カーライフ
更新日:2020.11.10 / 掲載日:2020.11.10
【グー連載コラム】永福ランプのマニアック車パトロール隊 (2020年11月)
【今回のマニアック車】 ホンダ HR-V

昨今、SNSの普及により、昔の恋人に出会ってしまう事案が多々発生しているという。このHR-Vを見た瞬間、全身にビビビと電気が走り、それらと同様の衝動を感じてしまったのです。
取締り理由「元カノに再び会ってしまった衝動」
カーマニアはカーマニアだけに、マニア心に刺さったクルマのことは一生忘れない。自分の元愛車じゃなくても、元カノや元カレみたいなものである。
ホンダHR-Vは、私にとって元カノ。忘れられない存在だ。何が忘れられないかって、そのシンプルでクリーンなデザインだ。なかでも最初に登場した3ドアモデルは、本当にスタイリングが清楚だった。アイドルでいえば早見優というところか。
早見優……じゃなくてH-RVが登場したのは98年。私はその時開催されたニューモデル試乗会で、たった一度乗ったきりだが、以来ずっと心の中に密かな想いを抱いてきた。
その元カノが、突如目の前に現れたのである。知人のカメラマン池之平氏が、突如HR-Vに乗って登場したのだ!
私「このクルマ、どうしたの!?」
池之平「あー、代車です」
代車でHR-V! なんというマニアックな代車だろう。なにせ早見優だ。私はコーフンした。
あれから22年経ってはいるが、その美貌はいささかも衰えておらず、清楚なアイドルのままだった。惜しむらくは5ドアだったこと。真の早見優は3ドアなのである。しかしそこまで言うのはゼイタクだろう。
なにせ知り合いが乗ってきたクルマだけに、頼んで試乗させてもらうことにした。22年前は、「走ったらなんてことないなぁ」と思ったが、今乗ると「こんなにスムーズでいいクルマだったのかぁ!」と感動した。しかもその個体は希少な5速MT。22年前の10倍はすばらしく思えた。
グーネットで検索してみると、HR-Vの流通台数は全国でわずか7台。相場は16万円から59万円とこなれていた。7台のうち、MTは2台、3ドアは3台。究極の組み合わせである「3ドアのMT」も、1台だけ存在した。
そろそろ早見優をゲットする、ラストチャンスかもしれない。
経歴
1998年 新発売
90年代に「クリエイティブムーバー」と呼ばれる、新ジャンルのモデルが次々に登場。HR-Vも若者向け小型SUVとして登場したが、時代が早かった?
1999年 5ドア追加設定
ホイールベースと全長を100mm伸ばした5ドアモデルを追加。当初から予定されていたことなのか、3ドアの人気が振るわなかったからなのか……。
2001年 マイナーチェンジ
前後バンパーに新デザインが採用され、価格据え置きのまま、装備の充実化も図られる。高出力のVTECエンジンを搭載するFF車「JSタイプ」も設定。
2003年 マイナーチェンジ
2度目のマイチェンで、フロントスポイラーや石目調インパネなどが採用され、スポーティさを強調。清楚の極みであった3ドアモデルが廃止される。
2005年 生産終了
フルモデルチェンジの噂が聞かれないまま、05年中に生産終了。翌年、在庫が完売したことで販売終了となる。時代の波に乗れず、ブームも作れなかった。
マニアック指数 88点

グーネット掲載車価格帯 16万から59万円
98年から05年まで生産されたホンダの小型クロスオーバーSUV。日本では不人気だったが、そのヨーロピアンなスタイルゆえ、ヨーロッパではかなりのヒットとなった。今でもこのクリーンなデザインのファンは少なからずいる……と推察される。
ピピーッ! 取り締まります
ピピーッ! 取り締まります
自動車評論家 永福ランプ
かつて(今も)清水草一、以前はMJブロンディ、そして現在は永福ランプと名乗る。カーマニアを自称し、街中を走るマニアック車を見つけ出すことに老後の楽しみを見つけた。
(掲載されている内容はグー本誌2020年12月号の内容です)※中古車価格はグーネット 2020年10月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。