カーライフ
更新日:2022.08.05 / 掲載日:2021.10.18

運転免許証の更新方法や、交通違反をしてしまった場合の違いについて

運転免許は免許証の区分により、5年や3年ごとに更新をする必要があります。
この更新を怠ると、運転できないのはもちろん、再度免許を取り直す必要が生じる場合もあります。
また当然ですが交通違反をしてしまうと何らかのペナルティが課せられますので、よく理解をしておくようにしましょう。
この記事では免許証の更新方法や交通違反をしてしまった場合の区分の違いをご説明します。

運転免許証の更新期間について

運転免許の更新時期は、運転免許証更新連絡書(ハガキ)で通知がきますが、原則「免許証の有効期間満了日前の誕生日の前後1ヶ月」です。つまり免許証に記載してある有効期間の2ヶ月前から更新の手続きが可能です。

なお、運転免許証の有効期間の最後の日が土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日から1月3日)の場合は、翌日の平日が有効期間の最終日となります。

入院の予定などやむを得ない事情で免許証更新期限までに手続きができない場合は、有効期間内であれば手続きが可能です。

運転免許証更新連絡書(ハガキ)の届く時期

運転免許証の更新時期が近づくと「運転免許証更新連絡書」という通知ハガキが運転免許証所有者の住所宛に、公安委員会から届きます。

これは誕生日の35日前頃に届き、運転免許証の更新期間、手続きの可能な場所、手数料、講習時間が記載されています。
また、このハガキは運転免許証記載の住所に送付されます。つまり、引っ越しなどで運転免許証の住所変更をしていないと、ハガキが届かないことがあります。もし引っ越しをした場合は免許証の住所変更も忘れずに行いましょう。

免許証更新に必要なもの

運転免許証の更新手続きには、なにが必要になるのでしょうか?

以下にまとめましたのであらかじめ準備しておき、更新の機会を失わないようにしましょう。

必ず必要なもの

運転免許の更新にあたり必ず必要なものは「現在交付されている運転免許」と「更新手数料」の2点です。

更新手数料は、新しく交付される免許の色に応じた講習区分によって変動するので、運転免許証更新連絡書に金額が記載されています。

経由更新(指定された地域以外で更新)以外の場合は、運転免許証更新連絡書は更新に必ずしも必要ではありませんが、更新手続きを迅速に、分かりやすく行うためにはあった方が良いでしょう。

視力・聴力の補助具を必要とする場合

免許証を更新する際には視力検査と聴力検査を行うため、普段の運転で使用している眼鏡やコンタクトレンズ、補聴器を忘れないようにしましょう。

普通車の視力検査クリア基準は両眼で0.7以上、かつ片目でそれぞれ0.3以上の視力があることなので、眼鏡やコンタクトレンズを使用した矯正視力が、基準以上あるか事前に確認しておけば安心です。

また、聴力検査は両耳の聴力が10mの距離で91dBの警報器の音が聞こえることが条件です。病気や障害のある方以外は問題ないと思いますが、あらかじめ10mの距離から警報器(クラクション)を鳴らしてもらって確認しておけば万全です。

記載内容の変更がある場合

氏名や住所など、免許証の記載内容に変更がある場合は、変更を証明する書類が必要です。

氏名および本籍に変更がある場合は、本籍が記載された「住民票抄本」。
住所変更がある場合は、現住所の証明書類となる「住民票」「健康保険証」「公共料金の領収証」「在留カード」いずれかが必要となります。

これらの書類を忘れてしまうと、すぐに免許証の更新ができないので、なるべく変更のあった時点で変更しておきたいですね。

警察署で更新する場合

警察署で免許証を更新する場合には、上記書類に加え、新しい免許証に使う写真を自分で用意する必要があります。

運転免許証に使用できる申請用写真の条件は以下のとおりです。

・写真のサイズは縦3cm×横2.4cmで無帽(宗教上、医療上の理由がある場合を除く)、正面、上三分身、無背景
・申請前6ヶ月以内に撮影したもの
・カラーコンタクトや瞳のフチを広げるコンタクトの使用は不可(目の色や大きさが変わるため)

