車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2017.11.24

【気になる中古車試乗判定】BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー

BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー

BMW 2 Series ACTIVE TOURER 2014年モデル

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド
写真●グーワールド

今月の中古車は BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー

DETAIL CHECK 1

  • ミニバン的なインパネもBMW流でシックにまとめる

    BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー コックピット

  • ミニバン的なインパネもBMW流でシックにまとめる

     インテリアはBMWのメソッドに則ったシンプルで機能的なデザイン。インパネ中央の見やすい位置にワイド画面の液晶を配置し、操作系は手元のi Driveに集約、オーディオなどのスイッチもステアリングから手を離さずに操作できるのがBMW流。先進安全装備はオプションとして用意される。

DETAIL CHECK 2

  • 見晴らしのよさを感じさせるアップライトなシートポジション

    BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー 内装

  • 見晴らしのよさを感じさせるアップライトなシートポジション

     基礎設計に前輪駆動を採用したプラットフォームにより、室内空間は広々。「セミ・コマンド・シート・ポジション」と名付けられた高めの座面によって全方位の視界も良好。リヤシートはスライド式で最大130mmの範囲で前後調整が可能。ひとや荷物の状況によって最適なユーティリティを作り出す。

DETAIL CHECK 3

  • 多彩なライフスタイルに対応するラゲッジスペース

    BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー ラゲッジスペース

  • 多彩なライフスタイルに対応するラゲッジスペース

     ラゲッジ容量は通常時で468L、最大で1510Lまで拡大可能。折りたたみ式のフロアは下にもスペースが用意されているため、工具や普段使わないような荷物をしまっておける。また、後席は荷室側のレバーからも倒せるのが便利だ。テールゲートは足の動きによるハンズフリーで開閉可能。

DETAIL CHECK 4

  • 4種類のパワートレーンはどれも個性的で魅力がある

    BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー エンジン

  • 4種類のパワートレーンはどれも個性的で魅力がある

     パワートレーンは4種類。ガソリンエンジンは1.5L直3ターボ、2L直4ターボ(4WD)、2L直4ディーゼルターボ、そして1.5L直3ターボ+モーター(4WD)のプラグインハイブリッドだ。いずれも個性あるユニットで、乗り手のライフスタイルに合わせてチョイスしたい。

BMWの新境地となる前輪駆動のユーティリティビークル

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

九島 走りはしっかりBMWのテイストを身につけている

竹岡 女性でも運転しやすくて室内は見てのとおり広々!

ユーティリティ特化型のプレミアムコンパクト

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、BMWから2シリーズアクティブツアラーの登場です。お借りした車両は2014年モデルで、グレードは「218iアクティブツアラー」、走行距離は3万4000kmとなっています。

竹岡●ここのところ年式が新しいクルマが続いていたけど、今回のは中古車らしい「3年3万km」だね。それにしても2シリーズって、BMWのなかでは異色というか、ちょっと変わったグループだよね。

編集部●そうなんです。ご存知のとおりBMWの命名ルールは、数字の奇数がセダン系で、偶数がクーペ系というのを基本としていますが、2014年に登場した2シリーズについては、クーペ系とツアラー系が「プレミアムコンパクト」というくくりでいっしょになっています。

九島●2シリーズには、クーペ(F22)、カブリオレ(F23)、アクティブツアラー(F45)、グランツアラー(F46)が属するわけだけど、メカの基礎設計がクーペ系が後輪駆動で、ツアラー系は前輪駆動と大きく違う。クーペやカブリオレは1シリーズに近くて、ツアラー系は2015年に登場したMINI3(F56)/5ドア(F55)と同じ「UKLプラットフォーム」を使っている。もちろん、味付けはBMWならではだけどね。

竹岡●そしてアクティブツアラーが5人乗りで、グランツアラーが3列7人乗り。ボディサイズも違うと。

編集部●おっしゃるとおりです。ユーティリティ性能に重きを置いたアクティブツアラーの3サイズが4350×1800×1550mmなのに対して、ピープルムーバーであるグランツアラーは4565×1800×1645mmとひとまわり大きくなっています。

