カー用品・パーツ
更新日:2026.07.02 / 掲載日:2026.07.02

氷上性能に特化した「アイスプロ」登場! ダンロップウインターマックスの新製品

文●内田俊一 写真●内田俊一、ダンロップ

 ダンロップ(住友ゴム)はスタッドレスタイヤ、ウインターマックスの新シリーズ、ウインターマックスアイスプロを2026年8月より順次発売。99サイズ、13インチから22インチまでの展開で幅広いラインナップだ。

ウィンターマックス アイスプロのCMキャラクターには大谷翔平選手が起用されている(写真:ダンロップ)

氷に振り切ったスタッドレスタイヤ

 ダンロップのシンクロウェザーは、オールシーズンタイヤでこれまで実現することができなかったレベルの氷雪上性能を獲得。同時にサマータイヤと同等レベルのドライ・ウェット性能も確保したことを受け、スタッドレスタイヤ、ウインターマックスアイスプロは、降雪地帯向けにより氷上性能に特化したスペックとなった。

左から、執行役員タイヤ事業本部技術本部長先行開発本部長 田中進氏、常務執行役員タイヤ事業本部タイヤものづくり統括 水野洋一氏、タイヤ事業本部国内リプレイス営業本部長 牧野明人氏

 そのネーミングも「氷に振り切ったスタッドレス。氷上性能のプロフェッショナルにふさわしくアイスプロと名付けた」と紹介するのはダンロップ住友ゴム工業 常務執行役員タイヤ事業本部タイヤものづくり統括の水野洋一氏だ。

 またこの性格付けについて、ダンロップ住友ゴム工業タイヤ事業本部国内リプレイス営業本部長の牧野明人氏は、「これまでは冬時期に降雪の少ないエリアでもスタッドレスタイヤ需要が一定数あるため、冬道以外の路面にもしっかり対応する必要があった」としたうえで、その部分をシンクロウェザーが補完することで、アイスプロはより氷上性能を高めることができたという。

 従って、ダンロップでは冬タイヤのラインアップとして、特徴の異なるアイスプロとシンクロウェザーの2商品をメインに展開していくことになる。

ふんばり材を配合

 では技術的にどんな進化を遂げたのか。住友ゴム工業 執行役員タイヤ事業本部技術本部長先行開発本部長の田中進氏は、まず開発思想がこれまでと異なることから説明を始める。

 「これまでのウインターマックスは各性能を万遍なく向上させ、あらゆる性能で満足できるように開発を進めてきた」。しかし、タイヤの性能には背反があり、全てを万遍なく向上させるには限界がある。そこでアイスプロでは、ライフ性能を少し下げることで相反する氷上性能を大幅に伸ばした。前述のとおりシンクロウェザーがあったからこそ割り切った開発ができたのだ。

 アイスプロの氷上性能向上のキーコンセプトは、「いかに路面との密着状態を持続させるか」だ。

 そこで投入されたのが、「ふんばり吸水ゴム」。まずタイヤが吸水することで、氷上で滑る原因となる水膜を限りなく取り除く。そうすることで路面に柔らかいゴムが密着する。

 ここまでは一般的なスタッドレスタイヤの氷上グリップのメカニズムだが、アイスプロは、そこから「ふんばり吸水ゴム」と「低温ふんばり材」の配合によって“ふんばる”(しなやかに変形し続ける状態)ことで、路面との密着状態を持続させる。さらに、路面からの力を吸収し減衰させることでグリップを生み出し、路面との密着状態が持続するという効果を生み出している。

 同時にブレーキ時にも、「ゴムが氷上路面で滑らずに、路面との密着を持続しふんばることでこれまで以上に高い氷上グリップを発揮する」という。

 従来品のウインターマックス03からの性能差として、氷上ブレーキが25%アップ、氷上コーナリング性能を9%向上させたとのことだ。

その名も「うるおいポリマー」

 もうひとつ、アイスプロの特徴のひとつに経年しても密着状態を持続させることにある。

 氷上性能の利きを持続させるために大切なことは柔らかさの持続だ。田中氏は人の肌を例に、「うるおいがあるほど柔らかさが保たれる」と述べ、「タイヤでのうるおいにあたるのがゴム内部のオイルだ」という。

 当然年数が経つとオイルが抜けてゴムが硬化し氷上で路面と密着できなくなってしまう。しかしアイスプロでは、オイルが抜けにくく、かつ抜けても柔らかさを保つ液状ゴムを採用した。その名も「うるおいポリマー」だ。

 この「うるおいポリマー」はオイル同様にゴムを柔らかくする役割を持ちつつ、ゴムから抜けにくい性質がある。その結果、ゴムの柔らかさを持続することができるのだ。実はウインターマックス02から採用していたが、より進化させかつ増量し採用したという。従来品と比較し、「新品時の氷上性能はもちろん、4年後相当の氷上性能でも利きが持続する設計となっている」とコメントした。

 そのほか密着の持続のために、パターンやプロファイルも突き詰め、接地面を最大限に生かすアイスプロ専用の新プロファイルを開発。また、サイプを増やすことで効果的に除水を行い、密着状態を確保する。さらに、ショルダー部にはグリップエッジを採用し、雪や氷をしっかり引っかいて止まるエッジ効果も向上させたとのことだ。

◆犠牲にしたのは耐摩耗性のみ

 さて、この氷上性能を確保するために冒頭に述べたように若干摩耗性能が犠牲になった。それはどの程度か気になるところだ。その点について田中氏は、「スタッドレスタイヤは夏冬それぞれでタイヤと履き替えを想定していることを踏まえ、少なくとも4年以上は十分に対応できる摩耗性能を有している」と回答。そして「犠牲にしたのは摩耗性能だけだ」と語った。

 今年の1月に北海道において事前に試乗する機会を得た印象を付け加えると、氷上性能はウインターマックス03より明らかに向上していた。特に前後方向のグリップ、つまり加速時や減速時のグリップ性能は格段に上回っており、また、旋回性能も大きく進化していることを確認している。

 特に加速時や旋回時では、ウインターマックス03よりも約1割程度はグリップが失われる速度が上がっていた。また、その滑り出しもウインターマックス03よりもわかりやすい印象だ。また、雪上での静粛性も高く、十分に氷雪上で満足できる性能を備えていた。もし毎日のように氷雪上を走るような地域に住んでいるとすれば、アイスプロも選択肢の一つに加えて間違いはないだろう。

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グーネットマガジン編集部

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