カー用品・パーツ
更新日:2018.08.06 / 掲載日:2018.08.06
【グー連載コラム】LATEST TIRE NEWS 快適なドライブをサポートするタイヤ講座
エコタイヤは本当にエコなのか
(掲載されている内容はグー本誌2018年9月号の内容です)
燃費が良くなることもあれば逆に変化がないケースもある
エコタイヤって履くと本当に燃費が良くなるの? 多くの読者の皆さんがそう思っているのではないだろうか。結論から言ってしまえば、エコタイヤの転がり抵抗は少ないし、実燃費に反映されるくらい燃費も良くなる。
ただし、最近はメーカーも純正装着タイヤにかなり厳しい省燃費性能を求めているので、エコタイヤを履けばどんなクルマでも燃費が良くなるとは言えない。
いま市販されているタイヤには省燃費性能を示すラベルが貼られているのを知っているだろうか。これは2010年から導入されたタイヤグレーディングで、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が、各メーカーに統一した計測方法を定め、これによって転がり抵抗とウエットブレーキ性能を表示しているのだ。現在は、消費者庁の「景品表示法に基づく公正競争規則」という法律によって厳しく規制されている。
ウエットブレーキ性能が表示しているのは、転がり抵抗とグリップ性能で一般的にはトレードオフの関係にあるので、転がり抵抗ばかりを重視するとウエットグリップ性能が悪くなりすぎる危険性がある。
グレーディングの表示は、転がり抵抗がAAA、AA、A、B、Cの5つに区分されており、ウエットグリップはa、b、c、dの4つに区分される。転がり抵抗がAAAからAでかつウエットグリップがaからdのタイヤが省燃費タイヤと名乗れることになっている。
なので、省燃費タイヤを選ぶ場合は、AとかAAのタイヤを選ぶのがいいと思う。AAAはさらに転がり抵抗が少なく燃費の向上が期待できるが、値段が高いので特にお薦めはできない。ちなみにAは普通かちょっとスムーズにタイヤが転がる感じ。AAになると発進する時クルマがはっきり軽く感じられるし、高速道路でもアクセルを踏む量が少ないのが実感できる。
また同時に表示されるウエットグリップ性能はbだとかなりしっかりしたグリップ感がある。cで普通かちょっと物足りない感じ。
じゃあAA-bがベストチョイスなのかというとあながちそうともいえない。転がり抵抗がAだとウエットグリップに余裕を持たせやすいからだ。A-b、A-aは適度に転がり抵抗を少なくし、安全なウエット性能をしっかり確保したリーズナブルなタイヤという見方もできる。逆にAAを選ぶとかなり転がり抵抗の少ないエコタイヤのフィーリングが実感できる。そんなタイヤ選びの参考にグレーディングを使うといいのではないかと思う。
BRIDGESTONE ECOPIA EP001S
BRIDGESTONE ECOPIA EP001S
問◎ブリヂストン TEL.0120-39-2936 https://tire.bridgestone.co.jp
今までの技術では不可能とされてきた、省燃費性能と安全性能の両立が実現したモデル。超微細技術で設計されたEP001Sは、タイヤグレードの頂点「AAA-a」を可能にした設計だ。
YOKOHAMA BluEarth AE-01
YOKOHAMA BluEarth AE-01
問◎横浜ゴム TEL.0120-667-520 http://www.y-yokohama.com
省燃費性能と経済性を備えた、環境にも人にも優しい省燃費タイヤ。ヨコハマが誇る最新技術を惜しみなく投入することで、省燃費、ウエット、耐摩耗の3つの性能を導き出している。
DUNLOP ENASAVE EC204
DUNLOP ENASAVE EC204
問◎ダンロップ TEL.0120-39-2788 https://tyre.dunlop.co.jp
耐摩耗性能と耐偏磨耗性能を同時に高めることで、トータルライフを向上。無駄なく長持ちさせることに成功した。豊富なサイズラインナップで幅広いユーザーに対応する。
ラべリング(表示方法)制度について
上記のタイヤは転がり抵抗性能が「AA」グレード、ウエットグリップ性能が「c」グレードであり、さらに低燃費タイヤであることを示す。転がり抵抗は5等級、ウエットグリップは4等級で表す。
ラベリング制度とは、省燃費タイヤの普及促進を図るため、転がり抵抗性能とウエットグリップ性能のふたつをグレーディングシステム(等級制度)に基づきラベル表示するもの。転がり抵抗性能の等級がA以上で、ウエットグリップ性能の等級がaからdの範囲内にあるタイヤを「省燃費タイヤ」と定義し、マークが記される。