九島●1シリーズは後輪駆動ってことでライバルのFF勢に比べて室内が狭いって声があったけど、2シリーズアクティブツアラーはFFでパッケージングも高効率だし、プロポーションからユーティリティ重視に割り切っている。

竹岡●見た目や質感がちゃんとBMWしてるっていうのがいいよね。

編集部●ラインアップを紹介しますと、2014年当初は1.5L 3気筒ターボエンジンに6速ATを組み合わせた「218i(136馬力)」と2L直4ターボに8速ATと4WDを組み合わせた「225i xDrive(231馬力)」という顔ぶれ。2015年に2L直4ディーゼルターボと8速ATの「218d(150馬力)」が追加され、2016年には、プラグインハイブリッドモデル「225xe」も登場しました。これは1.5L 3気筒ターボエンジンに88馬力の電気モーターを組み合わせたもので、エンジンで前輪を、モーターで後輪を駆動する「eDrive」というシステムです。

九島●いろいろな意味でBMWが新しい時代に向かっていることを2シリーズから感じるな。

竹岡●2016年の販売実績ではアクティブツアラーとグランツアラーを合わせると3シリーズについで2番目に売れたクルマなんだって。

編集部●では、試乗をお願いできますでしょうか。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●さて、試乗から戻ってきたお二人に感想を伺いましょう。いかがでしたか?
九島●普通にいいクルマだったよ。

竹岡●右に同じく(笑)。というか、プラットフォームはMINIと共通だから、レベルの高さはすでにMINIで証明されてるし。もちろん、味付けはBMWらしく整えてあるよ。

九島●デビュー当時「BMW初のFF」って言い方をされていたけど、BMWグループとしてはすでに10年以上の経験があったんだよね。

編集部●今回の試乗車は走行距離もそれなりに走っていましたが、影響は感じられましたか?

九島●ぜんぜん。新車のときに試乗したのと同じ。

竹岡●いつものBMWテイストです。ところで、このアクティブツアラーって、中古車だといくらくらいで買えるの?

編集部●新車価格が363万円から544万円なのに対して、中古車は170万円から400万円で、中心価格は1年落ちで200万円後半です。注目すべきは走行距離の少ない物件が多いことで、10月中旬時点では約8割が1万km以下でした。試乗していただいたものと同等の中古車なら、170万円くらいで探せます。

九島●え、アクティブツアラーってまだマイナーチェンジもされてない現行型だよね。

竹岡●普通のひとが手放した中古車というよりも、新車ディーラーのデモカーとかが多い感じなのかな。だとしたらコンディションもいいだろうし、お買い得感あるかも!

九島●国産車のコンパクトカーの価格でBMWに乗れるんだとしたら、ちょっとアリかもしれないね。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー レビュー評価

BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるBMW 2シリーズ アクティブ ツアラー レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

    アクティブツアラーにはもっとBMWらしい味付け、演出があってもいいとコメントしてくれた竹岡さん。MINIを乗り継いでいるだけに言葉に説得力があります。

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 9点

 BMW初のこういうクルマ(笑)。FFで箱型でいわゆるファミリーカー。MINIの3/5ドアと同じアーキテクチャー使ってますけど、MINIじゃ小さいとか、あのインテリアは苦手とか、あくまでBMWにこだわるとか。そういう方が予想以上に多かったみたいで、反響の高さに私もビックリ。でも3列シートのグランツアラーの方がより人気は高そうですね。

装備 9点

 どんなカッコしてても、インテリアはBMW。ドライバーオリエンテッドの駆け抜ける喜びなんですよね。さすがにドライバー側への傾き加減は少ないけれど、まぁこの世界観がほしくて選ばれる方が多いのでしょう。個人的にはもう少しユーティリティ装備に、MINIとは違うんだぞ的な、BMWらしい新しい提案があったら、より楽しいと思うのですが。

