カーライフ
更新日:2024.01.07 / 掲載日:2023.09.06
【プロ直伝の燃費術】自動車ジャーナリスト大音安弘が教える低燃費走行5つのコツ
文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
近頃、燃料代の高騰に頭を悩ませているドライバーも多いことでしょう。主な値上がりの要因は、ガソリン補助金の縮小で、レギュラーガソリンの全国平均価格は、資源エネルギー庁が公表した8月21日の調査で183.7円/Lまで高騰。既にハイオクガソリンに関しては、店頭価格で200円を上回る表示も見られるようになっています。心配される9月末での補助金の終了は、年末までの期間延長が検討されており、価格もレギュラーガソリンで170円台に抑制される見込みです。しかし、それでも3年前の全国平均価格が130円台だったことを鑑みると、その負担増はお財布を圧迫し続けています。そのため、皆さんも少しでも燃費を良くしたいとお考えのはず。そこで今日から誰でもできる燃費向上のエコランテクニックを伝授したいと思います。
テクニックその①:クルマを軽くしよう
まずはクルマの準備から。エコランの基本中の基本となるのが軽量化です。近々使うからとゴルフバッグやキャンプグッズなど趣味のアイテムをトランクに積みっぱなしにしている方はいませんか。例えば、ゴルフセットだけでも10㎏前後の重さがあります。それがキャンプセットとなれば、かなりの重量になるはず。その日に不要な荷物は、できるだけ下ろすようにしましょう。
テクニックその②:タイヤの空気圧をチェック!
定期的にタイヤの空気圧を確認していますか。JAFによるテスト結果では、適正空気圧から30%減の場合、平均で4.6%の燃費ダウンが見られたそうです。より低くなれば、さらに燃費は悪化します。適正な空気圧は、運転席まわりや給油口、取り扱い説明書などに記載されています。またタイヤの交換時期を迎えているならば、低燃費タイヤ(エコタイヤ)の検討もおススメです。転がり抵抗を減らすことで、燃費を高める効果があります。もちろん、適正な空気圧でなければ、効果は薄まります。エコタイヤといえど、劇的に燃費が高まることはありませんが、減りにも強いため、タイヤも長持ちするので、結果としてお財布に優しいといえます。
テクニックその③:サンシェードを活用して燃費をアップ!
エコランには、一見、無関係に思えるサンシェードですが、車内温度の上昇が少ない方が、乗車時の不快感が抑えられるだけでなく、車内温度と設定温度の差が小さいほど、カーエアコンのエネルギー消費が抑えられるからです。多くのカーエアコンは、エンジンを動力にコンプレッサーを回すので、燃費に悪影響を与えます。もちろん、カーエアコンの設定温度を高めれば、その分、エネルギー削減とはなりますが、クルマはガラス面積も大きいので日差しの影響も受けやすく、体感温度がより高くなります。今のような猛暑日では自身が快適だと思う温度とし、熱中症などを防ぐことを重視しましょう。もちろん、冷やし過ぎは体にも燃費にも良くないので、その点だけはお忘れなく……。
テクニックその④:丁寧な運転を心がけよう
続いて運転時のテクニックです。まず急がつく運転動作は避けましょう。加速時にアクセルを強く踏み込むと、それだけ燃料を多く使うことになります。「じんわり」アクセルを踏み込み、「ゆっくり」加速することが省エネになります。ただ周囲の流れに合わせる走ることも大切なので、「ノロノロ運転」というよりも「ゆったり運転」をイメージすると良いでしょう。また減速時は、クルマが持つ運動エネルギーを捨てることになるので、まずアクセルオフで速度を調整し、足りない分をフットブレーキで減速しましょう。その際、車間距離が短いと、即ブレーキを踏まないと衝突の危険があるため、十分な車間距離を確保も忘れずに。そして、運転中は、なるべく加減速が少なくなるように車速をコントロールして走ることを意識するようにしましょう。また丁寧な運転は、燃費に良いだけでなく、乗る人全員の快適さや交通安全にも繋がります。
テクニックその⑤:クルマのエコ機能も活用しよう
現代のクルマには、低燃費走行を助ける機能が備わっていることも多くなりました。平均燃費や瞬間燃費表示は、エコランでの大切な情報となります。さらに車両によっては、運転診断機能があり、自身のエコ運転を点数などで評価してくれるものがあるので参考にしましょう。また車両の設定をエコ仕様に変更するものも有ります。それがドライブモードの「ECOモード」です。メーカーにより呼び方は様々ですが、基本的には、アクセルの踏み込みに対するアクセル開度を抑えることで、低燃費運転に繋げるもの。つまり、同じアクセルの踏み込みだと、標準状態よりも加速が穏やかになり、アクセルの調整がし易くなります。そのため、高速走行など標準モードの方が走り易い場合もあるので、状況を見て使い分けましょう。またECOモードの場合、燃費対策としてエアコンの効きを弱めるものもあるので、今夏のような気温だとエアコンが効きにくくなります。今夏のような猛暑日は、エアコンの温度を下げるよりも、まずはECOモードをオフにしてみましょう。
まとめ
このようにエコランは、小さな積み重ねであり、結果も同様です。しかし、年間で結果を見て見れば、燃料費を数千円単位で抑えることが出来るので、やってみる価値は大きいと言えます。だからといって、数円安い遠くのガソリンスタンドに出向くのは、時間とお金を無駄にすることになります。日常の行動範囲の中にある一番安いガソリンスタンドを見つけるようにしましょう。またハイブリッドカーはもちろんのこと、EVでも、上記のことを気を付けて運転すれば、エネルギー削減に繋がるので、やはりお財布に優しくなります。