車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.01.06 / 掲載日:2014.07.18
MAZDA ROADSTER 駆け抜ける歓びはワールドクラス

本格的なオープン2シータースポーツとして登場したのが、名車ロードスター。近い将来新型が登場する予定で、ファンならずとも待ち遠しく思う人が多いはずだ。そんなわけで、今回は過去3代に渡って登場したロードスターを振り返ると同時に中古車相場も分析。魅力のロードスターワールドをぜひ覗いてみてほしい。
マツダ ロードスターはこんなクルマ!

運転の楽しさを再認識させてくれるクルマ
カギとなるのは、オープンのボディとFRの駆動方式、そして手が届きやすい価格。NA、NB、NC型と進化を続けてきたマツダロードスターは、ライトウエイトスポーツの「王道」を突き進む。人気は不動のものだ。
日本が世界に誇れる真のスポーツカー
「スポーツカー乗り」の中には、絶対的な速さや、強烈な加速&旋回Gがもたらす刺激性に重きを置くタイプも多い。でも、マツダロードスターに乗って、トップを開けて走り出せば・・・パワーや速さだけがスポーツカーの魅力ではないことがわかるはず。思わず頬を緩ませるポイントは、小型・軽量ボディが生むフットワークの一体感と、オープントップが生み出す開放感&爽快感にある。
じつは、50~60年代のスポーツカー界では、MGやトライアンフに代表される英国ライトウエイトスポーツが中心に存在していた。だが、70年代に入ると衰退。80年代後期には「もはやこれまで」のムードが漂ったが、そこに出現した救世主がマツダロードスターだったのだ。
初代NA型は、国内でユーノスロードスター、海外でMX-5またはMX-5ミアータと名乗ったモデル。スポーツカーとしては温故知新的な存在だが、すでにFFが世界の小型車の主流になっていたのだから、FRのライトウエイトスポーツをゼロから開発するには想像を超えるほどの労力、資金、情熱を必要とした。
しかしながら、「本物」はやっぱり認められる。マツダ会心の作は、瞬時に数多のスポーツカー好きを虜にし、世界中で大ブームを巻き起こしたのだ。そして、BMW・Z3やメルセデスSLKなどが生まれる土壌もつくりだしたのだから、功績は計り知れない。そんなロードスターの人気の証しは、更新し続けるギネス記録。2011年に生産累計90万台を達成した。世界のファンに愛され続ける「日本の名車」の代表だ。
RIVAL ライバル
ホンダ CR-Z

中古車参考価格帯:90万~270万円 ※平成22年~平成26年の相場です
CR-Xを彷彿させるハイブリッドスポーツ
「FFハンドリングマシン」として好評を博したCR-Xの再来。心臓は1.5L+モーターのIMAで、初代インサイトの志を継ぐエコスポーツという、もう一つの顔も持つ。未来的デザインが目を引く点で、2+2キャビンを備える。
トヨタ 86

中古車参考価格帯:160万~310万円 ※平成24年~平成26年の相場です
ドライビングの基礎を学べるFRスポーツ
「2L+FR」はマツダロードスターとの共通項だが、スポーツカーとしての方向性は明らかに異なる。クローズドボディを採用する86は、200馬力のボクサーユニットを積み、より高性能を指向する。キャビンは2+2レイアウトだ。
スズキ スイフト スポーツ

中古車参考価格帯:110万~180万円 ※平成23年~平成26年の相場です
コンパクトカーでも面白さは随一
FFホットハッチの代表格。「4ドア・5人乗り」の実用性を備え、価格設定も低めだから、敷居はピュアスポーツよりもグッと低い。心臓は136馬力の1.6Lで、使い切れる高性能と軽快なフットワークを何よりのウリとする。
PICK-UP

