自動車にかかる税金
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2014.02.07

あなたの知らない増税後の世界

4月以降の動向を予測! あなたの知らない増税後の世界 これからの自動車市場は一体どうなるのか!?

4月から消費税が8%に増税されることが決まり、消費増税と同時に、自動車に関する税制が大幅に見直される運びとなっている。2013年12月20日現在の時点で決定したこと、これから予定されていることをふまえ、自動車市場はどう変わっていくのかを予想してみた。長い目で見たカーライフ計画の参考にしてほしい。

2014年4月から実施される消費増税とは?

消費増税と共に自動車に関する税の体系が見直される!
2014年4月から消費税率が5%から8%に引き上げられる。2015年10月から10%に引き上げるかどうかについては、「適切に決断していきたい」と述べるにとどまっているが、現状の日経平均株価指数の高さや景気動向から判断すると、おそらく予定通りに増税される見通しだ。消費増税による税収は「社会保障にしか使わない」とされている。同時に景気の腰折れを防ぐため、総額5兆円規模の経済対策も示し、自動車税、軽自動車税、自動車取得税、自動車重量税などの自動車関連の税金体系が見直される予定だ。

2014年4月から実施される消費増税とは?

2014年4月 消費税8%引き上げ時
・自動車取得税を2%分引き下げ
・エコカーの自動車重量税の軽減措置を拡充
・登録から11年が経過した旧型車の自動車重量税を増税

2015年4月
・軽自動車税を引き上げ(新車)

2015年10月 消費税10%引き上げ時
・自動車取得税を廃止(予定)
・自動車税と軽自動車税に環境に応じた新たな課税制度を導入(予定)

2013年12月12日に発表された税制改正大綱より 自動車関連の税金は4月からこう変わる!

自動車取得税はこうなる!

エコカーの優遇が強まる
・税率:登録車5%⇒3%/軽自動車・営業車3%⇒2%
・エコカー減税拡充:現行75%⇒80%/現行50%⇒60%

政府・与党が決定した平成26年度税制改正大綱の概要によると、自動車取得税の税率が一部引き下げられる。また自動車取得税に関するエコカー減税は拡充される。現状の自動車取得税は、車体価格の9割に対して登録車(普通車)に5%、軽自動車には3%が課せられており、消費増税分の購入時の負担を和らげることを狙う。自動車業界としては一律3%減を強く求めてきたが、地方自治体の税収減を抑えるため登録車で2%、軽自動車・営業車で1%の減税にとどまった。

自動車税はこうなる!

エコカーの減税幅が広がり、古いクルマは増税
・グリーン化特例の50%軽減⇒75%軽減(クリーンディーゼル車も対象に)
・現行の20%軽減対象車への軽減は廃止
・13年超のガソリン車(ディーゼル車は11年超)に対する重課割合を10%⇒15%へ

  • 自動車税納付通知書

    古いクルマから新しいエコカーへの代替えを促す狙いを強める改正といえる。

  • 政府・与党が決定した平成26年度税制改正大綱の概要によると、自動車税の見直しでは、環境性能に優れた車に対する減税を強化する一方、登録から13年を超えた旧型車の課税を強化する制度を導入。

自動車重量税はこうなる!

登録から13年超の古いクルマは増税
・現行の車検1回目に免税のクルマは2回目の車検も免税(その他は変化なし)
・登録後13年超18年以下の乗用車は、16年度までに2段階で増税となり、年額が5000円⇒5400円⇒5700円となる

車重の重さ(0.5t単位)に応じて課税される自動車重量税については、初年度登録から13年超18年以下の比較的古めのクルマは現状から増税となり、現行の金額から700円の増税となる。

  • 登録から13年超の古いクルマは増税

  • 中古車ユーザーとしては残念だが、低年式車の中には、増税分を支払ってでも乗りたいと思える魅力的なクルマが多い。

軽自動車税はこうなる!

