カーライフ
更新日:2019.12.16 / 掲載日:2019.12.16
クルマの任意保険の補償内容とは?特約は付けた方がいい?
グーネット編集チーム
クルマを運転する際に、どれだけ安全運転を心掛けていても、事故に巻き込まれてしまう可能性はゼロではありません。万が一の事故に備えて必要なのが自動車保険です。
自動車保険は大きくわけて、自賠責保険と任意保険の2つに分類されます。自賠責保険への加入は、自動車損害賠償補償法により全てのクルマの所有者に加入が義務付けられている一方で、任意保険の加入は自由であり、加入しなくてもクルマを運転することができます。
任意保険への加入は義務ではありませんが、しかし、自賠責保険の補償では賄えない部分があるため、任意保険が存在していると考えることもできます。
そこで今回は、クルマの任意保険についての基本的な知識として、任意保険の補償内容の種類や特約について解説します。
クルマの任意保険の補償対象とは?
任意保険の補填対象は、大きく3つに分けることができます。
・相手方への補償
・自分と同乗者への補償
・自分のクルマへの補償
3つの任意保険の補填対象をみると、任意保険とは自分自身と周囲の人を守るための保険であることがわかります。クルマを運転する以上、事故のリスクはゼロにはなりません。
だからこそ万が一のときのため備えておくことは、非常に重要なことだと言えます。
しかし、せっかく任意保険に加入していても、補償対象を理解せずに手続きが適切に行われなければ、補償を受けることはできません。
そのため、少なくとも自身が加入している保険の補償対象や手続きについて理解しておくようにしましょう。
任意保険の主な補償内容とは?
自賠責保険では補えない補償とは、どのようなものがあるのでしょうか。任意保険の補償内容についてチェックしていきましょう。
相手方への補償
自賠責保険でも相手方への補償はされますが、範囲が狭く定められています。
人身事故の損害では120万円まで、死亡時は3,000万円までとなっており、これを超えると全て自己負担となってしまいます。
そこで、任意保険に加入していると補償の範囲を広げることができます。相手方への補償は、対人賠償保険と対物賠償保険の2つがあります。
・対人賠償保険
対人賠償保険は、他人を死傷させてしまった場合、損害賠償や治療費などを補償します。限度額がある自賠責保険とは異なり、保険金額が無制限の任意保険もあります。
・対物賠償保険
対物賠償保険は、事故で壊してしまった「他人の物」を補償するための保険です。事故相手のクルマはもちろんのこと、塀や家屋、ガードレールや電柱なども対象となります。
自分や同乗者への補償
クルマで事故を起こしてしまった際に、死傷リスクを負うのは、相手方だけではありません。事故の規模によっては、自分や同乗者もケガをしたり死亡したりするリスクがあります。
このような場面で活用できるのが、自分や同乗者への補償であり、人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険、自損事故保険、無保険車傷害保険があります。
・人身傷害補償保険
人身傷害補償保険は、自動車事故で死傷したときのための保険です。自分自身がドライバーであるときはもちろんのこと、歩行していて事故にあった場合も対象となります。
・搭乗者傷害保険
搭乗者傷害補償保険は、保険に加入しているクルマに搭乗している人を補償対象としています。搭乗中の死傷に対して、保険金が支払われます。
・自損事故保険
自損事故保険は、事故の相手がいるわけではなく、自損事故を起こしたときに活用できる保険です。例えば、単独のスリップ事故で自分や搭乗者に死傷者が出た場合に、補償を受けることができます。
・無保険車傷害保険
無保険車傷害保険は、事故の相手方が充分な保険に加入しておらず、補償を受けられない場合のための保険です。該当する保険に加入しているクルマを運転している、もしくは搭乗している人が、死亡または後遺障害を負ってしまった場合に、補償を受けることができます。
自分のクルマへの補償
自動車事故が起きたときには、自分自身のクルマが破損したり、使えなくなってしまったりすることもあるでしょう。相手のクルマについては、対物賠償保険で対応できるものの、自分のクルマについては補償を受けることはできません。事故車の修理費用や、新たなクルマの購入費用がかさむことも考えられます。
このような場面に備えられるのが、車両保険です。事故や盗難で自分自身のクルマに損害が発生した場合に、補償を受けることができます。自損事故や自然災害、当て逃げなどのトラブルにも対応しており、自分のクルマを守ることにつながります。
このように任意保険が補償対象とする範囲は非常に広く、安心・安全のカーライフを守るために、非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。もちろん任意保険の加入は義務ではありませんから、これらの保険の中から、自分にとって必要な補償対象を選択して契約しましょう。
任意保険で特約を付けるメリット
グーネット編集チーム
クルマの任意保険には、さまざまな特約が用意されています。特約とは、いわばクルマの保険のオプションのようなものです。
自分に必要な特約を選択し、補償内容をアレンジすることで、ドライバーそれぞれのニーズを満たすことができます。
特約を付けるメリットとしては、基本の保険の補償内容だけではカバーしきれないような点にも、対応できるという点が挙げられます。
例えば、以下のような特約は、多くのドライバーのカーライフを支える人気メニューとなっています。
・対物超過特約
相手方のクルマの修理費が、相手方のクルマの時価額を超える場合の補償
・他者運転特約
自分のクルマ以外のクルマを運転中に事故を起こした場合に、自分の保険で対応できるようにする特約
・弁護士費用特約
自身が事故の被害者になった場合の弁護士費用を補償する特約
・ファミリーバイク特約(原付特約)
125cc以下のバイクを運転中に事故を起こしてしまった際に、クルマの保険で対応できるようにする特約
・個人賠償責任特約
日常生活の中で、家族が偶然の事故により、他者に損害を与えてしまった場合に補償を受けることができます。「子どもの自転車保険」などに別途加入する方も増えていますが、自転車保険の特約でカバーできるケースも少なくありません。
このほかにもさまざまな特約が用意されていますから、それぞれの内容を把握した上で、自分に合うものを選択してみてください。
特約は、あくまでも「ベースの保険のオプション」であり、特約のみでの契約はできませんが、上手に特約を活用することで、保険料の節約につなげることができます。
例えば、ファミリーバイク特約をセットにすれば、別途でバイク向けの保険に加入する必要はなくなります。
クルマの任意保険に加入する必要性・重要性とは
クルマを運転するのであれば、自賠責保険への加入は義務となっています。しかし自賠責保険で補償される範囲とその金額には、限度があります。
自賠責保険の補償対象は、傷害による損害・後遺障害による損害・死亡による損害の3つで、その支払い限度額は、それぞれ120万円、4,000万円、3,000万円となっています。
それぞれに補償を受けることはできますが、事故の規模によっては自賠責保険の支払い限度額では、補償しきれず自身の資金で支払わなければならない様な事態に陥ることもあり得えます。
また、支払限度額の超過によって生じる問題だけではなく、自賠責保険で補償されるのは、「相手方」のみで自分自身への補償がないということによって問題が生じる可能性があります。
それらの、自賠責保険だけではカバーしきれない金額や対象に対応するために利用されているのが任意保険です。例えば、自分に過失のある事故を起こし、相手を死亡させてしまった場合も、自賠責保険でカバーしきれない分は、限度額無制限で補償できる保険も少なくありません。
クルマを運転するのであれば、自賠責保険だけではなく、任意保険についてもしっかりと検討しておきましょう。
「保険料が高く感じる」というときには、自身の目的を絞り込み、保険料を割安に抑える方法もあります。
クルマに乗るのであれば、まずは「任意保険に加入する」ことを前提にして、自分自身に合うプランを検討してみてください。