車種別・最新情報
更新日:2023.01.27 / 掲載日:2023.01.27

【MAZDA2 大幅改良】自分らしくカスタマイズできる「真っ白なキャンバス」

文と写真●ユニット・コンパス

 マツダのエントリーモデルであるMAZDA2が大幅改良を受けた。

 改良のポイントは、デザインの改良と「選ぶ楽しさ」の強化。グレードを整理したことでモデルごとのキャラクターがより明確になり、さらにユーザーが自分好みの内外装にカスタマイズできるようになった。価格は152万9000円から254万1000円。

新グレード「BD」は、自分好みにカスタマイズを楽しめる真っ白なキャンバス

MAZDA2 BD

 

 今回の大幅改良でもっとも注目なのが新グレード「BD」。従来の「スマートエディションII」や「プロアクティブ」に代わるエントリーモデルで、ガソリンとディーゼル両方のエンジンが選択可能。

 特徴は、最大198通りという表現パターンで、自分好みの1台に仕立て上げられるところ。

 新色「エアストリームブルーメタリック」と「エアログレーメタリック」を含む11色のボディカラー&グリルパネル&ホイールカバー、3色のインパネが追加料金なしで選択できる。さらにメーカーオプションとしてブラックまたはホワイトのルーフフィルムも用意されている。新車購入時だけでなく、ディーラーで購入できる用品もあるので、購入後に愛車を育てるようなカーライフも楽しめるだろう。「BD」というネーミングは、スケートボードのブランクデッキ(無地の板)からインスパイアされたもので、でカスタマイズのベースというニュアンスが込められている。

 取材会では、ボディカラーやグリルパネル、ホイールカバーまですべて白でまとめられた「XD」が展示されていた。このままでも白いTシャツみたいで素敵だが、この「BD」をキャンバスにみたて、自分色に染め上げるのは楽しいに違いない。

 これまでマツダは、デザイン力の高さやブランドとしての統一感が高く評価されてきた。一方で完成度の高さゆえに、ホイールひとつ社外品に交換するのもはばかられるような雰囲気が漂っていた。「BD」は若者をターゲットにしているとのことだが、クルマを自分好みにして楽しみたいというニーズは年齢に関係なく存在するはず。ベースモデルだけあって、装備も抑えられている代わりに車両価格が安価なのもいい。

 マツダの公式サイトでコーディネートを試せて、その結果をディーラーに簡単に伝えられるような仕組みを制作中とのこと。取材時にマツダが想定したさまざまなパターンを見せてもらえたが、ボディやホイールをすべて黒でまとめ、差し色にオレンジを使った案が格好よかった。ポップからクール、カワイイ系までいろいろなMAZDA2が作れそうだ。

MAZDA2 CLAP POP

 一方で、どうやってカスタマイズしていいかイメージが湧かないというユーザーのために、マツダがセレクトしたパッケージも販売されている。それが、スポーティなイメージの「CLAP POP(クラップ ポップ)」や初めてクルマを購入するユーザーをイメージした「ROOKIE DRIVE(ルーキードライブ)」。さすがはメーカーの仕事だけあって完成度が高く、これに乗りたいというユーザーも少なくないだろう。

MAZDA2 ROOKIE DRIVE

スポーティテイストの「SPORT」

MAZDA2 SPORT(写真は欧州仕様をベースにした開発車両)

 「SPORT」は、これまで好評だった「ブラックトーンエディション」のポジションを受け継ぐグレード。

 新しいグリルデザインは、コンパクトカーらしい軽快さのなかに、すぐれた性能を予感させる造形で、グリルやミラーカバーをブラックアウトしたことで引き締まった印象を与える。新デザインのアルミホイールも「SPORT」ならではの要素だ。

 インテリアはブラック基調に赤をコントラストカラーに取り入れた、いかにもスポーティなテイストだ。シート生地はセンター部分にすべりにくい起毛素材とするなど、デザインと機能性を両立させている。

デザインの裏に込められた独自技術

バイオエンプラを採用したMAZDA2の内装パネル。塗装仕上げよりも深みのある色合いが表現できるという

 マツダには、普通のメーカーではあきらめてしまうような難題を、独自技術で解決しようという挑戦心がある。今回の取材でも、その一端を知ることができたのでお伝えしたい。

 まずは、内外装のパネル。従来は樹脂成形部品を塗装で仕上げていたが、マツダは植物由来の原料を使用するバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)に置き換えることで、クオリティを上げながら石油資源やCO2排出量を大幅に削減することに成功している。この技術でマツダは、2020年に文部科学大臣表彰も受賞している。

 特徴は、塗装仕上げよりも平面がより平滑にでき、素材自体に着色することで、深みも表現できたというからユーザーとしては大歓迎だ。MAZDA2のインパネには細かい凸のひょうな意匠が施されているが、従来の塗装ではこうした表現は不可能だったという。もし使用の過程ですり傷がついたとしても、平滑な面であればコンパウンドなどで補修可能だというのもいい。

 もうひとつの話題が、ルーフフィルム。ツートーンカラーを塗装ではなくフィルムで表現するという技術。発想自体は以前からあるものだが、マツダは独自のフィルムを開発することで、短時間でデザイン性の高い仕上がりを実現させた。これによりCO2の排出量を約30kg削減できたというから無視できない話だ。この技術は今後も継続的に進化させていくという。

MAZDA2に採用されたルーフフィルム。表面形状を工夫することで、デザイン性だけでなく美しい仕上がりを実現させた

まとめ

MAZDA2 SPORT

 現行モデルで好評だった「Sunlit Citlus」は継続。これによってMAZDA2は、新しい価値観の「BD」、スポーティな「SPORT」、上質な「Sunlit Citlus」という3つの個性(+ベースモデルの15C/XC)にグレード体系が集約された。もちろん、ディーゼルエンジンやマニュアル仕様もそれぞれ選択可能なので、ユーザーとしては好意的に受け入れられる変更だろう。

 小さなクルマであっても上級車と変わらない安全装備を備え、走りの実力もいまだクラス上位にあるMAZDA2。「多くのユーザーに、このクルマをきっかけにマツダの世界を体験してもらいたい」とマツダは話す。

 移動の道具として優れていて、なおかつライフスタイルを表現できるモデルとして、今回の大幅改良でMAZDA2はますます魅力的になったといえるだろう。

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