25周年記念モデル発売も
あっという間に完売
3代目NC型の有終の美を飾るモデルとして、今春、限定投入された。レッドメタのボディ色やホワイトの本革シートが目を引くが、マニアの所有欲をより以上にくすぐるのは特別なバランス取りを行った心臓だろう。国内の割り当てはわずか25台で、即完売となってしまった。
HISTORY ヒストリー
Past Model
・平成元年9月 ユーノスロードスターを発売
・平成10年1月 2代目ロードスターを発売
New Model
・平成17年8月 3代目ロードスターを発売
・平成18年8月 ロードスターRHTを発売
・平成20年12月 ロードスターをマイナーチェンジ
・平成24年7月 ロードスターを一部改良
・平成25年12月 ロードスターを一部改良
世代別中古車物件比率

もっとも物件が豊富なのは、意外にも2代目。90年代のスポーツカーブームの影響もあるだろう。初代も年式を考えると物件は多いが、低走行車はごくわずか。
※すべての価格は参考価格です

3rd(NC/現行)販売期間:平成17年~
排気量拡大で動力性能を向上走り、安全性ともに大幅進化
平成17年に登場した3代目ロードスターは、過去2世代のモデルからサイズアップ。またエンジン排気量も拡大することで、スポーツカーには欠かせない動力性能が高められた。乗り心地や荷室など実用性面でも進化を遂げ、スポーツカーをより身近な存在にしてくれた。

中古車参考価格帯 90万~260万円 ※平成17年~平成26年の相場です
マツダ ロードスター RS(6速MT)
主要諸元
全長×全幅×全高:4020×1720×1245mm
車両重量:1120kg
排気量:1998cc
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力/最大トルク:170ps/19.3kgm
燃費:13.0km/L(10・15モード)
現代のロードスターに必要な安全性を獲得
プラットフォームからの一新となったのが3代目のNC型。厳しさを増す安全規制への対応や、RX-8と同じ生産ラインを流すことを考慮して、ボディを少し大型化しての登場となった。そのため、3ナンバーサイズになった全幅や、1.6L&1.8Lから2Lに拡大したエンジンを、「ロードスターらしくない」と批判する声も少なからず存在した。
だが、「人馬一体」の思想に根ざす、ロードスターのクルマづくりの本質は、きちんと継承されていた。それを象徴するのは「グラム戦略」と呼ばれた軽量化へのこだわりで、贅肉を徹底してそぎ落とすことにより、NB型比でわずか10kgの重量増(RS)にとどめることに成功した。
しかも、ボディ剛性を大幅に高め、前後重量配分をより理想的に修正し、重心高も下げた上での結果なのだから、スポーツカーとしての総合的資質が大きく進化したことは明らか。
また、ホイールベース&トレッドの拡大やタイヤ大径化もカギとなった、操縦安定性のレベル向上も見逃せない。心臓の2L化で動力性能は確実に引き上げられたのだから、バランスを考えての「シャシー強化」はマストの課題だったわけだ。
さらに、ステアシフト付き6速ATの設定や、06年末のRHT(リトラクタブルハードトップ)の追加も、ロードスターの歴史のひとつの転換点となった。そう、スポーツカーを取り巻く環境の変化に対応して、NC型は適時、商品力強化を図ってきたのだ。でも幌型やMTも健在。そこに、作り手の信念が表れている。
EXTERIOR エクステリア
どこから見てもロードスターなデザイン
NB型からNC型への世代交代の際に、ホイールベースを65mm、全長を40mm、全幅を40mm拡大した。スタイルのモチーフとしたのは初代NA型で、全体にプレーンな面構成を特徴とする。それだけに目を引くのが隆起した前後のフェンダーフレアで、4つのタイヤの踏ん張り感を強調している。事実、ワイドトレッド化やタイヤサイズの拡大などにより、NC型はロードホールディングの能力を大幅に高めた。でも、全体を眺めれば・・・どこから見てもマツダのロードスター。デザインのDNAが継承されたことがわかる。