新車は1.5倍の増税
・年間7200円⇒1万800円に増税

2015年4月以降に買う新車の軽自動車(自家用)は、現行の7200円の1.5倍となる1万800円に増税される。現状の保有車や中古車については年間7200円のまま据え置かれる。さらに、2016年度からは初年度登録から13年以上を過ぎたクルマに20%高い税金がかかる仕組みも取り入れられ、自家用四輪なら1万2900円となる。普通車も軽自動車も、古いクルマから燃費の良いエコカーへの買い替えを促すことが狙いとされている。これまで軽自動車税は、登録車のもっとも低い自動車税額(1000cc以下で2万9500円)の4分の1以下と安く、登録車との格差是正が長年の懸案になっていた。ちなみに、同じ軽自動車税がかかっている原付きバイク(50cc以下)は現状の1000円から2000円に、250ccを超える小型二輪車は4000円から6000円に引き上げられる。農家などが使う営業用軽トラックについては3000円から3800円に。

自動車市場の未来を左右する! 増税後の自動車販売台数はどうなる?

台数は減少するも景気にはあまり影響しない
消費増税後は新車販売台数がガタ落ちし、そのまま景気低迷・・・・そんな最悪のシナリオを懸念する声は杞憂に終わりそうな気配。自動車市場が大きく落ち込むことはないと思える材料は3つある。

消費増税後も期待が持てる自動車市場にとっての明るい材料

(1)円安 (2)株価 (3)好調な輸出

明るい材料 その(1) 円安の押上効果

  • 為替チャート

    今後、海外景気が悪化して経常赤字に転落するという見方が強まれば、長期金利の急上昇を招きかねないといったマイナス面には要注意だという。

  • 円安効果により自動車メーカーは大増益
    2012年12月に発足した安倍晋三政権は、大胆な金融緩和と財政出動、成長戦略の「3本の矢」を掲げた。株価上昇とともに日本銀行総裁による金融緩和策がドル円を7円も押し上げるほどの大幅な円安効果をもたらし、円安ドル高が進行。国際的な経済協議の場でも海外から表立っての円安批判はなかったこともあり、円相場のまま安定した推移が続いている。円安と北米市場の販売好調を支えとして、自動車メーカーの業績は好調だ。2013年4~9月期の連結決算は日産以外の大手6社が大幅な増収増益となり、特に富士重工業とマツダスズキ三菱は営業最高益を記録。やや停滞・減速がみられる中国やタイ、インドなど新興国の苦戦分を補った形となった。

明るい材料 その(2) 円経平均株価の高値安定

日系平均株価の動き

税制改正大綱発表直後も日経平均株価は反発。今後は消費増税の影響を受けながらも、安定的に推移すると予想されている。

円相場の安定を好感し高値安定傾向
株式市場では円相場や政権基盤が安定したことを好感する声が多く、6月頃に多少の乱高下があったものの、この1年を振り返ると全体的には続伸傾向で推移した。市場を分析するアナリストらによると、今後もひとまず円安・株高が続くと予想されている。自動車メーカーの株価は高安まちまちで、トヨタ、富士重工業、三菱は堅調。ホンダは小幅ながら続伸傾向。マツダも続伸傾向となっており、自動車産業への期待感の高まりがみられる。これまで低調だった日産、スズキ、ダイハツの3社株が反発に転じれば、自動車業界全体への期待感がいよいよ本格化してきたとも判断できるため、今後の推移に注目したい。

明るい材料 その(3) 自動車メーカー各社の販売/輸出事情とは?

各社の輸出モデルについて
今の自動車メーカーの収益はおもに円安と海外市場での販売好調により上向きになっている面がある。4月の消費増税後も円安で輸出販売の好調が続けば、国内販売が多少減少してもその収益減を吸収・相殺することはそれほど難しくはないとみられている。そうなると落ち込みかけた国内販売もある程度支えられるという良い流れになることが期待されるが、ここで国内メーカーの輸出情勢について簡単に振り返ってみよう。