走り 8点

 タイヤがね・・・。ランフラットタイヤのマッチングがあまりよくないんですよね。ちなみに以前乗った、ランフラットじゃない普通のタイヤのグレードの方が、乗り心地的には断然上でした。なのでぜひ、タイヤを替えることをオススメしたいかな。そうすれば、MINIとベースが同じとは思えないほど、落ち着いた安定感のある走り味にビックリすると思いますよ。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 九島 辰也

    今回の試乗でアクティブツアラーの快適性を実感したのは、長身の九島さんが前席に乗っても後席に十分な余裕があったこと。小型車とは思えない広さ!

  • 自動車ジャーナリスト 九島 辰也

自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 9点

 2シリーズ アクティブツアラーはプレミアムブランドであるBMWにとって初めて挑戦するジャンル。しかし、実際にはグループであるMINIを通じて前輪駆動車づくりのノウハウはしっかりと積み上げており、初物ならではの不器用な感じは見受けられない。そういったビジネスのやり方を含めて流石だと思う。BMWファンの裾野を広げる1台。

装備 9点

 コックピットは見慣れたBMWのそれ。すなわち、必要なものすべてが揃っているのは言わずもがなだ。オプションではあるが、自動ブレーキといった先進安全装備にも対応している。家族で出かけることが多いクルマだと考えると、やはり安全装備は充実しているほうが嬉しい。ユーティリティが充実していて、なおかつスタイリッシュなのもいい。

走り 8点

 アクティブツアラーが初めて日本に導入された際に、FF化によってBMWらしい走りは望めないのではないかという心配の声があったが、いまではそういう話はない。なぜならば、走らせればアクティブツアラーがBMWのクルマであることが瞬時にわかるからだ。もちろん、セダンクーペのそれとは違うが、テイストとしてしっかりBMWらしさが味わえる。

グーワールド編集部

走らせて楽しいBMWらしさと、家族や仲間たちと出かける楽しさを高次元で両立してくれるアクティブツアラーは、ある意味理想のクルマ。うーん、ほしい!

ポジショニング 10点

 スタイリッシュで知名度抜群のBMWは、まさに輸入車の花形的存在。そんなブランドに登場した使い勝手に優れるコンパクトカーということで、アクティブツアラーは新しいファンを増やすことに成功しているそうです。とくに魅力的なのがボディサイズで、立体駐車場OKの全高1550mmというのがポイント。趣味に日々の生活の足にと活躍してくれます。

装備 9点

 ユーティリティを追求したこのジャンルのクルマは、どうしても室内がファミリーテイストやポップなデザインになりがち。でも、アクティブツアラーはBMWテイスト全開で、プレミアムブランドのクルマに乗っている実感があります。近年話題の先進安全装備についても高年式モデルならば装着車両を探すことは容易。そんなところも人気の秘密かも。

走り 9点

 ステアリングを切ったら切っただけ、素直な感覚でクルマが向きを変えてくれるのは、当たり前のようでいてそうでもありません。高速道路などハイスピード領域はとくに得意で、その感覚はまさしく「ツアラー」。しっかりした足まわりは、リヤシートを畳んでロードバイクや趣味の道具を満載して出かけるようなシチュエーションでも安心感につながります。

乗れば納得のBMWテイスト 中古車は高年式、低走行車が中心

BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー

モデル主要変遷(2シリーズ アクティブツアラー)

2014.102シリーズ アクティブツアラーが登場 ←今回の中古車
「218i」、「225i xDrive Mスポーツ」
2015.05「218d」を追加
2016.01「225xe」を追加

2014年 218iアクティブツアラー(6速AT)

全長×全幅×全高4350×1800×1550mm
ホイールベース2670mm
車両重量1460kg
エンジン直3DOHCターボ
総排気量1498cc
最高出力136ps/4400rpm
最大トルク22.4kg m/1250-4300rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチリンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク

中古車参考価格帯
170万円~400万円(2014年~2017年 ※全グレード)

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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