カーライフ
更新日:2016.09.23 / 掲載日:2016.08.12
車のターボの種類と特徴やメリット・デメリット
goo-net編集チーム
エンジンをパワーアップする方法として、
古くからターボと呼ばれる排気ガスのエネルギーを使った過給システムがあります。
最近では、エンジンをコンパクトにしてターボでパワーを補うなど、
従来の一部のスポーツカーの使い方とは異なった特徴を持つ車が人気となっています。
ここでは、ターボの種類とそれぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
ターボエンジンとは
ターボエンジンの主たる目的は、出力の向上にあるのですが、
ターボエンジンの特徴と言えるトルク特性から、低回転からアクセルの踏み込み量を減らし、
エコロジーに繋がる運転を支援するバリエーションも見かけるようになりました。
そもそも、ターボとはターボチャージドエンジンの略称で、
車の排気ガスを利用してタービンを回し、強制的に空気を圧縮してエンジンに送り込むことで、
高出力を得る仕組みです。
ターボエンジンの種類とメリット・デメリット
上述の通り、古くはレースカーやスポーツカーなどが、
より出力を得るため利用したのがターボだったのですが、
エコロジーが注目される現在は、
ターボエンジンンの特徴を活かしたバリエーションが多数存在します。
ここでは代表的なターボエンジンの種類を説明いたします。
シングルターボ
■メリット
狙ったエンジン特性を出しやすい。コストが安い。などの特徴があります。
■デメリット
使用するタービンの大きさによって、
ターボ域と言われる回転数に対するエンジン特性を設定します。
タービンが大きい場合、エンジン回転数が低いと過給効率が悪い、
ターボ域から外れるとアクセルに対するレスポンス(ターボラグ)が悪くなるなど、
ドライバビリティの悪化に繋がります。
ツインターボ
シングルターボの弱点を補うために低速域用と高速域用と二つのタービンを使った機構です。
主に最高出力やレスポンスにこだわるレースカーやスポーティカーに使われます。
■メリット
低回転から高回転まで効率よく、過給することができるのでドライバビリティに優れます。
パワーを重視したエンジンマネージメントにより膨大な最高出力を得ることができます。
■デメリット
ターボを二つ使うため、エンジンスペースが狭くなります。
また物理的にコストが高く、車両が高価になる傾向があります。
ロープレッシャーターボ
低圧ターボとも言われ、ターボを低圧で過給することで出力は過度にアップしませんが、
ターボ過給時の燃料消費を抑え、ターボラグも発生しにくいことから、
一時期各メーカーがこぞって採用したシステムです。
■メリット
燃費性能、ドライバビリティに優れ、
排気量の大きな自然吸気エンジンのようなトルクの特性を持っています。
■デメリット
自然吸気エンジンの基本性能が向上し、
ターボシステムを搭載するコストを考慮するとメリットが小さくなりました。
システム上、コストが高い傾向にあります。
ダウンサイジングターボ
最近の流行で、エンジン排気量を小さくして、
その分のエンジン出力を補う発想に基づいて開発されたターボシステムです。
■メリット
エンジンの初期開発段階からトータルシステムとして設計されているので、
単にターボを追加したエンジンとは異なり、燃費特性、出力特性、ドライバビリティに優れます。
世界的に注目されているシステムで従来からの高級車ブランドにも採用が広がっています。
高速道路を巡航する場合などは、特にメリットを感じるシステムと言えるでしょう。
■デメリット
あくまでも、同じクラスの車の自然吸気エンジンとの比較になるため、
過度な出力は発揮しないのが一般的です。
また、市街地走行でストップアンドゴーが多いような場合は、
その特性から省燃費性の恩恵は感じにくいシステムと言えます。
他にもターボの過給効率をアップさせるために、
圧縮空気を冷却するためのインタークーラーを装着するなど、
ターボにはさらに幅広いバリエーションが存在します。