日産 FR系車種は輸出が中心

日産

北米のほうが台数が多いモデルも。

国内販売ではセレナノートが堅調も全体的には伸び悩む。輸出でも不調だが、北米で浸透したインフィニティブランド向けの車種は安定的に輸出されている。FR系の車種を生産する栃木工場ではインフィニティQ70(フーガ)、スカイラインシリーズのGセダン(スカイライン)、Q50(新型スカイラインハイブリッド)、EX(スカイラインクロスオーバー)、フェアレディZ、GT-Rなど輸出が中心。

国内販売:約3.4万台(前年同月比97.8%)
輸出台数:約4.9万台(前年同月比85.6%)

トヨタ 世界のカローラを宮城の新工場で生産

トヨタ

東北から世界へ輸出される。

国内販売はアクアとプリウスが毎月コンスタントに2万台以上と今もなお好調をキープ。輸出ではレクサスブランドと共に北米での回復が目立つ。昔から輸出の主力車種として売れ続けるカローラの海外の累計販売は約2777万台(2013年7月末時点)を越え、震災後に新しく誕生したセントラル自動車宮城工場でフル生産。

国内販売:約13.5万台(前年同月比111.8%)
(レクサスは4310台/前年同月比111.1%)
輸出台数:約16.4万台(前年同月比106.6%)

三菱 アウトランダーは世界的な主力車種

三菱

トラブルも解消し、国内挽回をはかる。

国内販売はやや低迷気味も、新型eKワゴンは日産へのOEM販売も好調でフル生産状態。輸出では岡山と愛知の工場で生産されるアウトランダーが好調。プジョーシトロエングループとの提携により誕生したPSAグループと共同開発を行ったRVRベースのプジョー4008やシトロエンCクロッサー(日本国内未発売)など、欧州向けの輸出車が工場稼働率アップに貢献している。

国内販売:約0.7万台(前年同月比93.3%)
輸出台数:約3.1万台(前年同月比112.4%[商用含む])

ホンダ 埼玉の新工場をマザー工場に

ホンダ

アコードは現地生産車も多い。

国内では軽自動車のNシリーズと新型フィットが大ヒット中も、いずれも低価格帯の車種にて利益率が低いのが悩みのタネ。昔から伝統的に北米向け輸出車を生産する埼玉の狭山工場では輸出用フィットとアコードツアラーの生産でフル稼働。ホンダとしては40年ぶりに新設した国内工場の埼玉寄居工場では国内のマザー工場としての機能も果たし、生産技術の高さを世界に発信する。

国内販売:約6.5万台(前年同月比148.9%)
輸出台数:約1.1万台(前年同月比165.7%)

スバル 全車国内生産のため円安の恩恵が大きい

スバル

国内では大きいレガシィも北米では小型。

現状では世界約110カ国への輸出車も含めすべてを群馬県の工場で生産しているため、円安の恩恵が大きい。国内ではXVを筆頭にインプレッサシリーズが絶好調。フォレスターは北米と国内の両方で人気が高いなど、空前の販売好調に沸いている。4月に投入する国内専用車のレヴォーグはすでに受注がかなり上がっているという。国内では不人気のレガシィも北米では大人気だ。

国内販売:約1.2万台(前年同月比112.5%)
輸出台数:約4.1万台(前年同月比123.6%)

マツダ 伝統的に欧州市場で強みを発揮

マツダ

国内と欧州市場で絶好調。

国内ではデミオのスカイアクティブ車やアテンザ、CX-5、アクセラなど、ここ2~3年内に投入した最新モデルはクリーンヒットが続いており好調。CX-5ではディーゼルエンジン搭載車の人気が高い。輸出では伝統的に欧州市場で強く、国内と同じようにアテンザやCX-5、アクセラが好調で、広島の宇品工場では連日フル稼働状態が続いている。

国内販売:約1.6万台(前年同月比122.3%)
輸出台数:約7.2万台(前年同月比116.1%)

