カーライフ
更新日:2020.06.29 / 掲載日:2020.06.29
運転しない自動運転は飲酒OK?自動運転のレベルと問題点

グーネット編集チーム
自動運転の実用化が進んでおり、運転という概念がなくなるかもしれない未来が近付いています。車の運転が不要になれば、「車に乗りながらお酒が飲めるのでは?」と考える方も少なくないでしょう。
自動運転には、車に備わっている技術ごとに定義されている「自動運転レベル」というものが存在します。自動運転時の飲酒の可否については、その自動運転レベルが関係してくるのです。
今回は、自動運転のレベルを踏まえ、飲酒の可能性と自動運転が抱える問題点について解説していきます。
自動運転の定義を把握しよう
車に備わる自動運転の技術は、以下の1~5の段階のレベルに分けられ、それぞれ定義付けされています。
・レベル1【運転支援】
自動ブレーキに加え、先行車の距離を一定に保つスピード調整(ACC)、横方向のハンドル操作の補正(LKAS)、このいずれかをサポートします。
・レベル2【部分運転自動化】
特定条件下において、自動ブレーキと自動運転レベル1の技術を備えるものです。
・レベル3【条件付自動運転】
運転操作は自動運転システムが実施し、緊急時のみドライバーが対応する必要があります。
・レベル4【特定条件下における完全自動運転】
高速道路などの特定条件下で、自動運転システムがすべての運転操作を行います。
・レベル5【完全自動運転】
場所や道路の制限がないうえに、ドライバーが運転する概念がすべてなくなります。
自動運転における飲酒
2020年時点において実用化されている自動運転レベルの解説を踏まえ、飲酒運転が可能になるレベルを紹介します。
現時点のレベルでは自動運転中の飲酒は不可
2020年現在、実用化が進んでいる車はレベル3です。レベル3ではシステムの不具合などで運転操作が困難になった場合、ドライバーが運転操作を代わる必要があります。飲酒状態では緊急時に対応できないことから、自動運転中の飲酒は原則として認められていません。
ただし、レベル3ではハンドルを握る必要がなくなるため、スマートフォンの使用やテレビの視聴は可能です。
飲酒が可能になるのはレベル4から
乗車中の飲酒が可能になるのは、緊急時の対応が不要になるレベル4以降です。レベル4から運転操作が完全になくなるため、車を運転するというよりも、移動する乗り物に乗る、という概念に近くなります。レベル4が実用化された場合、飲酒はもちろん、仮眠も可能になるとされています。
自動運転レベル3の課題点

グーネット編集チーム
自動運転レベル3は実用化が進んでいますが、いくつかの課題点があることも事実です。
緊急時はドライバーが運転操作を交代しますが、万が一の事態に備えて、緊張感を保ち続けることが難しいという指摘があります。
過去に起きた事故事例では、レベル3の自動運転車で走行中、緊急時の警告を何度も出していたにも関わらず、ドライバーが運転操作を怠ったことで衝突事故が発生しています。自動運転の慣れから油断が生まれ、重大な事故を招いてしまう恐れがあるという課題点が浮き彫りになったといえるでしょう。
このような課題点を解消する取り組みとして、ドライバーを監視するシステムの技術開発が進んでいます。例えば、ドライバーの視線や頭の位置、目の瞬きをデータ化して、目を閉じたと判断すると警告する技術や、赤外線カメラによる顔解析で居眠りや脇見を検知するといった技術です。監視システムの導入が進めば、自動運転車の危険性も軽減されるでしょう。
まとめ
自動運転には1~5の「自動運転レベル」があり、飲酒が可能になるのはレベル4以降です。2020年現在で実用化が進んでいるのはレベル3に留まるため、飲酒ができるのはまだまだ先の話になると考えられています。
とはいえ、レベル3の技術が備わっている車において、レベル2以下で行うと違反行為となるスマートフォンの使用やテレビの視聴は可能になります。
その一方で、緊急時に備えて緊張感を維持する難しさが指摘されています。
ドライバーの顔を監視するシステムの技術開発が進んでいるのは確かですが、過去の事故事例を踏まえ、自動運転の危険性は理解しておく必要があるでしょう。