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更新日:2023.06.26 / 掲載日:2023.06.25

レクサスの走りのダイナミズムを味わう「Fスポーツ」セダンからSUVまで総まとめ!

クルマの呼称にしばしば冠される「スポーツ」の4文字。その意味合いは時代とともに変遷し、ブランドによって解釈も様々だが、現代の「スポーツ」はスパルタン/ストイックといった文言とは無縁のものがほとんど。では、速さ一辺倒ではない現代の「スポーツ」とは何か。その魅力に迫ってみよう。

●文:川島茂夫

LEXUS

セダンからSUVまで「F」イメージ推し!!

 レクサスのスポーツ性と高性能は富士スピードウェイに由来する「F」。その象徴は2009年に発表された4.8ℓのV10を搭載したFRのスーパースポーツのレクサスLFAだが、「F」の系譜は二代目ISをベースに開発されたIS Fから始まり、現在もラインナップされるRC Fへと引き継がれる。IS F、RC Fともに専用に開発された5ℓのV8を搭載し、レクサス車でも特別なモデルとして開発された。トヨタのスポーツ系で言えば「GR」に相当する。ただし、モータースポーツ色は「GR」ほど強くない。超高性能志向という点ではGRヤリスやGRカローラにも似た存在だが、あくまでもレクサス車の走りのダイナミズムの象徴なのである。

 一方「GRスポーツ」に相当するのが“Fスポーツ”である。ただし、カスタマイズ仕様のイメージが強い「GRスポーツ」に比べると標準ラインナップにおけるスポーツグレード的な存在でもある。性能面でのプレミアム性を高めたパワーユニットとセットで設定されるモデルも少なくない。トヨタ車と同系プラットフォームでも工法等の変更により車体剛性を強化するなど、レクサス車は基本設計から高性能を追求。そして“Fスポーツ”はさらに走りを強化したレクサス車なのだ。

RX “Fスポーツ”/“Fスポーツ”パフォーマンス”

【SUV】 ■ガソリンターボ ■ターボハイブリッド
●価格:706万円/900万円
ベース比 1万円高 ※RX350“Fスポーツ”と“バージョンL・4WD”の差額

ポイント解説
RX350はほぼ価格差なし
RX500hは1グレード設定だ

 “Fスポーツ”系はRX350及びRX500hに設定。RX350系はRXではベーシックとなるが、279PSの最高出力を発生する2.4ℓターボを搭載し、駆動方式は4WDに限定される。パワーユニットの特性からも“Fスポーツ”のグレード名に相応な性能と言える。RX500hは“Fスポーツ”パフォーマンス”のみが設定。パワートレーンは先に登場したクラウン クロスオーバー RSが採用している高性能型パラレル式HEVのデュアルブーストハイブリッドを用いるが、クラウン用よりもパワーアップが施されている。

 高性能パワーユニットやハードなスポーツドライビングに対応するため“Fスポーツ”系はブレーキシステムも専用となり、フロントブレーキには対向6ピストンキャリパーを採用。装着タイヤは標準系と同サイズだが、それぞれ専用デザインのホイールを装備する。

専用21インチアルミ(スーパーグロスブラックメタリック塗装)はシームレスグリルとともに外観を個性的に彩る。リヤバンパーロア/バンパーモールは高輝度シルバー塗装だ。
専用メーターや専用ディンプル本革ステアリング(パドルシフト付)などでレーシーな雰囲気を演出。シートは前席ベンチレーション付きの専用本革スポーツシートだ。
RX350のパワートレーン構成は基本的に“バージョンL”と同様。2.4ℓターボとダイレクトシフト8ATを組み合わせ、4WDシステムの前後トルク配分は75:25〜50:50だ。

NX “Fスポーツ”

【SUV】 ■PHEV ■ハイブリッド ■ガソリンターボ
●価格:608万6000〜753万5000円
ベース比 0円 ※NX350h“Fスポーツ”と“バージョンL”の差額

ポイント解説
NX350hは“バージョンL”と
“Fスポーツ”が同価格だ
 ベーシック設定のNX250系以外に“Fスポーツ”が用意され、2.4ℓターボを搭載するNX350は“Fスポーツ”専用グレードとなっている。また、スプリット式ハイブリッドのNX350h以外は4WDに限定される。“Fスポーツ”には電子制御サスのNAVI・AI-AVSが装備されるほかに車体ねじれ剛性を高めるパフォーマンスダンパーを装備。なお、“Fスポーツ”系が価格面の最上級グレードでもある。