ダイハツ 軽自動車ベースの輸出モデルはかなり多い

ダイハツ

軽ベースの3列シート車も輸出された。

国内は軽自動車で好調キープ。1980年代から軽自動車をベースにエンジン排気量拡大モデルを欧州とオセアニア向けに輸出し続けており、一部の地域ではかなり根付いた感もある。かつてのYRVなど、開発当初から欧州市場への輸出販売を強く意識したモデルも少なくない。手作りラインで生産されるコペンもエンジン拡大版がかなり輸出された。

国内販売:約4.5万台(前年同月比101.3%)
輸出台数:約0.8万台(前年同月比227.6%)

スズキ 生産拠点を積極的に海外へ移転

スズキ

キザシやSX4は海外での販売がメインに。

国内では軽自動車が全般的に好調。登録車ではスイフトが堅調をキープしている。軽自動車以外のモデルは海外生産への移行が進んでいることも輸出を減らした要因のひとつとなっている。ハンガリーやインドなど、他社に先駆けて海外の生産拠点を設けて地域に浸透しつつある。軽自動車は国内で安定しているが、それ以外のモデルでは海外情勢の変動の煽りを受けやすいともいえる。

国内販売:約5.5万台(前年同月比118.0%)
輸出台数:約1.2万台(前年同月比76.4%)

税制改正大綱が発表された後の動きに注目

現代文化研究所主席研究員・白木節生さん

自動車業界団体としてはやや不本意な内容に
2013年12月12日に税制改正大綱が発表された。2014年4月から実施される消費税8%による景気の腰折れを少しでも防ぐため、比較的高額な消費材のひとつである自動車の関連税金を減税する方向で改正される。
その内容については左のページで紹介しているが、基本的には古くて燃費の悪いクルマから、新しいエコカーへの買い替えを促す狙いが込められた内容となっている。これまでは手をつけないと思われていた軽自動車税が増税される点は、やや意外であった。
自動車業界の団体要望活動としては、これまでの自動車税制が全体的に過重気味であったことから、自動車取得税は3%減、軽自動車税は据え置きとすることを強く要望し続けるなど、一律で下げるように努力してきたので、自動車取得税の引き下げ2%という数字と、軽自動車税の増税は不本意な部分であるという。

増税前の駆け込み需要は本当に盛り上がっている?
2013年12月12日現在、新車の販売は堅調推移しているが、消費増税前の駆け込み需要については、実際のところ、消費増税が起因とされる駆け込み需要の裏付けをとるのは難しく、現場の感覚論での判断になるが、ハイブリッド車など、消費増税で負担増の可能性が高いと予測された車について、人気モデルほど駆け込みが先行した起こったという声が強い。
販売店サイドとしても、税制が固まっていない段階でプッシュするわけにもいかない上、「増税前が絶対にお得」は不当広告に該当する恐れがあるため、表立って駆け込み需要を喚起するようなアピールはできなかった。
しかし、今後は販売店でも消費増税前に登録が可能な車の案内を含め、消費増税を意識した動きが活発化すると見られる。

  • 自動車マーケティングのエキスパート 「現代文化研究所とは?」

    現代文化研究所主席研究員・白木節生さん

  • 自動車マーケティングのエキスパート 「現代文化研究所とは?」

    自動車メーカーや自動車販売会社のマーケティング支援業務や、自動車販売協会が発行する「自動車ディーラービジョン」の策定などを手がける。主席研究員の白木節生氏は、自動車販売会社を取材したり会合に参加するなどして、常に現場の生の情報を収集することに務めている。

    現代文化研究所

※国内販売と輸出台数は2013年10月調べ

4月以降の動向を予測! あなたの知らない増税後の世界 これからの自動車市場は一体どうなるのか!?

ユーザーにとって価値のある魅力をもつクルマが登場!? これからのクルマはどうなっていくのか?

魅力的な新型車が増え運転支援システムの普及と発展がすすむ
消費増税の影響をものともしないほどの魅力に溢れたクルマが登場すれば自動車市場が落ち込み景気の悪化を心配する必要はなくなるわけだが、2014年は各社から意欲的な新型モデルが続々と登場!その一部を紹介しよう。

2014年に発売される注目の新型車

icon 1月 発売 レクサス RC

レクサス RC

ダイナミックな走りとエコ性能を両立!

