カー用品・パーツ
更新日:2019.12.10 / 掲載日:2019.12.10
【グー連載コラム】LATEST TIRE NEWS 快適なドライブをサポートするタイヤ講座
快適なドライブをサポートするタイヤ情報を毎月お届けする本企画。
今回のテーマは「気になるコンセプトタイヤ」です
(掲載されている内容はグー本誌2020年1月号の内容です)
東京モーターショーで見つけた 気になるコンセプトタイヤ
新型フィットやMX-30といった新モデルの発表や初参加のキッザニアが大成功を収めるなど、2019年の東京モーターショーは約130万人の入場者を動員し大盛況で終幕した。
ニューモデルばかりに目が行ってしまうモーターショーだが、実はタイヤメーカーのブースにもおもしろいものが出展されているのをご存じだろうか。実現するしないに関わらず、各メーカーが未来を感じさせる新技術やアイディアが詰め込まれたコンセプトモデルは必見の価値あり。今回は東京モーターショー2019に展示されたコンセプトモデルを紹介していこう。
まずはヨコハマタイヤの「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」は、急激に自動車のIoT(Internet of Things)化が進むなか、タイヤのIoT化を想定したコンセプトモデル。タイヤに取り付けられたセンサーから取得するデータをクラウドに繋げ、タイヤと車両、ドライバーの通信端末、ロードサービス会社、ヨコハマタイヤ系列店などを連携させることができるという。これにより、出先で万が一パンクなどが発生したときに円滑な処理を行うことで、渋滞や二次災害などのリスクを回避することができるというわけだ。自動車への関心が薄れている昨今、スペアタイヤに交換することができないドライバーが増えていると言われているが、こうした時代背景に則したタイヤは今後必須となるのかも知れない。
続いてブリヂストンが発表した「SUSYM(サシム)」のコンセプトタイヤ。サシムとはゴムと樹脂を分子レベルで結びつけた世界初のポリマー素材。ゴムと樹脂の特性を自在に引き出すことが可能で、穴が空きにくく、仮に釘などが刺さっても再生・修復される。さらに低温にも強いという夢のようなタイヤだ。伝統的な竹細工をヒントに、ホイール部分や地面と接するトレッド部分も繋ぎ目のないシームレスなデザインを採用しているのが特徴だ。自動車に乗っている以上常にパンクする可能性が付きまとうが、今後このようなタイヤが製品化されることで自動車ライフもより快適になるはずだ。
最後にドイツの定番ブランドコンチネンタルからは「Conti C.A.R.E.」と呼ばれる新技術を提案。この技術は正確には9月に開催されたフランクフルトモーターショーで発表されたのだが、東京モーターショーでも展示されていたので紹介しよう。
大まかに説明すると、ホイールに組み込まれた遠心ポンプを使いタイヤの空気圧を調整。車が加速することでホイール内の遠心力がポンプに作用し圧縮空気が生成されることで空気圧を常に最適化してくれる。また「ContiSense」と呼ばれる監視システムがトレッドの溝や損傷の可能性、タイヤ温度と空気圧を監視。継続的に評価しながら調整・管理をしてくれる。まさに走行前のタイヤ点検を自動で行ってくれる革新的技術といえるだろう。さすがにメンテナンスフリーとまではいかないが、タイヤによる事故の発生を少しでも抑えてくれるというのは非常に頼もしい限りである。
こうした技術の進歩により、我々人間の生活は確実に豊かで安全なものになることは明白だが、やはり最終的に重要となってくるのは人の目だ。技術を過信することなく、常に事故のリスクを考えながら自動車ライフを送ることが大切だ。
YOKOHAMA
YOKOHAMA
すでに市場には空気圧センサーが付いている車種もあるが、YOKOHAMAIntelligent Tire Conceptはパンク後の処理まで行ってくれる画期的システム。
https://www.y-yokohama.com
BRIDGESTONE
BRIDGESTONE
世界初のポリマー「サシム」を採用したコンセプトタイヤ。天然ゴムと比べて倍以上の耐亀裂性や耐摩耗性をもち、さらに色も自在に着色ができるという。タイヤをドレスアップする日はそう遠くないのかも知れない。
https://www.bridgestone.co.jp/
CONTINENTAL NorthContact NC6
CONTINENTAL NorthContact NC6
スマートフォンならぬスマートタイヤともいうべき技術のConti C.A.R.E.。このシステムが実現すれば空気圧不足によるバーストが防げ、交通事故等が激減するだろう。
https://www.continental-tire.jp/car