マイナーチェンジで3つのフェイスが存在

左はNA型を彷彿とさせるプレーンなマスクの前期型。それが09モデルの改良でキリッとした顔に変わったのは、「スポーツカーらしい精悍さがほしい」というファンの声に応えたからだ。そして12年夏には、歩行者保護の新規制に対応する変更を実施した。
INTERIOR インテリア
重量とコストを抑えながらも質感をアップ
ボディの成長を活かしてキャビンを拡大すると同時に、質感も全般に強化して魅力向上を図った。写真はタンの本革シートを採用するVSで、シックかつ上質なムードを醸し出す。対照的に、RSは正統派スポーツを主張する仕立てで、レカロシートも選択できる。現行モデルは、ソフトトップとRHTでメーターフードまでを差別化し、個性の違いを明瞭にしている。

MECHANISM メカニズム

LF-VE[RS]型はMT用が170馬力、AT用が162馬力。MT用は7500回転のリミットまで気持ちよくブン回せる。
すべてが「走り」のために
抜かりなくレベルアップ
車台共用化が当たり前の時代に、専用プラットフォームに専用の心臓(FR用LF型ユニットはこれだけ)を積み、専用の4輪ダブルウイッシュボーンサスを採用するロードスターのつくりは、なんとも贅沢なもの。軽量化へのこだわりも注目のポイントで、ボンネット、トランクリッド、サスアームなどにアルミを採用する。

気軽にオンオフ可能なリトラクタブルトップ
ルーフを閉めれば、クーペ並みの快適性や防犯性が得られるのがRHT。ロックは手動だが、変身は20秒足らずで完了する。前期型はロードノイズがこもりがちなことが難点。
MARKET REPORT 市場レポート
モデルライフ終盤になり、お買い得な物件が増えている
基本的にスポーツカーは中古車になっても値崩れしにくい傾向にある。登場から9年が経過した現行型も同様。ただし、平成20年式以前の前期型は100万円台前半の予算で購入可能。なお新フェイスの中期型以降は、20万円以上相場が高い。
グレード×年式別相場
平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | |
---|---|---|---|---|
標準車/S | 100万円 | 109万円 | 143万円 | 142万円 |
VS | 112万円 | 122万円 | 154万円 | 162万円 |
RS | 128万円 | 124万円 | 158万円 | 154万円 |
NR-A | – | – | 135万円 | 158万円 |
平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | |
---|---|---|---|---|---|
標準車/S | 167万円 | 171万円 | 196万円 | 222万円 | 223万円 |
VS | 195万円 | 220万円 | 220万円 | – | – |
RS | 203万円 | 209万円 | 208万円 | 225万円 | 248万円 |
NR-A | 165万円 | – | 190万円 | – | – |
グレードは、標準車(改良で「S」に名称変更)、豪華仕様の「VS」、走り重視の「RS」、競技仕様の「NR-A」の4系統存在。「NR-A」以外は、幌とRHTの2バージョンが存在する。もっとも価格が高いのはやはり「RS」で、5年落ちだと203万円が相場。価格重視なら標準車をねらおう。
走行距離×年式別相場
平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | |
---|---|---|---|---|
3万km未満 | 140万円 | 133万円 | 166万円 | 165万円 |
3~5万km | 127万円 | 121万円 | 151万円 | 165万円 |
5~8万km | 108万円 | 118万円 | 135万円 | 133万円 |
8万km以上 | 90万円 | 82万円 | 103万円 | 112万円 |
平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | |
---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 200万円 | 202万円 | 215万円 | 216万円 | 236万円 |
3~5万km | 196万円 | 204万円 | – | 222万円 | – |
5~8万km | 161万円 | 152万円 | 223万円 | – | – |
8万km以上 | – | – | 139万円 | – | – |
走行距離を見ると、3万km未満の割合が少なめなので、低走行車に絞って探すと苦労するかもしれない。ただし5万km~8万kmのゾーンでは、前期型が130万円前後、後期型は160万円前後というのがおおよその相場。8万km以上となるとさらに20万円安いが、機関系がやや不安である。
年式
現在まで9年間にわたって生産された。平成22年式以降は少なめだが、全体的に偏りなく物件が存在している。走行距離
全体的に低走行車はかなり少なめ。1万km未満はごくわずか。5万kmが中心と考えよう。8万km以上が3割も存在。