国内レクサス初のクーペモデル
RCとは「Radical Coupe」の略で、ファンな走り、操る楽しさを追求したスポーツクーペとして誕生。これまでのレクサスとは一線を画す硬派なイメージと走行性能が与えられる。ISのクーペ版とも思えるが、シャシーは格上のGSがベースで、エンジンは3.5リッターV6ガソリンと、2.5リッター直4ハイブリッドを搭載。

icon 1月20日 発売 トヨタ ヴォクシー

トヨタ ヴォクシー

ミニバンシェア38%を占めるセレナを追撃!

ハイブリッド化でミニバン市場を席巻?
低床フロアや超ロングスライドのキャプテンシートの採用により、さらに広い室内空間や優れた乗降性を実現。2.0リッターエンジンのほかプリウスに使われている1.8リッターエンジン+電気モーターのハイブリッド仕様も設定。JC08モード燃費で23km/L前後とミニバンとしては圧倒的な数字を達成するとみられる。

icon 2月 発売 日産 ティアナ

日産 ティアナ

中型セダン市場がハイブリッドシステムで静かに加熱する!

競合よりも低燃費&低価格がウリか?
カムリやアコードなど同クラスのセダンに追従すべく、ハイブリッド化。新開発の2.5リッター直4ハイブリッドが初搭載される。現行ティアナ最上級グレードの3.5リッターが廃止され、新型2.5リッター直4ハイブリッドに置き換わる。さらに3.0リッターのV6エンジンも新採用。タイ工場で生産されることで低価格化も達成する。

icon 4月 発売 スバル レヴォーグ

スバル レヴォーグ

新世代アイサイトの搭載が始まるモデルとしても注目を集める。

国内市場専用のブランニューモデル
コンパクトなボディを好む守旧派レガシィユーザーを逃がさないために生まれた国内専売モデル。現行レガシィよりも全長を切り詰めながら現行レガシィ以上の荷室空間を持つステーションワゴンボディを採用。新開発の1.6リッターを直噴ターボ化させたDITエンジン、または従来の2リッター直噴ターボDITを搭載する。

icon 5月 発売 スバル レガシィ(アウトバック)

スバル レガシィ

NAインプレッサにもハイブリッドシステムが搭載される。

レガシィもハイブリッドが主力に
6世代目は1.6リッターボクサーターボのDITと、1.6リッター直噴NAハイブリッド、さらに1.6リッターターボハイブリッドという設定。ツーリングワゴンは廃止されセダンのB4とクロスオーバーのアウトバックの2タイプに統合。国内専用車レヴォーグの誕生により、レガシィはさらに北米市場向けとしての性格が強まる。

icon 8月 発売 ダイハツ コペン

ダイハツ コペン

気分に合わせてボディを着せ換えることができるという。

ボディの着せ替えができる!?
2シーターオープンのFF軽自動車スポーツというコンセプトは踏襲。3気筒ターボエンジンにパドルシフトが可能なCVTが組み合わされる。ルーフは電動開閉式メタルハードトップに進化。最大の注目ポイントは、脱着交換が可能なボディパネルだ。フェンダーはもちろん、ドアなど外板のすべてが交換可能というアイデアを採用。

icon 11月 発売 ホンダ S660

ホンダ S660

ミッションはCVTのほか、MTも用意されているという。

あのビートがついに復活!
ホンダのオープンスポーツカーの象徴である「S」が復活。名車ビートの後継としての位置づけでもある。前回のモーターショーで出品された電気自動車をベースにすべてをリファイン。エンジンなど詳細は明らかにされていないが、S660の名からして660ccエンジンが積まれMRレイアウト車であるといわれている。

自動車市場の軸となる「安全技術」について

運転支援システムやITS運転、さらにその先の自動運転、次世代のエコカーなど、実現や普及が現実的となった新世代の技術は各社とも鋭意開発中で、今後続々と採用される!