外装はメッシュタイプのグリルや専用20インチアルミなどでスポーティに。メーターデザインや本革ステアリング、本革スポーツシートなど、内装も専用品を随所に配する。

UX “Fスポーツ”

【SUV】 ■ハイブリッド ■ガソリン
●価格:468万5000〜553万3000円
ベース比 15万円安 ※“バージョンL”との差額

ポイント解説
出費を抑えてスポーティな
専用装備が手に入る

 高熱効率型NA2ℓのUX200と同エンジンを核としたスプリット式HEVのUX250hが設定され、グレード展開は共通。“Fスポーツ”は専用内外装艤装と操安と乗り心地の両立点を高めるNAVI・AI-AVSを標準装着する。価格設定はラグジュアリー仕様の“バージョンL”より約15万円安く、UX自体がスポーツ性を追求するタイプではないので、雰囲気重視で選んでもいいだろう。

メッシュグリルや専用18インチアルミ、専用シートなどが“Fスポーツ”であることを主張。なお、リヤには車体の振動や変形を減衰させるパフォーマンスダンパーを装着する。

IS “Fスポーツ”/“Fスポーツ”パフォーマンス”

【セダン】 ■ガソリン ■ガソリンターボ ■ハイブリッド
●価格:536万〜701万円/850万円
ベース比 20万円安 ※“バージョンL”との差額

ポイント解説
“Fスポーツ”と相性バツグンの
スポーティなFRセダン

 ISは“Fスポーツ”のためのベースとでも言いたくなるほど車種が充実。しかも、2ℓターボや3.5ℓのV6、さらにはRC Fにも搭載される5ℓのV8までラインナップする。V6は“Fスポーツ”、V8は“Fスポーツパフォーマンス”専用である。走行メカの“Fスポーツ”系共通装備としてはNAVI・AI-AVSくらいだが、スポーツ志向の強いISの魅力をさらに高めたモデルなのだ。

LS “Fスポーツ”

【セダン】 ■ガソリンターボ ■ハイブリッド
●価格:1241万〜1401万円
ベース比 169万円安 ※“バージョンL”との差額

ポイント解説
オーナードライバー志向で
ショーファー色を排除

 ダークグレーのホイール等で多少精悍さを増しているが標準系との外観の違いは少ない。内装もカジュアルな雰囲気にはなっているがスポーティな演出は控え目。“Fスポーツ”用に強化されたブレーキシステムを備えるが、基本的に走行ハードは標準系と大きく変わらない。価格設定も快適装備の違いから“バージョンL”よりも安価。オーナードライバー向けのスポーツカジュアル仕様と考えると分かりやすい。

ES “Fスポーツ”

【セダン】 ■ハイブリッド
●価格:654万円
ベース比 64万円安 ※“バージョンL”との差額

ポイント解説
レクサスのセダンとしては
最もカジュアルに楽しめる
 搭載パワートレーンは2.5ℓのスプリット式ハイブリッドのFF仕様のみ。グレード展開は“Fスポーツ”を含めても3仕様だ。ESはレクサス車の中でもシンプルな構成であり、コンフォート寄りのモデルでもある。“Fスポーツ”には定番のNAVI・AI-AVSが装着されるが、スポーツモデルと言うより内外装の雰囲気を楽しむスポーツカジュアル型。“バージョンL”と比較して手頃な価格も魅力だ。

RC “Fスポーツ”

【クーペ】 ■ガソリン ■ガソリンターボ ■ハイブリッド
●価格:634万4000〜735万2000円
ベース比 1万8000円高〜 ※“バージョンL”との差額

ポイント解説
「ラグジュアリー&スポーツ」の
「スポーツ」を強調

 ロングキャビンプロポーションのエレガントな2+2クーペがRC。ラグジュアリー&スポーツが特徴であり、ラグジュアリー仕様の“バージョンL”に対してスポーツ方向でプレミアム性を高めたモデルという位置付けだ。HEVモデル以外にはトルセン型LSDのオプションも設定。マニアックなスポーツ性に偏らず、3タイプ展開するパワートレーンのいずれにも設定されている。

【ガチ勢】伝統的「スポーツ」派

純粋な速さにもこだわって動力性能/運動性能を追求したモデル。スポーティグレードではなくスポーツカーと呼ぶべきタイプだ。

RC F

●価格:1058万〜1455万円

5ℓV8、481PS!
現行「F」の最強モデル

 大排気量V8がもたらす強烈かつ心地よい加速性能と限界域でのコントロール性を磨いたフットワークが特徴の本格上級スポーツカー。ラグジュアリークーペのRCをベースに限界性能を追求して開発。レクサスのスポーツ性能面での象徴的存在である。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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