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更新日:2024.09.19 / 掲載日:2024.09.19
2024年、最も不具合指摘が少ない国産メーカーは? 日本自動車初期品質調査 J.D.パワー

CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関のJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区)は9月11日、「J.D. パワー 2024年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study、略称IQS)」の結果を発表した。
スズキが初の総合第1位、ラグジュアリーブランドではレクサスがトップ

ランキング対象となった14ブランド中、最も不具合指摘が少なかったブランドはスズキだった(132PP100、車両100台当たり132箇所の不具合指摘数)。スズキは2011年の調査開始以来初の総合第1位。ラグジュアリーブランドセグメントではレクサス(149PP100)が第1位となった。

セグメント別のランキングでは、総合1位のスズキが軽セダン「アルト」、軽ハイトワゴン「ハスラー」、軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」で1位になった。

「分かりにくい/使いにくい」など、“使い勝手”に対する指摘が大半
2024年調査の総合不具合指摘数平均は152PP100で、2023年(151PP100)から改善が見られず、現在の調査項目になった2021年以降最も不具合指摘が多い。
不具合指摘の内訳は「分かりにくい/使いにくい」をはじめとする車両設計に関する指摘が大半(117.8PP100)であり、「壊れている/作動しない」といった製造品質に関する不具合指摘は31.8PP100にとどまる。分かりにくさや使いづらさは現代の車の品質における大きな課題となっている。
インフォテインメントに関する不具合指摘はさらに増加

不具合指摘を測定する9カテゴリー中、最も不具合指摘が多いカテゴリーはインフォテインメント(31.2PP100)で、前年に比べ2.0ポイント増加。インフォテインメントの不具合指摘はブランド間での差も大きく、最も不具合指摘の少ないブランドでは17.7PP100、最も多いブランドでは97.7PP100と80.0ポイントもの開きがあった。
また、Android Auto/Apple CarPlay装備車両のインフォテインメント不具合指摘は44.7PP100で、非装備車両の21.7PP100に比べ倍以上だった。Android Auto/Apple CarPlayは年々装備率が高まっており、初期品質において看過できない問題となっている。
燃費に関する不具合指摘が増加傾向に
ガソリン/ディーゼル車(ICE)やハイブリッド車(HEV)については、「燃費が悪すぎる」という不具合指摘の微増傾向が続いている。2021年調査と比較すると、ICEでは2021年の2.7PP100から3.6PP100、HEVでは2021年の1.5PP100から2.2PP100となっている。
実際の燃費を聴取した質問では実燃費が悪化する傾向はみられないことから、近年の燃油価格の上昇や物価上昇により、同じ燃費性能でも不具合を感じるユーザーが増えている可能性があると分析している。

このほか、「車線逸脱ワーニング/レーンキープアシスト – 警告がわずらわしい(4.4PP100)」については、継続的に改善傾向にあり、2023年に比べて1.0ポイント、2021年に比べ1.9ポイント不具合指摘は減少している。
調査概要

同調査は、年に一回、新車購入後2~13ヶ月経過したユーザーを対象に、所有する自動車の不具合経験を9カテゴリー225項目について聴取し、自動車の初期品質に関するユーザー評価を明らかにする調査。今回で14回目となる。
全ての不具合項目は車100台当たりの不具合指摘数(Problems Per 100 vehicles = PP100)として集計され、スコアが低いほど不具合指摘が少ない(品質が高い)ことを示す。
9カテゴリーは以下の通り
「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ(FCD)」「運転支援」「インフォテインメント」「シート」「空調」「内装」「パワートレイン」
■実施期間:2024年5月~6月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:新車購入後2~13ヶ月経過したユーザー(18歳以上)
■調査回答者数:21,412
J.D. パワー 公式HP:
https://japan.jdpower.com/ja
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