ホンダ

燃料電池車の低価格化
2013年11月、2008年にリース販売を開始した燃料電池車FCXクラリティの後継モデルをL.A.ショーで展示。先進のエアロダイナミックフォルムは爽快なフルキャビンと空力を最適にするシルエットを両立する。このコンセプトカーをベースにしたFCEVを、2015年に日本と米国、その後欧州で発売する予定としている。

  • 燃料電池車の低価格化

  • 1
    2013年ロサンゼルスオートショーで世界初公開の新型燃料電池電気自動車(以下、FCEV)「Honda FCEV CONCEPT」を公開。

    2
    燃料電池車から家庭へ電力を供給する実証実験を開始。給電機能を装備したFCXクラリティを北九州市に納車した。

ITS運転の実用化
ホンダはクルマが持つ安全技術に加え、クルマ同士、クルマと二輪、クルマと道路インフラ、クルマと人などをつなぐ通信技術を利用した相互のコミュニケーションによる安全運転支援技術やインテリジェントな交通支援システムを開発中。超小型ながら大人2人が快適に座れる空間と荷室空間を確保した超小型モビリティーも開発中だ。

ITS運転の実用化

1
自動走行や歩行者を認識して自動停止および発進を実現した協調型自動運転。

2
駐車場の監視カメラがクルマと無線通信で連携することにより、クルマが無人で駐車する自動バレーパーキング。

トヨタ

自動運転の基礎は完成
開発段階にある次世代の安全/自動運転技術などを定期的にメディア公開を行うトヨタ。2013年の秋に実施した先進技術説明会では、高度運転支援システムのオートメーテッドハイウェイドライビングアシストや、自動操舵により衝突回避を支援する歩行者対応PCSの性能を披露。前者は新型ハリアーに装備された。

  • 自動運転の基礎は完成

  • 1・2
    道路上の白線や黄線をカメラで認識し、車線を逸脱する可能性があると注意を喚起し、車線逸脱回避をしやすいようにドライバーのステアリング操作をサポート。

    3・4
    自動操舵の精度はかなり高いレベルに。

日産

リーフで電気料金を大幅に低減

リーフからの給電でピーク時の電力消費をカットし、電気料金を削減する。

リーフで電気料金を大幅に低減
家庭用の「LEAF to Home」電力供給システムを応用した、「Vehicle to Building」システムとは、複数のリーフを同時に接続し、オフィスビルやマンションなどの建物に電力を給電するシステム。最大6台のリーフを同時に接続し、3相200Vでビルの配電盤へ電力を供給することで、より多くの電気を効率的に流すことが出来る。

スバル

他社の一歩先をゆくアイサイト3を投入
「ぶつからないクルマ」の先駆けであるアイサイトのすべての性能を大幅に向上。従来と同じステレオカメラのみでの構成ながら60km/hからの自動停止や、自動舵角入力を実現するなど、現状で普及しつつある他社の同系等のシステムの一歩先をゆく運転支援システムとして、新型レヴォーグに搭載。満を持して投入される。

  • 他社の一歩先をゆくアイサイト3を投入

  • 1
    新世代でも障害物の認識はステレオカメラのみ。課題の逆光にも強くなった。

    2
    信号やブレーキランプの色も認識可能に。

    3
    ステレオカメラによる前方認識の開発の歴史は古く、1989年にまで遡る。

ダイハツ

軽自動車にも運転支援機能を

軽自動車にも運転支援機能を
2012年の年末からムーヴに軽自動車としては初となった衝突回避支援システム「スマートアシスト」を設定。短距離レーザーレーダーで前方の状況を把握し、ドライバーに危険を促して4~30km/hでは自動ブレーキが介入し衝突を回避。

スズキ

女性や高齢の運転者に配慮

女性や高齢の運転者に配慮
軽自動車には運転初心者や女性、高齢ドライバーが乗る確率が高いことを意識するスズキは、スペーシアやワゴンRなどの軽自動車の人気モデルにレーダーブレーキサポートをオプション設定。衝突被害軽減ブレーキに加え、誤発進抑制機能を付けている。