グレード
走り重視のRS系の割合が半数近くにのぼる。それに続くのがスタンダードなS系。革シートのVSは少ない。
2nd(NB/先代)販売期間:平成10年~平成17年
ユーノスのマインドを継承し正常進化を果たした2代目
初代であるユーノスロードスターの走りを全面的にアップデートしたのが2代目。車名も、マツダ「ロードスター」となった。リトラクタブルから固定式ライトになったが人馬一体の軽快な走りは受け継がれている。
中古車参考価格帯:20万~190万円 ※平成10年~平成17年式の相場です
マツダ ロードスター RS(6速MT)
主要諸元
全長×全幅×全高:3955×1680×1235mm
車両重量:1070kg
排気量:1839cc
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力/最大トルク:160ps/17.3kgm
燃費:13.0km/L(10・15モード)
初代の魅力を継承して正常進化した2代目
日本で「マツダロードスター」を名乗ったのは、このNB型からだ。基本プラットフォームを流用しての世代交代だが、安全性や環境対応という時代のニーズを満たすために、細部まで改良のメスを入れている。
心臓に注目すれば、1.8Lは性能を高めるとともに、MTを6速に変更。国内仕様に1.6Lが復活したのも、見逃せない要点といえる。結果として、「楽しみの幅」が大きく拡大することになった。また、03年末には172馬力/21.3kgmの高性能を誇る「ターボ」も限定投入。2代目の時代には、過給機導入による高性能化の道を探ったこともあったのだ。
EXTERIOR エクステリア

固定式ライトを採用してモダンなデザインに
リトラクタブルライトというアイコンの代わりに、スポーツカーらしい魅力を主張する要素となっているのは抑揚を効かせたボディライン。均整の取れたプロポーションが自慢だ。前期型はキュートなマスクが特徴で、00年夏以降の中後期型はより精悍なイメージへと変身。ヘッドライトとバンパーの変更がポイントだ。
INTERIOR インテリア

パッケージングを見直し居住性を改善
コクピットはNA型と比べてよりモダンになった印象だ。メッキリング付きホワイトメーターも設定する中後期型の印象は、よりスポーティだ。が、実用面の進化はそれ以上。スペアタイヤを床下に移したトランクははるかに使いやすくなり、ビニールから熱線入りガラスに改良されたリヤスクリーンは視認性が大幅に向上しているのも評価できる。

シートのホールド性向上や小物収納スペースの充実も00年夏のマイチェンの見逃せない改良点といえる。
MECHANISM メカニズム
すべてが「走り」のために抜かりなく
サイドシルの設計変更などにより、ねじり&曲げ剛性を大幅に強化したボディが、NA型から大きく進化した点。そして心臓に注目すれば、先代プラス15馬力の145馬力、さらに後期型では160馬力にまで強化されたBP型1.8Lユニットの存在がクローズアップされる。そんなNB8C(1.8L車)のMTは6速で、ミッションも明確な進化を遂げた。

