車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2015.02.06

HONDA FREED 使い方無限大のスペースコンパクトミニバン

HONDA FREED 使い方無限大のスペースコンパクトミニバン

ミニバンブームが飽和状態になり、さまざまな形態のモデルが市場に出まわっている。そんななか、とりわけ個性的なのがフリードステップワゴンよりもコンパクトだけど、室内の広さや使い勝手は十分。ハイブリッドも設定し、向かうところ敵なしのミニバンだ。

ホンダ フリードはこんなクルマ!

スタイリッシュボディに本格的3列シートを備えたコンパクトミニバン。1.5Lガソリンとハイブリッド、6人乗りと7人乗りなど幅広いバリエーションも特長だ。ガソリンには4WDも設定。

  • ホンダ フリード

    新車価格帯 174万6000~239万2400円(※全グレード)

  • ホンダ フリード ハイブリッド(CVT)
    全長×全幅×全高:4215×1695×1715mm
    車両重量:1390kg
    排気量:1496cc
    エンジン:直4SOHC
    エンジン最高出力:88ps
    エンジン最大トルク:13.5kg m
    モーター最高出力:14ps
    モーター最大トルク:8.0kg m
    燃費:21.6km/L(JC08モード)
    サスペンション前:ストラット
    サスペンション後:車軸式
    ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
    タイヤ前後:185/65R15

コアユーザーは子育て世代の家族

ファミリーやスペース派にいちばん人気のミニバン。2Lミドルクラスは各メーカーがしのぎを削るが、その下のコンパクトクラスと言えば、人気はフリードに言をまたない。平成20年5月の発売以来、つねにコンパクトミニバンのベストセラーに君臨。同年下半期にはミドルクラスを抑え、ミニバン全体の中でも販売台数トップに輝いた。
最大の魅力は、もちろん全長4m少々のコンパクトボディで本格的な3列ユースを可能にしたパッケージング。その“ミニ・ミニバン”としての高い実力は、フィットをベースに開発された前身のモビリオから備えていた。だが、モビリオはまさに“自動車離れ”したユニークなスタイリングが裏目に。マイナーチェンジでフロントフェイスを刷新したが、実力どおりの支持を得ることは結局できなかった。
モビリオと異なり、フリードにフィットベースという表現はあまり当てはまらない。車両の基礎となるプラットフォームでフィットと共通性を持つのはエンジンルームのみで、それ以外は新設計。2列目シートの足元空間(=1列目のシート下)を拡大するため、燃料タンクはモビリオの1列目下(つまりセンタータンクレイアウト)から2列目下に移設した。さらに全長を160mm伸ばし、室内空間は大幅に拡大。
外観も打って変わってスタイリッシュ。5ナンバーミニバン初となるハイブリッドも追加し、幅広いユーザーニーズを満たす多彩な魅力を備えているのだ。

RIVAL ライバル

icon トヨタ シエンタ

トヨタ シエンタ

新車価格帯 167万1429~189万7714円(※全グレード)

かわいらしさと使いやすさで
子育てママさんにも人気

平成15年デビューのロングセラー。1.5Lガソリンはフリードを上まわる低燃費がウリだ。シートは2タイプで、2列目がキャプテンの6人乗りとベンチの7人乗り。3列目は床下収納が可能な薄型タイプだ。

HISTORY ヒストリー

平成20年5月フリードを発売
平成21年5月一部改良
平成22年11月一部改良
平成23年10月マイナーチェンジ
平成24年10月新グレード「GH」を追加
平成24年11月一部改良
平成26年11月マイナーチェンジ

フリードの前身となったモビリオってどんなクルマ?

フリードの前身となったモビリオってどんなクルマ?

平成13年発売。ベースは初代フィットで、フロントエンジンのコンパクトミニバンで初めて7人乗りを実現した。ユニークなスタイリングは欧州の路面電車がモチーフだ。1.5Lエンジンは90馬力のi-DSIでスタートし、マイナーチェンジで110馬力のVTECを追加。

※すべての価格は参考価格です

HONDA FREED 使い方無限大のスペースコンパクトミニバン

小柄なボディに3列シート使い勝手にこだわったミニバン

ファミリー向けのフリードだが、エクステリアはクール系。独身層へも強烈にアピールできるスポーティなルックスなのが魅力。それでいながら、スライドドアを採用して乗り降りがしやすく、室内も広いのがポイント。ユーザーニーズにしっかり応える1台なのだ。

ホンダ フリード

販売期間:平成20年~ 中古車参考価格帯 60万~220万(平成20年~平成26年 ※スパイクを除く)