三菱

充電インフラ普及を促進

充電インフラ普及を促進
電気自動車やプラグインハイブリッドカーの販売で実績が豊富な三菱は、トヨタ、日産、ホンダと共に電動車両用充電器の設置活動、および利便性の高い充電インフラネットワークの構築を共同で推進し、早期普及を重要視している。

マツダ

ドライバー主体の運転支援機能

ドライバー主体の運転支援機能
ドライバーの認知支援および衝突回避や被害軽減を図る先進安全技術をアテンザ以降のモデルに順次設定。マツダらしく、ドライバーが安全に運転できる状態を最大限に確保し、事故のリスクを最小限に抑制することを目指している。

4月以降の動向を予測! あなたの知らない増税後の世界 これからの自動車市場は一体どうなるのか!?

2014年以降の自動車市場Q&A

2014年4月に消費増税が実施された後、自動車市場はどうなっていくのか?いちユーザーとして浮かび上がった素朴な疑問を現代文化研究所の白木研究員に答えてもらった。

Q.1 軽自動車の税制優遇はどうなる?

A 軽自動車税は引き上げされ、他のエコカーとの差は小さくなる。

  • Q.1 軽自動車の税制優遇はどうなる?

    1.5倍とはいえ、登録車よりも断然安いといえる。

  • これまでの自動車業界団体の統一見解としては、軽自動車が優遇されているというより、軽自動車の税制が適性で、登録車の税金が過重ということを主張し続けてきた経緯がある。今回の軽自動車税の増税は不本意だが、今後も引き続き登録車のほうの税金を下げて欲しいと粘り強く言い続けていくほかない。リッターカーやエコカーとの維持費の差が小さくなれば、現状の新車の40%が軽自動車というシェアは変わっていくとみられる。

Q.2 高級車はどうなっていく?

A 燃費の悪いクルマは税負担が増す方向に。

  • Q.2 高級車はどうなっていく?

    高級車も低燃費化をはかり、ハイブリッド化が進んでいる。

  • 車両価格の高い高級車は消費増税による負担増の度合いが大きく、さらに大排気量の高性能車が多いため燃費面でも不利なので、エコカーが優遇される流れの中においては、今後は税制面では二重の意味で不利となる可能性が高いといえる。お金はあっても合理的感覚が強い人が多く、駆け込みの需要は予想される。しかし人気モデルも多く、増税後でも、株価や景気が良好なら高所得者を中心に需要は底堅いのではと予想される。また高級車の環境負荷軽減はさらに進むだろう。

Q.3 自動車関連企業はどうなっていく?

A 部品メーカーは景気と関係なく淘汰が進む。

  • Q.3 自動車関連企業はどうなっていく?

    生産効率を上げるため、部品のモジュール化はさらに進む。

  • 消費増税後の業績の落ち込みは最低限で済むとの見方通りに進めば、業績不振による悪影響はほとんど出ないと予想できるが、今後も自動車メーカーは生産効率化を追求して部品のモジュール化がさらに進むため、今までは比較的多くの下請け企業に分散していたのが特定の企業に集中する方向となり、淘汰される部品メーカーが増える可能性も。販売店は今後もメンテナンス面にも力を入れるので、専業の修理業者には不利な面も。

Q.4 2015年10月に消費税が10%になると予定されているが、それに伴いさらにどうなる?

A 自動車取得税は廃止に。但し、自動車税で調整の可能性も。

  • Q.4 2015年10月に消費税が10%になると予定されているが、それに伴いさらにどうなる?

    燃費の良いクルマが優遇される傾向はさらに強くなる見通しだ。

  • 自動車取得税は消費税10%時点で廃止となる見込みである。しかし、それと同時に自動車税は環境性能に応じた加算(環境性能割)の実施が検討されている。クルマを買った年に限り燃費割を加え、2年目以降は燃費性能に応じて自動車税が増減されるというもの。環境性能が優れたエコカーには上乗せ分がかからないが、燃費の悪い高価格車には不利となる考えだ。

Q.5 消費税増税の影響を脱するのはいつ?

