中古車購入
更新日:2025.01.28 / 掲載日:2020.09.03
BMW M2の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

ハイパフォーマンスな動力性能でスポーティーなドライビングを楽しめるBMWのM2に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるのか」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらいなのか」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
BMW M2の歴史
BMWの高性能モデルとして名高いMシリーズ。その中でも注目を集めるのが、2シリーズクーペをベースに設計されたM2です。M2は2016年1月、デトロイトモーターショーで華々しく発表されました。ベースモデルとなる2シリーズクーペは、ワイドで力強いボディラインと、動きを感じさせるスポーティーなデザインが特徴ですが、M2ではさらに全幅を拡大。より太いタイヤを装着し、走行性能を大幅に強化しています。駆動方式は全グレード共通でFR(フロントエンジン・リアドライブ)を採用。前輪が操舵、後輪が駆動を担当するこの方式は、トラクションを最大化できるため、スポーツ走行に適しているとされています。近年のBMWではFFや4WDモデルが増えつつありますが、M2は伝統的なFRにこだわり、前後の重量配分を理想的な50:50に設定することで、優れたハンドリング性能を実現しています。
2シリーズには、MパフォーマンスモデルのM235iやM240iもラインナップされていますが、M2はこれらとは一線を画す存在。M235iやM240iが2シリーズをベースに性能を強化したモデルであるのに対し、M2は部品レベルから徹底的な見直しを行い、走行性能を根本から高める専用設計が施されています。特別にチューニングされたエンジン、安定性を追求したサスペンション、高い制動力を誇るブレーキシステムが組み合わされ、これによりドライバーはより高度な走行が可能となりました。さらに、ステアリングやスポーツシートを含むインテリアデザインには、高級感とスポーティーさも兼ね備えています。
M2のパワートレインには、BMWの象徴ともいえる直列6気筒エンジン「シルキーシックス」を搭載。このエンジンは、燃焼タイミングやクランクシャフトの回転タイミングが完全に調和しているため振動が少なく、透き通るようなエンジン音を生み出します。また、環境負荷を低減しつつ燃費性能を向上させるダウンサイジングターボ技術も採用し、パワーと効率性を両立させました。
さらに、M2ではマニュアルトランスミッション(MT)を選択できる点も大きな特徴。近年ではMTを採用する車が減少し、スポーツカーでさえもATが主流となりつつありますが、M2はMTの採用によって「自らの手で車を操る」という原点的な楽しさを提供しました。このドライバーとの一体感が、M2をただのスポーツカーではなく、特別な一台に仕立て上げています。
2022年10月、2代目となる新型BMW M2 (G87型)が発表され、2023年2月から日本でも販売を開始。G87型M2は先代と同じFR駆動方式を維持しつつ、より高性能な3.0L直列6気筒ツインターボエンジン(S58型)を搭載。最高出力は460馬力に達し、6速マニュアルトランスミッション(MT)と8速ATの選択肢があります。
エクステリアは、四角形を基調としたエアインテークやフレームレスのキドニーグリルなど、ワイドで力強いデザインを取り入れました。さらに、新たにオプションとして「Mパフォーマンスパーツ」が用意されており、カーボン製のエアロやYスポークなども選択が可能です。
M240i xドライブ クーペ
クーペの進化形「M240i xドライブ クーペ」
エクステリアは、BMWのアイコニックなキドニーグリルを中心に、エッジの効いたラインと19インチのMライトアロイホイールを採用。インテリアでは、MスポーツシートやマルチファンクションMレザーステアリングが標準装備されており、高いスポーツ性能と快適性を両立しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2022年式:571万円~665万円
2023年式:605万円~685万円
2024年式:695万円~718万円
M240i xドライブ クーペは、販売開始から数年しか経っておらず、現時点の中古車市場における流通量は25台程度と少なめです。さらに、M240i xドライブ クーペは2024年7月で生産終了となったため、今後も市場に出回る台数はさほど増えないかもしれません。
先代モデルとの比較
現行モデル(G42型)のM240i xドライブ クーペは、コンパクトな2シリーズクーペのハイパフォーマンスモデルとして登場。最高出力387ps・最大トルク500N・mを叩き出す3.0L直列6気筒ツインターボエンジンを搭載しており、0-100km/h加速は4.3秒、最高速度250m/hにも達します。
足回りも強化されており、19インチアルミホイールや、高性能ハイグリップタイヤのパイロットスポーツ4S、Mスポーツブレーキなども標準で装備。インテリアには、専用のMスポーツレザーシートや、Mレザーステアリングホイール、カーブドディスプレイを備えたBMWライブコックピットなどが搭載されています。
エンジンは直列6気筒DOHCターボ、最高出力387ps。ボディサイズは全長4560mm×全幅1825mm×全高1405mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア(メタリック)
・スカイスクレイパー・グレー(メタリック)
・ファイヤー・レッド(メタリック)
・サンダーナイト(メタリック)
