプリートカーのイメージだったが、現在は上級な走行機能を備えるSTIスポーツとしてラインナップ。フォレスター以外はセッティングの幅が広い電子制御サスを備え、他グレードよりもコンフォートな設定も可能だ。
レヴォーグ STIスポーツ
【ワゴン】 ■ガソリンターボ
●価格:376万2000〜482万9000円(STIスポーツ♯は完売/576万4000円)
ベース比 約44万円高〜 ※GT-Hとの差額

ポイント解説
出力は他グレードと同じだが電子制御ダンパーの威力は抜群
全モデルがターボエンジンを搭載し、STIスポーツ系以外のグレードはGT系である。いわばスポーツグレードだけで構成されたモデルがレヴォーグなのである。
走行ハードでGT系に対してSTIスポーツ系の特徴となるのはサスペンションだ。GT系が機械式減衰制御のダンパーを用いるのに対してSTIスポーツ系はZF製電子制御ダンパーを採用する。これによりGT系よりも乗り心地に振ったサス制御もハードな操安寄りの制御も可能とし、操安と乗り心地の高レベルの両立が可能となった。さらにアクセサリー設定のe-チューンにより別の制御特性に変更するのも可能。正にスバル・スポーツ新時代といった感じだ。
なお、STIスポーツ系にはGT系と共通の1.8ℓターボを搭載するSTIスポーツとWRXから移植された2.4ℓターボを搭載するSTIスポーツRの2系統が設定される。


WRX S4 STIスポーツ
【セダン】 ■ガソリンターボ
●価格:444万4000〜482万9000円
ベース比 44万円高 ※GT-Hとの差額

ポイント解説
現行スバルのスポーツ番長はよりソリッドな乗り味だ
性能とスポーツ性で現在のスバル車の頂点に位置するのが同車である。レヴォーグ同様にGT系との構成になるが、搭載パワートレーンは全車2.4ℓターボを採用。STIスポーツRの特徴はZF製電子制御ダンパーによる操安と乗り心地の両立だが、基本サスチューン自体がレヴォーグのSTIスポーツRよりも硬めに設定される。GT系との価格差は44万円だがWRXの実力を知るなら必要経費。

フォレスター STIスポーツ
【SUV】 ■ガソリンターボ
●価格:363万円
ベース比 約28万円高 ※スポーツとの差額

ポイント解説
専用設定サスを搭載
内外装もグレードアップ
同エンジンを搭載するスポーツもオンロード向けの引き締まったサスチューンだが、こちらは周波数感応型の機械式ダンパーを用いて操安と乗り心地の両立点を高めた専用サスチューンが特徴。また、内外装もグレードアップが図られプレミアム感も向上している。
【ガチ勢】伝統的「スポーツ」派・『BRZ』
純粋な速さにもこだわって動力性能/運動性能を追求したモデル。スポーティグレードではなくスポーツカーと呼ぶべきタイプだ。
BRZ

コントローラブルな特性で走りを楽しむFRスポーツ
水平対向エンジンの特徴を活かしたコンパクトなFRスポーツ。全仕様NA2.4ℓを搭載する。トヨタで展開するGR86とは姉妹車の関係にあるが、リヤサスまわりの強化やサスチューンなどで相対的には安定性とコントロール性を重視した操縦特性としている。