A 実質的な所得次第。政府の舵取りに期待。

  • Q.5 消費税増税の影響を脱するのはいつ?

    増税分を打ち消すほど、庶民の所得が上がることを期待。

  • 2015年10月以降の状況については不透明。消費増税が実施されると実質所得は下がることになるが、雇用や給与が増えることで実質所得をどこまで上げることができるかが焦点となる。税金は上がることはあっても下がることはないので、消費増税が実施される中、アベノミクスが国民の所得を上げるところまで結果を出せるか否かにかかっており、政府の舵取りに今後はさらなる期待と責任がかかってくる。

Q.6 工場の海外移転による産業の空洞化はさらに進む?

A ある程度は仕方がない(進む)

  • Q.6 工場の海外移転による産業の空洞化はさらに進む?

    ホンダは埼玉に新工場を増設して国内工場のマザー化を進める。

  • 景気の動向とは関係なく、ある程度の空洞化は避けられないと思われる。今後もさらなるグローバル化は進み、為替リスク低減などをふまえ生産拠点の海外移転化の流れは続くと予想される。ただし、国際的な競争力を高めるためにも技術革新のためにマザー機能は国内に残したいという考えは多くのメーカーにあるように見受けられる。たとえば「自動運転化などの次世代車の技術革新は日本で!」という意識が強いことは間違いない。

Q.7 消費増税後に販売台数が落ち込むと、大幅なリストラや工場閉鎖などが再発する?

A おそらく最悪のシナリオは回避できる見込みだ。

  • Q.7 消費増税後に販売台数が落ち込むと、大幅なリストラや工場閉鎖などが再発する?

    自動車関連の雇用はあまり悪化しないと予想されることが多い。

  • 国内販売と海外市場の両方に悪いことが重なったりすると、リーマン後のような惨状が再来する恐れはあるが、国内と海外のどちらかが今のように堅調であれば、そういった最悪のシナリオは回避できると思われる。景気は底堅く、自動車メーカー各社はしのぎを削って魅力的な商品を出し続けているので、それが下支えとなるとの期待は持てる。登録から9年以上経ってる保有母体が多く、需要喚起がなされればそれなりの需要が続く見込み。

Q.8 新車と中古車で消費増税の影響は異なる?

A 全体としては中古車のほうが悪影響をウケる。

  • Q.8 新車と中古車で消費増税の影響は異なる?

    新車のエコカーばかりが優遇されると不公平感が高まってくる。

  • 燃費が優れたエコカーの新車は、消費増税の影響を軽減する税制措置が取られるが、中古車の場合は今も取得税のかからないクルマが多いため、消費増税で値段が上がるだけとなり、全体としては中古車ユーザーは負担が大きくなるとみられる。消費税が10%になると、そのイメージが認知されるようになり、悪影響がでる恐れはある。信頼できるサービス網が構築されれば、欧米のような個人間取引が伸びる可能性もある。

まとめ

新車/中古車ともに消費増税負担分を軽減することは可能

新車/中古車ともに消費増税負担分を軽減することは可能

消費増税に伴う自動車関連の税制改正は、基本的には市場で人気のエコカーと呼ばれる低燃費な乗用車や、電気自動車やプラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車などの次世代自動車がさらに減税され、これらのクルマに関しては消費増税のユーザー負担分が軽減されることになる。
その反面、低年式車は増税されることから、古いクルマから新車のエコカーへの買い替えを促されることが予想されるが、次世代自動車と、エコカーのなかでも平成27年度の燃費基準に対して燃費性能が20%以上良好な「+20%達成車」については自動車重量税の免除が新車だけでなく最初の車検時にも適応されるため、中古車ユーザーにとっても悪いことばかりではない。
また、軽自動車の増税は新車に限られるため、新車/中古車ともにユーザーの負担が増すばかりではなく、選び方次第で消費増税分の負担を軽減することは可能だ。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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