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更新日:2022.07.20 / 掲載日:2022.07.20

【日産 改良新型キックス】マイナーチェンジのポイントとオーテックバージョンを解説

文●大音安弘 写真●日産

 日産自動車のコンパクトSUV「キックス」が2022年7月19日、初のマイナーチェンジを実施した。新価格は、2,798,400円~3,281,300円となる。

 世界戦略車でもある「キックス」は、2016年に発売されたが、日本には2020年から導入を開始。日本仕様では、生産工場のあるタイ仕様をベースとしているが、「e-POWER」専用車として展開されたのが大きな特徴だ。日本では、手頃なサイズとe-POWER初のSUVであることが注目され、好調なセールスを記録していた。

マイナーチェンジでe-POWERを改良

キックス

 今回のマイナーチェンジのポイントは、e-POWERの進化にある。新型ノートから搭載を開始した第2世代のe-POWERにアップデートすることで、モーター出力を約5%、最大トルクを約7%向上させ、より力強い走りを実現している。さらにFWD仕様のみだったラインアップに、待望の電動4WD「e-POWER 4WD」が追加されたのも朗報だ。

 これによりフロントモーターは、最大出力100kW(136ps)、最大トルク280Nmまで性能を向上。4WD仕様に追加されるリヤモーターは、最高出力50kW(68ps)、最大トルク100Nmとパワフル。SUVというキャラクターもあり、フロントモーターが、オーラと同スペックに。リヤモーターのスペックはノートやオーラとも共通だ。燃費消費率も改善されており、+1.4km/Lの23km/L(WLTC)に。新設の4WDは、19.2km/L(WLTC)となる。

キックス

 内外装の変更は限定的。エクステリアは、従来型と全く同じ。インテリアでは、小変更が行われ、センターコンソールが一新。そこに備わる電制シフトも新世代デザインのものに変わり、操作性を向上した。新たな試みとして、「ツートーンインテリアエディション」には、オレンジタンの内装色に加え、ベージュを新設。さらに新グレード「スタイルエディション」を追加し、リヤコンビネーションランプ一体型フィニッシャーやダーククロム調グリルフィニッシャーを取り入れることで質感を向上。さらにインテリアは、落ち着いた色合いのブラウン基調とすることで、シックな雰囲気のキックスに仕上げている。

 装備面では、安全機能の向上が行われ、「インテリジェント アラウンドビューモニター」や「インテリジェント ルームミラー」などの先進技術装備を上位グレードに標準装備。さらにコンパクトSUV初となる「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を全車に標準化している。

「オーテック」の改良ポイント

キックス オーテック

 コンプリートカー「オーテック」も、マイナーチェンジモデルベースに進化。従来型のオーテック専用仕様に加え、バックドアフィニッシャーを追加。さらに4WDも選択できるようになっている。

キックス

 新型キックスは、上記のようにビジュアル面は従来型とほぼ変わらない。しかし、新e-POWERの搭載が大きな肝となる。テストコースで、しばし試乗することが出来たが、e-POWERのアップデートの恩恵は、かなり大きいようで、新型ノートと走りの印象が重なる。プラットフォームなど基本は従来型のままなので、新e-POWERの恩恵は、かなり大きい。試乗車は新設の4WDだったが、後輪の駆動力も使えるため、コーナリング時に狙ったラインを気持ちよく駆け抜けてくれた。よりアクティブな使い方が想定されるコンパクトSUVだけに、新設の4WDとのマッチングの方が良い可能性もある。次なる機会には、FWDと4WDの比較もしてみたい。

 e-POWERのバージョンアップや4WDなどメカニズムが大幅進化している新キックスだが、もうひとつの大きなトピックがある。それはマイナーチェンジモデルの生産拠点が、日本となることだ。これまでは海外生産のため、仕様や色によっては、納期が長期するケースが聞かれたが、国内生産となったことで、少なくとも色による納期の違いは、圧縮されるだろう。その点も含め、バージョンアップされた改良型は、既存のキックスユーザーにも大いに気になる存在といえそうだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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