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更新日:2022.03.25 / 掲載日:2022.03.25
関大と共同開発のタイヤ内発電技術用い摩耗推定技術を開発 住友ゴム
住友ゴムは3月24日、関西大学の谷弘詞教授と共同で開発に取り組んでいる発電デバイスを利用し、「タイヤ摩耗状態および接地面形状測定方法」を開発したと発表した。
小型化した発電デバイスをタイヤ内に複数個装着 接地面形状を測定する方法を開発


今回発表された技術に用いたデバイスはエナジーハーベスト(※1)と呼ばれるものの一種で、タイヤの回転によって電力を発生させ、タイヤ周辺に搭載されたセンサーにバッテリーレスで電源供給するシステム。摩擦帯電に係る構造と材料の最適化で発電電力を向上、さらに充電機能を追加することにより、電池などのバッテリーを使用せず、電源供給を可能とした。
検証テストでは、タイヤ速度50km/hで発電量800μW以上を確認し、外部センサーを起動しBLE(Bluetooth Low Energy)の連続通信を実現させている。
今回の開発では新たに、タイヤ回転接地時にそれぞれの発電デバイスから得られる電圧波形から、タイヤ接地長や回転周期、電圧値を算出することができ、これらを計算することでタイヤの摩耗量を推定。また、小型化した発電デバイスをタイヤ内に複数個装着することで、タイヤ接地面の幅方向の情報を取得し、タイヤ接地面形状を測定する方法を開発した。これらの技術はタイヤソリューションサービスに活用できると同時に、今後のタイヤ開発にもつながる知見を得られることが期待されているという。
※1:環境発電。身の回りの使われずに捨てられている、光、振動、熱などのわずかな環境エネルギーを拾い集めて活用する技術。
サステナブル社会の構築への寄与に貢献する技術として表彰

また、これらの取り組みが評価され、一般社団法人減災サステナブル技術協会(※2)より「防災・減災サステナブル大賞」防災・減災×SDGs賞【アカデミー&ジュニアアカデミー部門】ジャパン賞を受賞した。
同賞はサステナブル社会の構築への寄与において SDGs性側面が高い防災・減災に関する活動を対象としたもので、学術的活動ならびに社会貢献活動、または次世代エネルギーや防災・減災教育等に関する学術研究、ならびに災害時ボランティア活動他を含む各種学校および個人に授与される。
※2:津波シェルターの普及活動から、あらゆる自然災害の被害を少なくしていく必要があると考え、2018年に設立された組織。減災サステナブル技術の研究開発、勉強会・シンポジウムの開催などを行っている。
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