前期型は5人乗りの2列シートも設定

フリードはその登場以来、マイナーチェンジや一部改良を重ねているが、全体としては前期型と後期型に大別できる。
前期型は平成20年のデビューから23年のマイナーチェンジモデルまでで、3列シートのG系と2列シートのフレックス系をラインアップ。さらに装備が充実したLパッケージやFパッケージを用意し、スポーティなルックスのエアロも選べるなど、ラインアップは多彩。
G系は2列目がキャプテンシートの7人乗りが主力だが、LパッケージのFFにはベンチシートの8人乗りも設定した。
エアログレードは、その名のとおりエアロフォルムバンパーやテールゲートスポイラーなどでドレスアップ。Giエアロは両側パワースライドドアやサイド&カーテンエアバッグを標準で備えるトップグレードだ。Lパッケージはパワースライドドアを助手席側に標準装備、運転席側にオプション設定した。
一方のフレックスのFパッケージとエアロには、メーカーオプションでスカイルーフを設定。これは、フィットやエアウェイブなどにもおなじみの巨大なガラスルーフで、特別な開放感を演出してくれた。
21年の一部改良では、Lパッケージがグレードごとに装備を充実させたジャストセレクションに進化。さらに、7人乗りは2列目キャプテンシートのスライド量が40mm増えた点も見逃せない。
22年の一部改良では、CVT改良による燃費向上とともにECONモードを追加。また、内装の質感を向上、主力グレードに後方視角支援ミラーなどを標準化した。

EXTERIOR エクステリア

ダイナミックなモノフォルムが走りのよさと広い空間を表現
真横から見たシルエットは、明快な「トライアングル・スクエア・フォルム」。ノーズからフロントウインドウまでは軽快な走りをイメージした三角形、そこから後方のキャビンは四角形がモチーフで、両者を動きのあるカーブとダイナミックに変化する面処理で融合している。彫刻のような陰影を生み出すキャラクターラインは、スライドドアのレールを活かしたものだ。

ホンダ フリード エクステリア

Gエアロはダーククローム調ヘッドライトガーニッシュと専用フロントグリルで、表情はより精悍だ。

INTERIOR インテリア

室内空間に求めたのはオープンカフェのような居心地
インパネは異なる造形のアッパー部とロア部を重ね合わせたレイヤードデザイン。アッパー部は遠方に配置することで奥行き感を、ロア部は左右への広がりによってワイド感をそれぞれ演出する。メーターはステアリングの外側に見えるアウトホイールタイプだ。シートは全列でミドルクラスのシートフレームをベースに設計。1列目と2列目はショルダー部やヘッドレストを後列乗員に圧迫感を与えない形状としている。

ホンダ フリード インテリア

Gエアロとハイブリッド・ジャストセレクションには、合皮とファブリックのコンビシート、本革巻きステアリング&シフトノブを設定。

2列シートの派生モデルフリードスパイクも設定

モビリオから継承したスパイクは、積載性とスポーツ性を高めた派生モデルだ。荷室のフロアボードは裏返すとスロープ付きの一段低い床になる反転式で、自転車などの積み込みに重宝する。荷室の機能を高めるクオーターピラー部のシステム収納も特徴。フロントフェイスは専用デザインでサスもスポーティにチューン。

2列シートの派生モデルフリードスパイクも設定

3列目シートがないうえ2列目は床下にダイブダウン可能。2列目を倒せば最大でガソリン車1184L、ハイブリッド車でも1130Lのビッグな荷室が出現。

ハイブリッド仕様が加わり走りと燃費の魅力度アップ!

低床パッケージを採用するフリードは、安定感のある走りが魅力。また、後に追加されたハイブリッド仕様は力強い走りと燃費を両立。自転車を積み込める広大なラゲッジルームや収納の数も豊富なので、これ1台でさまざまなシーンにおいて大活躍してくれるだろう。

  • ホンダ フリード ハイブリッド

3列目変更とともにハイブリッド追加

後期型は23年のマイナーチェンジからだ。待望のハイブリッドは1.5Lとの組み合わせだが、エンジンはCRーZの高回転型ではなく、低負荷時に全気筒休止可能なフィット・ハイブリッド(1.3L)の拡大版。JC08モードで21.6km/Lの低燃費と、99馬力/16.6kg mのシステム出力/トルクを両立した。ニッケル水素バッテリーは荷室の床下に搭載され、ガソリン車とほぼ同じ室内の広さや使い勝手もキープ。
ガソリン車も含めたシートの変更もトピックで、2列シート仕様を廃止。また、3列目の定員を3人から2人に減らし、1人分の占有面積を拡大することで快適性を高めた。
24年の一部改良では、ハイブリッド全車とGジャストセレクションへのディスチャージヘッドライト標準化などを実施。26年には内外装の見直し、プラズマクラスターの標準化などを行った。