条件を満たしていないと更新に余計な時間がかかってしまうので注意しましょう。

70歳以上の場合

年齢が70歳以上で更新をする場合には、特別講習を受けた証明となる「高齢者講習終了証明書」などが必要です。この「高齢者講習終了証明書」は高齢者講習を受講することで交付されるもので、座学、運転適正検査、運転講習などで構成されています。

つまり免許更新までに高齢者講習を運転免許試験場か、自動車教習所で受講する必要があります。高齢者講習は誕生日の5ヶ月前から誕生日の1ヶ月後(満了日)まで受講することが可能です。

なお免許更新期間の満了日の年齢が75歳以上の方は、高齢者講習を受講する前に認知機能検査を受けなければいけません。認知機能検査とは、記憶力や判断力の低下があるかを簡単な質問で計測する検査です。
認知症などに診断されると運転免許の取り消しなど行政処分があります。

交通安全協会費

運転免許証更新時に、「交通安全協会」への入会と会費を、求められたことがあるのではないでしょうか?

会費を支払った方は交通安全協会に加入したことになります。多くの方は義務的に支払われていますが、交通安全協会への加入は任意のため必ず加入する必要はありません。

交通安全協会には8つの事業があり、

・交通安全国民運動中央大会の開催
・交通安全運動の共催
・交通安全年間スローガン、交通安全ポスターデザインの募集と普及
・反射材の普及促進
・ハンドルキーパー運動の推進
・交通安全ファミリー運動の推進
・交通安全アクションへの参画
・交通安全広報の推進

などを行っています。

免許証更新時の更新時講習や、講習で手渡される「安全運転のしおり」や「交通教本」といったテキストも交通安全協会が発行しています。

交通安全協会費は、都道府県の交通安全協会によって異なりますが、年間およそ300円〜500円ほどで更新年数分の費用が必要です。

例えば有効期間が5年間の免許証をお持ちの方は、会費(300円〜500円)×次回更新までの有効期限(5年間)=約1,500円〜2,500円の会費が必要です。

更新場所と更新時間

更新にかかる時間は講習内容によって異なり、

・優良運転者講習
5年以上免許を継続所有し、無事故無違反の場合に受講となる。
講習時間は30分。

・一般運転者講習
5年以上免許を継続所有し、違反点数が3点以下の違反が1回の場合に受講となる。
講習時間は1時間。

・違反運転者講習
複数回交通違反をしていたり、ケガを伴う事故を起こした場合に受講となる。
講習時間は2時間。

・初回運転者講習
免許所有期間が継続して5年未満の人で、無事故無違反、軽微な違反1回のみの場合に受講となる。
講習時間は2時間。

となります。

免許証更新当日の流れ

ここまでは免許証更新前の準備でしたが、免許更新当日の流れを見ていきます。
免許更新は混み合うことが多いため事前に流れを理解しておくとスムーズにできるでしょう。

受付

更新会場に到着したら受付窓口で受付をします。

受付では、自宅に届いた通知ハガキ(運転免許証更新連絡書)と今まで使用していた免許証を提示します。

この際に氏名や住所、本籍地の変更がないか確認されますので、変更があった方は申し出ましょう。

書類に記入をする

受付で受け取った書類を記入します。基本的な記入事項は日付・氏名・住所・電話番号などです。

また4桁2組の暗証番号を数字のみで記載します。運転免許証のICチップを読み取るための暗証番号で、記載する数字は誕生日や電話番号は避けましょう。前回記載した暗証番号を忘れていても問題ありません。更新手続きのときには以前記載した暗証番号を使うことはないので、新たな番号を記入すれば大丈夫です。

申請書裏面の質問票は、病気の症状など健康面の申告欄になります。すべての質問に「はい」「いいえ」のどちらかにチェックし記載日、署名をします。

健康面の申告により自動車等の安全な運転に支障があるかどうかを個別判断し、問題ありと判断されると医師の診断、診断書の提出まで免許証の更新を保留されることがあります。