クーペもラインアップ

特装車を手がけるマツダE&Tが生産した「クーペ」は極めてレアな存在だ。優美さ漂う後ろ姿はジャガーXK風で、新鮮な魅力をアピール。また、鋼板製ルーフはボディ剛性向上という利点も生んだ。1.8L&6速MTの「タイプA」は冴えた走りで高い評価を得た。
MARKET REPORT 市場レポート
相場は底値で安いものの、良質物件はかなり少なめ
中古車の数はそれなりに充実する先代ロードスター。しかし、その大半は走行距離が伸びていたり改造車、サーキットなどで過酷な使用環境にあったものばかり。丈夫なクルマであるものの、可能な限り程度重視のクルマ選びが鉄則だ。
グレード×年式別相場
平成10年 | 平成11年 | 平成12年 | 平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成16年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
M/SP/ Mパッケージ/標準車 | 24万円 | 32万円 | 32万円 | 47万円 | 58万円 | 60万円 | 81万円 |
VS | 44万円 | 39万円 | 51万円 | 53万円 | 52万円 | 106万円 | 86万円 |
RS/RSII | 50万円 | 45万円 | 65万円 | 62万円 | 92万円 | 104万円 | 44万円 |
先代はグレードが非常に多いのが特徴。M、SP、Mパッケージなどは1.6Lエンジンを搭載。VS、RS系は1.8Lを積む。いずれも、グレード間の価格差はほぼ見られない。どのグレードもまんべんなく存在するのも特徴。たとえば10年落ちのRS系では44万円が相場となっている。
走行距離×年式別相場
平成10年 | 平成11年 | 平成12年 | 平成13年 | 平成14年 | 平成15年 | 平成16年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
5万km未満 | 59万円 | 50万円 | 48万円 | 62万円 | 94万円 | 93万円 | 115万円 |
5万~8万km | 42万円 | 50万円 | 57万円 | 57万円 | 77万円 | 86万円 | 77万円 |
8万km以上 | 35万円 | 36万円 | 40万円 | 46万円 | 43万円 | 52万円 | 70万円 |
走行距離を見ると、8万km以上の車両もかなり存在する。低走行車を手に入れるのはかなり難しい状況だ。相場は、距離が短いほど安いものの、車両のコンディションにも左右されるのでケースバイケース。ボディ、幌、室内の状態なども加味して、本当に満足できる車両を手に入れたい。
1st(NA/先々代)販売期間:平成元年~平成10年
中古車参考価格帯:20万~160万円 ※平成元年~平成10年式の相場です
ユーノスロードスター(5速MT)
主要諸元
全長×全幅×全高:3970×1675×1235mm
車両重量:940kg
排気量:1597cc
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力/最大トルク:120ps/14.0kgm
人馬一体をコンセプトに掲げたロードスターの原点
マツダロードスターの原点。その存在感は特大で、3代目のNC型であっても「ユーノス」の旧姓で呼ぶ人がいるほどだ。スタイルはいま見てもとてもチャーミング。「ひらり」と身を翻すフットワークも気持ちいいから、人気が衰えないのは当然だろう。1.6Lでデビューし、93年の改良時に1.8Lへと移行。クラシック調の「Vスペシャル」や硬派な走りの「RSリミテッド」など、数多くの人気モデルを輩出した。

IMPRESSION
森野恭行氏の歴代モデルインプレッション
3rd(現行) 先輩たちとの違いはグレードアップした走り

動力性能とスタビリティ強化により、「ひとクラス上」のパフォーマンスを楽しめるようになったのがNC型だ。だが、前期型はまだ荒削り。MT用ユニットの高回転化を図り、サスチューンを見直した08年末の改良で、完成度が高まった。RSのシャシーは17インチを履きこなすレベルとなり、RHTのノイズ対策も進化したから、自信を持って推奨できる。ちなみに、12年夏以降の後期型はブレーキのタッチ、アクセル応答のリニアさを改善している。
2nd(先代) マジメな進化をもって偉大な初代を引き継ぐ
NA型から進化したのは高速スタビリティ。「ちょろちょろ」するクセが消え、高速コーナーも正確にトレースできるから、ロングクルーズでも疲れない。代償として敏捷性は薄らいだが、走りの総合力は確実に高まったと言っていい。性能重視なら、ビルシュタイン製ダンパー採用の1.8RSが適任で、エンジンなどを強化した中後期型がねらい目。軽快感ある走りを好むなら、あえて1.6Lの5速MTモデルを選ぶのがおもしろい。1.6Lでも意外とよく走る。
1st(先々代) いまでも乗ることに意味が見つかる傑作
軽量FRスポーツの魅力を、ストレートに味わわせてくれるのがNA型だ。とくに、きわめて軽量な仕上がりの初期型1.6Lモデルは、抜群に軽やかな身のこなしが光る。ノーマルサス+14インチが生む「ひらり感」が持ち味だ。でも、峠を攻めるような走りを指向するなら、ビルシュタイン+15インチのSスペシャルやRSスペシャルのほうが向いている。ちなみに、1.8Lのお薦めは95年夏以降の「シリーズ2」。カギはエンジン改良と最終減速比の見直し。
※すべての価格は参考価格です