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更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09

高速道路上での煽り運転の罰則は?対処法についても確認!

高速道路上での煽り運転の罰則は?対処法についても確認!

グーネット編集チーム

昨今、社会的な問題として連日ニュースでも取り上げられている「煽り運転」。特に、高速道路上での煽り運転が死亡事故や暴行事件につながった例が大きく報道され、厳罰を求める声が多く上がりました。

そのような状況のなかで、2020年より新たに煽り運転に罰則を設けることが閣議決定されました。今回の記事では、道路交通法の改正案に盛り込まれている高速道路上での煽り運転への罰則や、他の車による煽り運転を受けたときの対処法を解説します。

高速道路での煽り運転と罰則

道路交通法の改正案で規定されている「煽り運転」には、以下のような行為が含まれます。

・通行妨害を目的として車間距離を詰める
・前方に割り込み急ブレーキをかける
・無理な割り込みや幅寄せをおこなう
・高速道路上で停車する

現在の改正案が承認されて道路交通法が改正された場合には、上記のような行為をした場合、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられます。また、上記のような行為によって衝突事故が発生したり、高速道路上で後続車を停車させたりした場合には、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられます。

現行の道路交通法には煽り運転そのものについての規定がないため、煽り運転を取り締まる際には「車間距離不保持」などが適用されています。煽り運転による事件や事故が増えたことを受けて、警察は近年、摘発を強化しています。2018年に摘発強化の指示があり、2019年の取り締まり件数は15,065件と、ここ3年間で2.1倍にまで増えているのです。

現行の道路交通法に規定されている違反内容のうち、煽り運転に適用されるものは、主に以下の7つです。

車間距離不保持違反(道路交通法26条)

前の車に接近し、危険を回避できる十分な車間距離を確保していない状態を指します。一般道では違反点数1点、反則金6,000円、5万円以下の罰金が科せられます。

高速道路では違反点数2点、反則金9,000円、3年以下の懲役または5万円以下罰金が科せられます。

急ブレーキ禁止違反(道路交通法24条)

危険を回避することを目的としない不必要な急ブレーキをかけることを指します。違反点数2点、反則金7,000円、3年以下の懲役または5万円以下罰金が科せられます。

進路変更禁止違反(道路交通法26条の2第2項)

後方を走行する車が、急ブレーキや急ハンドルによって回避しなければならないような車線変更をおこなうことを指します。違反点数1点、反則金6,000円が科せられます。

追い越しの方法違反(道路交通法28条)

右車線から左車線に移動して前を走る車を左側から追い抜き、再び右車線に戻ることを指します。違反点数2点、反則金9,000円、3年以下の懲役または5万円以下罰金が科せられます。

減光等義務違反(道路交通法52条第2項)

ほかの車の通行を妨げる目的でハイビームをし続けることを指します。違反点数1点、反則金6,000円が科せられます。

安全運転義務違反(道路交通法70条)

道路交通法70条第1項によって、すべてのドライバーには「周りの走行状況に応じて他者に危害を加えないように、車のハンドルやブレーキなどを正しく操作し手運転しなければならない」と定めています。
正しい状況判断、運転操作をしていないと見なされれば「安全運転義務違反」に該当します。

煽り運転では、無理な幅寄せなどがこれにあたります。違反すると、違反点数2点、反則金9,000円、3年以下の懲役または5万円以下罰金が科せられます。

初心運転者等保護義務違反(道路交通法71条第5号の4)

初心者等保護義務違反は、「初心者マーク」「身体障がい者マーク」「聴覚障がい者マーク」「高齢者マーク」などを掲示している車両に対して、幅寄せや車間距離不保持等の煽り運転行為をすることを指します。
違反に該当すると違反点数1点、反則金6,000円が科せられます。

その場で免許停止・取り消しになることも(道路交通法103条第1項第8号)

道路交通法103条第1項第8号には「免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」に「住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、または6ヵ月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。」とあります。