また保留されると困るからと質問票に虚偽の申告をした場合には罰則(1年以下の懲役または30万円以下の罰金)が科せられますので注意が必要です。

支払い

更新にかかる手数料をここで支払います。この金額は通知ハガキ(運転免許証更新連絡書)に記載してありますので、事前に準備しておきましょう。

この支払いの際に交通安全協会への入会、会費の支払いをお願いされます。交通安全協会費はあくまで任意ですので、加入しなくても免許の更新に問題はありません。

中には当たり前のように手数料と会費の合計金額を伝えられてしまった方もいるようですので、きちんと手数料がいくらか確認しておきましょう。手数料分の金額しか用意しておかないのも一つの手です。

視力・聴力検査

視力・聴力の検査があります。

運転に必要な視力は両眼で0.7以上、片目がそれぞれ0.3以上の両方の条件を満たしていることを確認する検査と、信号機の色がしっかり分かるかの色覚検査が視力検査です。

聴力検査は両耳の聴力が10メートルの距離で、91dBの警報器の音が聞こえることを確認します。

写真の撮影

視力・聴力の検査で問題がない場合、購入した手数料分の収入証紙と今まで使用していた免許証を窓口に渡します。このときに住所変更、記載事項に変更がある場合は、住民票など確認ができる必要書類を一緒に提出しましょう。

その後、登録された申請書を受け取ります。申請書の内容に誤りがないか確認しましょう。

その後、写真撮影になります。警察署での更新の場合は事前に撮影した写真を提出することも可能ですが免許センターでの更新の場合、その場で撮影することになります。
基本的に流れ作業になりますので、基準を満たしていないなどの理由以外で再撮影は行われません。
また、免許証が完成するまで撮影された写真を確認することもできないため、服装や髪形などの身だしなみが気になる方は事前に整えておくと良いでしょう。

講習を受講

講習内容は免許の区分それぞれに対応した法定講習が行われます。

・優良運転者講習
道路交通法の改正などのテーマを中心とした講習が30分行われます。

・一般運転者講習
道路交通法の改正や運転者としての資質向上と、安全運転のための知識などをテーマにした講習が1時間行われます。

・違反運転者講習
道路交通法の改正や運転者としての資質向上、安全運転のための知識などをテーマにした講習が2時間行われます。

・初回更新者講習
初回更新者講習は違反者講習とおなじです。

免許証の受けとり

免許証の受け取りは講習を受けた教室で行われることが多いですが、交付窓口で受け取る施設もあるので係員の指示に従いましょう。

新しい免許証を受け取ったら、その場で記載内容をよく確認してください。

ここまでが免許証更新の手続きです。

運転免許の有効期間

新たに発行された免許証の有効期間が、3年の方と5年の方に分かれます。

この区分の差はなんなのでしょうか?

5年になる場合

有効期間が5年となるのは以下の場合です。

・5年以上無事故無違反の場合
5年間以上運転免許を継続して所有し、かつ無事故無違反の場合、運転免許証の区分は優良運転者となり、運転免許証の帯の色はゴールドとなります。なお、70歳の優良運転者の有効期間は4年となり、71歳以上の有効期間は3年です。

・5年以上軽微な違反が1回のみの場合
5年以上運転免許証を継続所有し、かつ軽い違反(違反点数3点以下)が1回のみの場合も、運転免許の有効期間は5年です。
運転免許証の区分は一般運転者となり、運転免許証の帯の色はブルーです。なお、一般運転者も70歳の有効期間は4年となり、71歳以上の有効期間は3年です。

3年になる場合

有効期間が3年となるのは以下の場合です。

・複数回違反をした場合
複数回違反をしていたり、ケガを伴う事故を起こしたりした場合、運転免許証の区分は違反運転者となり、運転免許証の帯の色はブルーです。

・免許所有期間が5年未満で無事故無違反などの場合
免許所有期間が継続して5年未満で、かつ違反や事故の有無が上記の違反運転者に該当しない場合、運転免許証の区分は初回更新者となり、運転免許証の帯の色はブルーです。