MECHANISM メカニズム

走りから安全面まで充実
ハイブリッドシステムは、エンジンとモーターが直結のコンパクトなIMA。1.5Lガソリンと同じくCVTとの組み合わせだ。エアバッグはサイド&カーテンをデビュー時からトップグレードに備え、現在は全車オプション装着可能。主力グレードはリヤカメラやTVプリントアンテナなどを標準装備する。

ホンダ フリード メカニズム

UTILITY ユーティリティ

機能性ならフレックスにも注目
2列目がキャプテンシートなら、3列目を格納するだけで27インチの自転車を立てたまま積載可能。2列シート5人乗りのフレックスは、水や汚れに強い樹脂製のワイパブルマットと4カ所のタイダウンフックを設定した。開放感をさらに高めるスカイルーフ&電動サンシェードもフレックスにオプション。

ホンダ フリード ユーティリティ

低床パッケージで快適な2列目/3列目シート

薄型燃料タンクの2列目シート下への配置や床下構造の工夫で、足元広々のフラットフロアを実現。地上高も2列目で390mmと低く、乗り降りしやすいワンステップフロアも嬉しい。

低床パッケージで快適な2列目/3列目シート

2列目のキャプテンと3列目の3人がけ(前期型)はクラス初。フロアは荷室まで低くフラットだ。

MARKET DATA マーケット データ

ハイブリッド車はやや高めだが、全体的に見ると値下がりしている
フリードの中古車は、通常のエンジンとハイブリッド搭載車でかなり相場が異なるのが特徴。おおよそ30万円程度の開きがあるので、購入後のランニングコストなどを頭に入れた選択が必要だ。相場は、平成20年式の「G」で105万円。人気車ゆえ大幅な価格の暴落は見られないが、100万円台前半の予算で十分ねらえるので買い頃だろう。

走行距離を見ると、1万km未満の低走行車両も130万円程度の予算でねらえる。ただし、ハイブリッドの低走行車両はまだかなり高め。1万km~3万kmの物件が市場の中心となるが、この走行距離では3年落ちの平成24年式で170万円が相場。この金額を基準に考えよう。

グレード×年式

平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
フレックス101万円106万円119万円139万円
G105万円117万円128万円141万円155万円170万円185万円
ハイブリッド176万円179万円200万円214万円

走行距離×年式

平成20年平成21年平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
1万km未満140万円134万円175万円176万円189万円199万円
1万~3万km126万円130万円136万円163万円170万円184万円179万円
3万~5万km122万円122万円127万円155万円162万円179万円
5万km以上96万円104万円116万円140万円154万円153万円
  • 年式

    年式
    デビュー翌年の平成21年式がもっとも多い。またハイブリッドの登場した翌年である平成24年式も全体の17%と多めである。

  • 走行距離

    走行距離
    1万km未満の低走行物件は2割近く存在。1~3万kmの車両も3割以上と、全体的に良質車が多い。

グレード

グレード
装備が充実した量販グレード「G」系のモデルがもっとも多い。ハイブリッドは全体の3割程度。

戸田治宏

IMPRESSION
戸田治宏のモデルインプレッション

ガソリンは軽快な走りHVは乗り心地も上質

ガソリンは軽快な走りHVは乗り心地も上質

3列目シートはステップワゴン(3代目)と基本的に同じで、クッションの効いた座り心地は1クラス上の贅沢さ。空間効率も非常に高く、ゆとりはないが180cmクラスの乗員による定員乗車が可能だ。
1.5LガソリンとCVTの組み合わせは、排気量にふさわしい省燃費と1.8Lに迫る加速性能を両立。ミニバンに大切な実用域の扱いやすさも、もちろん備えている。サスはスポーティで、スタンダードな185/70R14タイヤでも安定感タップリ。
ただ、同じ185でも65の15インチ車は路面からの突き上げが強め。1列目のシートはサイズのわりにサポート性を強調した形状となり、175cmのドライバーでもフィット感がもの足りない。若干スポーツ性を強調しすぎているきらいがある。
ハイブリッドはモーターアシストによって多人数乗車でも頼もしいトルクを発揮。頻度はわずかだが、低速域では全気筒休止によるEV走行も見せる。突き上げ感はマイルドでノイズの侵入も少なく、快適性もガソリン車より確実に上だ。

※すべての価格は参考価格です

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