カーライフ
更新日:2022.10.12 / 掲載日:2020.06.09

車を1ナンバーにする条件とは?維持費の違いや3ナンバーからの変更方法

1ナンバー車の条件とは?保険や車検費用・3ナンバーとの違いを解説
グーネット編集チーム

 ナンバープレートに記載された番号の中には、車種を識別するためにも利用される「分類番号」と呼ばれるナンバーも含まれています。

 分類番号は、一般的にその分類ごとに「1ナンバー」「3ナンバー」などと呼ばれており、1ナンバーは他のナンバーに比べて維持費が安くなることから、3ナンバーから1ナンバーに変更する方も少なくありません。その際、1ナンバーに変更する条件や、実際に維持費がどれくらい変わるのかを確認する必要が出てきます。

 今回はその1ナンバー車の概要と維持費、3ナンバーから1ナンバーへの変更する場合の方法とデメリットについて解説します。

1ナンバーの車とはどのような車?

 ナンバープレートの右上にある数字を「分類番号」といい、1ナンバーとは、分類番号の最初の数字が「1」から始まる車のことです。

 また、1ナンバーは、大型トラックなど貨物用の普通車(普通貨物自動車)であることを指します。

 なお、3ナンバーの大型SUVやワゴン車でも、普通貨物自動車の条件を満たせば1ナンバーに変更することが可能です。1ナンバーに変更することができる車両の条件は以下の内容になっています。

・車両が長さ4.70m、幅1.70m、高さ2.00m、排気量2,000ccを超える
・荷物を載せる場所の床面積が1平方メートル以上
・座席部分より荷物を載せるスペースのほうが広い
・乗車定員の重量が荷物の積載可能重量よりも軽い
・荷物の積卸口が縦横80cm以上ある(トラック以外)
・荷物を載せる場所と人が乗る席の間に壁や保護仕切りがある
※参考:国土交通省「自動車の用途等区分について」より作成

 ちなみに大型SUVやワゴン車を1ナンバーに変更した場合は、変更後も普通自動車免許で運転することができます。ただし、車両総重量、最大積載量、乗員定員などの条件があるので確認が必要です。

1ナンバーと3ナンバーの車の維持費の違い

1ナンバーと3ナンバーの車の維持費の違い
グーネット編集チーム

 3ナンバーの大型SUVやワゴン車を1ナンバーに変更した場合、税金や保険などの維持費に違いがあるか見ていきましょう。

重量税の違い

 車検ごとに支払う重量税は、車両重量に応じた金額が課税されます。金額はナンバーによっても異なり、3ナンバーのワゴン車(車両重量2トン)の場合は約5万円かかりますが、1ナンバーになると約8,000円と大幅に下げることが可能です。

 ただし、1ナンバーは1年ごとに車検が必要になるため、支払う回数が増えることを心得ておきましょう。

自動車税の違い

 毎年5月に通知が届く自動車税は、3ナンバーと1ナンバーで金額を決定する基準が異なります。3ナンバーは総排気量のみで税額を決めますが、1ナンバーは最大積載量と排気量に加え、乗車定員でも税額が変わる仕組みです。

 排気量2リットルのワゴン車を例にすると、3ナンバーでは年3万9,500円のところ、1ナンバーの場合、4人乗り未満の車両で年1万1,500円、4人乗り以上の車両で年1万9,500円となります。エコカー減税が適用になると翌年度分がおおむね50%~75%減税されるため、より大幅に維持費を抑えることが可能です。

車検費用の違い

 車検は重量税や自賠責保険などの他に、整備費用や印紙代、事務手数料などがかかります。1年ごとに車検を実施しなければならない1ナンバーは、車検が2年に1回の3ナンバーと比べて、車検費用が2倍近くになることも留意しておかなければなりません。

 ただし、1ナンバーは重量税と自動車税で優遇されていることから、総合的に見ると維持費自体は3ナンバーよりも安くなります。

自動車保険の違い

 自賠責保険の場合、1ナンバー(最大積載量2トン以下)は2年契約で3万5,330円です。3ナンバーは2年契約で2万1,550円となるため、1ナンバーのほうが高くなります。※金額は2020/06/09時点のものです。

 一方、任意保険の場合、1ナンバーは貨物自動車で事業用扱いになるため、3ナンバー(普通車)よりも保険料が高い傾向にあるようです。

また、任意保険において1ナンバーは次のような制限がかかる可能性もあります。

・等級の引き継ぎができない
・盗難が多い人気の車種は車両保険を付けられない
・保険料が安いダイレクト型は1ナンバーの加入が難しい

 対応は保険会社によって異なりますので、保険に加入する前に確認しておきましょう。

1ナンバーの車への変更方法とデメリット

 3ナンバーから1ナンバーに変更するための構造変更と、1ナンバーの変更にともなうデメリットを紹介します。

1ナンバーの条件を満たすため構造変更が必要

 乗用車として造られた車を1ナンバーに変更する場合、以下の構造変更が必要です。

・3列目のシートを外してトランクスペースを広くする
・2列目のシートをリクライニング不可にする
・保護間仕切りを設置する

 自動車税をより安くしたい場合は、2列目シートを外して乗車定員を4人以下にする方法もあります。構造変更にともなう工事費用も必要になるため、整備工場などにあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

1ナンバーに変更するデメリット

 1ナンバーに変更するデメリットは、構造変更の工事費用がかかる、高速料金が高くなる、車検の回数が増えることなどが挙げられます。

 構造変更をする際は車検を受ける必要があり、構造変更の検査料も別途必要となります。

 そして、特に注意が必要なのは、1ナンバーは高速道路の料金が「中型車扱い」になることです。利用道路によって異なりますが、普通車の3ナンバーと比較すると2割ほど高くなるうえに、中型車は休日割引の適用外になります。普段から高速道路を頻繁に利用する方は、3ナンバーのままのほうが結果的に維持費を抑えられるかもしれません。

まとめ

 大型SUVやワゴン車のような大型車は、3ナンバーから1ナンバーに変更して、重量税と自動車税を安くすることが可能です。一方で、車検を1年ごとにおこなう必要があったり、自賠責保険や任意保険、高速道路の料金が3ナンバーよりも高かったりする面もあります。

 3ナンバーから1ナンバーへの変更を検討する際は、維持費だけに注目するのでなく、構造変更の工事費用や自動車保険の見積もり、高速道路を使う頻度といった点も考慮するようにしましょう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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