・運転免許初心者
運転免許を初めて持つ場合は、免許の有効期間は3年です。
運転免許の区分は新規取得者となり、帯の色はグリーンです。

過去に違反があった場合の免許証更新について

軽微な違反であっても、過去5年間に2回以上あると更新時講習が違反者講習になってしまいます。例えば、停止線があるのに一時停止をしなかった場合や、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているのに進んでしまった場合。このふたつが過去5年間にあると違反者講習の対象となりますので注意が必要です。

それだけではなく、罰金を支払わなくてはならないケースや、過去3年の累積点数が6点以上となると免許停止(免停)、15点以上で免許取り消しとなってしまう場合も。

違反をすると全て自分に戻ってくる仕組みとなっていますので、そうならないように安全運転を心がけたいですね。

免許証更新のハガキが来たが免許証が見つからない、そんなときは

運転免許証は持っているけど普段必要のない方は、自宅で保管されていることもあるのではないでしょうか。

免許の更新ハガキが届いたから免許証を探してみたらみつからない、免許証をどこかに入れておいたつもりが見つからないなど、免許証を紛失してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
免許証を紛失した場合には各所に連絡する必要があります。
いろいろと手続きが必要になりますので、各所の指示に従うようにしましょう。

ちなみに免許の更新ハガキを紛失してしまった場合は、免許証更新手続き場所の受付窓口で「通知ハガキを持参していない」ことを伝えれば更新手続きを行うことができます。

警察へ「遺失物届」を提出

運転免許証を無くしたらまず警察へ「遺失物届」を提出しましょう。

これにより、見つかったときにすぐ連絡がもらえ、もし他人に悪用され事件になったとしても「自分はこの時には遺失物届けを提出済みで、事件とは関係ない」と主張することができます。

遺失物届けを提出する際に、いつ、どんな状態で紛失したのかを聞かれるので、あらかじめ自分の中で情報を整理しておきましょう。

信用情報機関へ申告

運転免許証は身分証明書としても利用されるので、借金や高額取引に悪用される可能性もあります。

悪用される危険性を少しでも減らすために、信用情報機関にも運転免許の紛失を連絡しておくと安心です。

※信用情報機関とは消費者がクレジットカードの発行、ローンの手続きする際、その人の信用力を判断するため、企業に信用情報を提供する機関です。

運転免許証の再発行

運転免許証の再発行には本人が手続きを行う必要があります。

住所を所轄する警察署でも再発行手続きを行うことができますが、発行されるまでに数日〜2週間程度の時間がかかる場合があるので、急いでいる場合は運転免許試験場や運転免許センターで手続きすることをお勧めします。運転試験場、運転免許センターであれば30分〜1時間程度で再発行されます。いずれの場合も手続きの受付時間や、必要な物を事前にHPや電話などで確認しておきましょう。

気をつけなければならないのは、再発行されるまでは運転することができない点です。いくら再発行してもらうためとはいえ言い訳は通用しません。無免許運転にはなりませんが、免許不携帯で反則金を納付する必要がありますので、再発行手続きを行う際には公共交通機関を利用するか家族に送迎してもらいましょう。

まとめ

運転免許の更新について解説してきましたがいかがだったでしょうか?

要点をまとめると以下のようになります。

①免許証の有効期間満了日前、誕生日の前後1ヶ月の2ヶ月間の間免許の更新手続きを行える。
②免許証の有効期間は違反歴や免許の所有歴によって異なる。
③軽微な違反の積み重ねでも免許停止の処分になる。
④免許の取り消しになると最低1年間は免許の再取得ができない。
⑤免許を紛失してしまった場合はすぐに警察や信用情報機関に連絡する。

運転免許証は車を運転する上で必ず必要になるものです。
免許の更新を忘れたり、違反によって免許の停止や取り消しになるようなことが無いようにした上で楽しいカーライフが過ごせるように応援しています。

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