また、過去3年間の違反累積点数が6点を超えた場合は免許停止、さらに違反累積点数が15点を超えた場合は免許取り消しとなります。

高速道路で煽り運転を受けたときの対処法

高速道路を走行中に煽り運転を受けてしまったとき、どのように対処するのが最善なのでしょうか。
以下に、煽り運転を受けたときの対処方法を挙げますので、参考にしてください。

道を譲り追い越しを促す

最も迅速に煽り運転から逃れる方法は、道を譲ることです。

煽り運転の多くは、追い越し車線(右車線)を走行し続ける車に対しておこなわれています。走行車線(左車線)の車を追い越すために追い越し車線に出たまま、走行車線に十分なスペースがあるのに戻らないのは「通行帯違反」にあたります。そのうえ、自分よりも速く走りたい後続車に煽られてしまう可能性が上がります。

追い越し車線を走っていて「自分よりも速い車が来たな」と思ったら、「煽られている!」と思う前に車線変更をして道を譲りましょう。

パーキングエリアやサービスエリアに入る

煽り運転のターゲットにされそうになったら、最寄りのパーキングエリアやサービスエリアに入りましょう。道を譲ってもなお車線変更や割り込みをしてくるようであれば、そのまま走行を続けるよりもパーキングエリアやサービスエリアに逃げ込むほうが安全です。

慌てずに安全運転を優先する

「煽り運転を受けている」と感じると、焦りや恐怖心から、つい逃げ切ろうとしてスピードを上げるという方も少なくないでしょう。

しかし、煽っている側は「逃げられると追いたくなる」ものです。仮に煽っている側に自覚がなかったとしても、急に前や横を走行する車が自分から逃げるようにスピードを上げたら「ケンカを売っているのか?」と思われる可能性も十分にあります。

煽られているかもしれないと感じても、慌てず動じずいつもどおりの安全運転を心がけてください。そのうえで、道を譲る、パーキングエリア・サービスエリアに入るなどの対処を取りましょう。

高速道路で煽り運転を避ける対策法

高速道路で煽り運転を避ける対策法

グーネット編集チーム

煽り運転の多くは、「急いでいるのに前の車が遅くてイライラしていた」「(自分が煽るよりも先に)無理な車線変更をされた」などのきっかけで始まります。こうしたことをあらかじめ知っておけば、煽り運転を受ける可能性が減ります。

煽り運転を避けるには、以下のような対策をしましょう。

無理な車線変更はおこなわない

高速道路はおおむね片側2車線以上となっています。煽り運転を避けるには、基本的に一番左側の走行車線を利用するように心がけましょう。

やむを得ず前の車を追い越す際は、追い越し車線の後方に安全な車間距離を確保できているかをしっかりと確認してから車線変更をおこないます。

そのまま追い越し車線を走り続けることは避けましょう。追い越しが完了したら、安全な車間距離を確保したうえで速やかに走行車線に戻ってください。

ドライブレコーダーを設置する

煽り運転が増えると同時に、ドライブレコーダーが急速に普及しました。ドライブレコーダーの映像は、万が一煽り運転の被害に遭ってしまったり、事故に遭ってしまったりした際の証拠映像として提出できます。

最近では前方だけでなく、車の後方や車内も同時に録画できる製品が増えています。

ドライブレコーダーを設置して運転中の映像を残しておくことで、煽り運転の被害を録画できるとともに、「自分の運転を記録している」という緊張感から、より安全運転を心がけられるようになるでしょう。

まとめ

今回は、煽り運転のなかでも「高速道路での煽り運転」に焦点を当てて解説してきました。煽り運転による罰則には一般道と変わらないものも多いですが、車間距離不保持違反に関しては、高速道路上のほうがより重罰となります。

高速道路では車が走るスピードも速く、万が一煽り運転が原因で事故が起きれば非常に危険です。自分が煽る側にならないのはもちろん、煽られた際にも本記事を参考にして冷静に対処してください。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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