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更新日:2022.08.12 / 掲載日:2022.08.12
マクラーレン 新型ARTURAに釘付け【九島辰也】

文●九島辰也 写真●マクラーレン
クルマの変遷をエンジンの種類で見ていくと時代の流れがわかります。最近のスーパーカー&ウルトララグジュアリーブランドでいえば、トレンドはV6ガソリンエンジン。このところそれを積んだモデルが増えています。
例えば、フェラーリの最新モデル296GTB&GTS。V6ターボエンジン+モーターのハイブリッドで、最高出力はなんと830psに達します。V12自然吸気エンジンの812GTSが800psだから、気筒数半分にしてそれを上回ってしまいました。ベントレーもそう。人気のSUVベンテイガハイブリッドのパワーソースは3リッターV6ツインターボ+モーター。700Nmを発生させる太いトルクで大きなボディを軽快に運びます。

そして先日イベントが行われたマクラーレンのシリーズ生産プラグインハイブリッド、アルトゥーラ(ARTURA)も同じ。3リッターV6ツインターボは単体で585psを、モーターと合わせたシステム全体では680psを発揮します。
といった新型車の登場から分かるように、今スーパーカー&ウルトララグジュアリーブランドではV6エンジンが大流行り。モーターと組み合わせたプラグインハイブリッドモデルの台頭でエンジンのデフォルトが変わろうとしています。フェラーリもベントレーもマクラーレンも近年は12気筒エンジンが標準でしたから、時代の変化を感じます。やはり電動化に合わせて12気筒ユニットは消滅していくのでしょうね。そしてその後はV8と続くのではないかと。
少し話が横道にそれますが、これらとは異なるジャンルでは同じ6気筒でもV6から直列6気筒にスイッチしているメーカーがあることは見逃せません。メルセデスやジャガー&ランドローバーがそうです。一時はエンジンブロックが長くて衝突安全スペースが取れないことから嫌われていた直6ユニットですが、コンパクトにつくれるようになり見直されました。直6の方がエンジン自体のバランスがいいですからね。技術者が幅を利かすメーカーはそこに焦点を当てたのかもしれません。
それはともかく、先日V6を積んだアルトゥーラのイベントが行われました。タイトルはARTURA SONIC(アルトゥーラ・ソニック)。世界的なギタリストMIYABIを招いてのコラボレーションイベントです。

ミュージシャン、そして俳優としても活躍するMIYABIはまさに世界をフィールドに活動しているアーティスト。スラップ奏法で注目を集め、これまでに約30カ国380以上のライブと8度のワールドツアーを成功させて来ました。映画「ミッションインポッシブル ロード・ネーション」では日本版テーマソングのアレンジを手がけています。
そんな彼が今回のイベントではアルトゥーラの前で歌と演奏を披露しました。ダイナミックなパフォーマンスでゲストの視線は釘付け。彼らの演奏を観るのは初めてですが、かなり気に入りました。サウンドは “かっこいいロック”で、どこか懐かしさも感じます。70年代のロックに通じるものがあるのでしょう。じつにいい感じ。マクラーレンの世界観にもバッチリでした。
アルトゥーラはカーボンファイバーとアルミをふんだんに使ったプラットフォームに前述したV6+モーターが搭載されます。最高出力680ps、0-100km/h加速3.0秒というパフォーマンスです。プラグインハイブリッドスーパーカー全開ってところですね。それでいてマクラーレン史上最高の燃料効率ですから魅力的。そもそも技術革新というか、インテリジェンスを感じるブランドだけにプラグインハイブリッドに違和感ありません。後は日本上陸を待つばかり。一日でも早くステアリングを握れることを期待しちゃいます。