・ミネラル・ホワイト(メタリック)
・M ブルックリン・グレー(メタリック)
・M ポルティマオ・ブルー(メタリック)
・BMW Individual フローズン・ポルティマオ・ブルー(メタリック)
・BMW Individual フローズン・ピュア・グレー(メタリック)
・アルピン・ホワイト
・M ザントフォールト・ブルー
この中では、鮮やかな青の「M ポルティマオ・ブルー(メタリック)」が人気です。
M235i xドライブ グランクーペ
心を射抜く美しさと走り「M235i xドライブ グランクーペ」
パワートレインや足回りグランクーペの他グレードが1.5L直列3気筒エンジンであるのに対し、M235i ドライブ グランクーペでは306馬力を発揮する2.0L直列4気筒ツインパワーターボエンジン(B48型)を搭載。
また、他グレードのトランスミッションは7速ですが、DCTM235i xドライブ グランクーペでは8速スポーツATを採用しています。さらに、専用のMスポーツサスペンションや、Mスポーツブレーキ、18インチMライトアロイホイールなども装備。グランクーペのなかでも、特に走りを追求したモデルであることがうかがえます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2019年式:流通量希少により算出不可
2020年式:310万円~412万円
2021年式:356万円~408万円
2022年式:384万円~469万円
2023年式:384万円~543万円
2024年式:524万円~579万円
M235i xドライブ グランクーペは、もともと他のM2シリーズと比べて価格帯が低く、新車でも入手しやすい価格帯です。中古車市場では年式を選ばなければ、新車価格の半額以下で購入できる可能性があります。ただし、登場からまだ5年ほどであるためか、流通量は多くありません。
先代モデルとの比較
M235i xドライブ グランクーペは、FRではなくFFプラットフォームをベースにした4WDシステム「BMW xドライブ」を採用しているのが特徴。最高出力306psと最大トルク450N・mという2.0Lターボエンジンが生み出すパワーを、4輪全てに配分します。
デザイン面では、より洗練されつつも力強さを感じさせるスタイルを採用。エクステリアはセリウムグレーの専用キドニーグリルや、デュアルエキゾーストテールパイプを用いて、スポーティーさを演出しました。インテリアでは、リクライニングやメモリー機能が付いたスポーツシートや、デジタルメーターを標準装備しています。
エンジンは2.0L直列4気筒DOHCターボ、最高出力306ps。ボディサイズは全長4540mm×全幅1800mm×全高1430mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア(メタリック)
・スカイスクレイパー・グレー(メタリック)
・スナッパ―・ロック・ブルー(メタリック)
・メルボルン・レッド(メタリック)
・M ミサノ・ブルー(メタリック)
・アルピン・ホワイト
・ストーム・ベイ(メタリック)
この中では、高級感を感じられる黒色の「ブラック・サファイア(メタリック)」と上品に輝く白色の「アルピン・ホワイト」が人気です。
M2 コンペティション

よりM2の走行性能を高めている「M2 コンペティション」
外観上の違いはフロント周りやデザインが主で、専用のアルミホイールやグレーメタリック仕上げのブレーキキャリパーを採用している点などです。
インテリアでは、専用のインスツルメントパネルや専用ステアリング・高いホールド性をもつスポーツシートなどがベースグレードと異なります。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2018年式:459万円~715万円
2019年式:466万円~740万円
2020年式:490万円~739万円
2021年式:603万円~653万円
M2 コンペティションの中古車は、2018~2019年式のものを中心に500~700万円台の車両が多く出ています。最低でも新車価格から100万円以上値段が下がっていますが、高年式で走行距離も少ないため、コンディションの良好な個体を選ぶことが可能です。
先代モデルとの比較
M2 コンペティションは、その名のとおりM2の競争力をさらに高めたグレードとして、2018年に登場しました。M2のベースグレードにより高性能なエンジンを積み、CRPによる剛性強化や大径のMスポーツブレーキによる制動力のアップなどをすることで、M2よりもさらに走行性能を高めています。
また、高性能エンジンのポテンシャルを最大限引き出すため、M4と同等の冷却システムを採用するとともに、ラジエーターやオイル・クーラーを追加しました。外観はバンパーやキドニーグリルのデザインをベースグレードから見直すことで、アグレッシブなデザインに仕上がるとともに、専用のホイールもアクセントになっています。
また、M2のインスツルメントパネルは専用品が採用され、スタート時に表示される「M2 Competition」のロゴが印象的です。さらに、Mスポーツステアリングホイールに装備されたボタンにより自分好みのセットアップを記憶させ、そのセットアップを瞬時に呼び出せるというのも特徴です。
このグレードは2018年式以降のモデルで唯一販売されているグレードのため、中古車も2年ほどしか経っていない良好なものが購入できます。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力410ps。ボディサイズは全長4475mm×全幅1855mm×全高1410mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア(メタリック)
・アルピン・ホワイトIII
・ロングビーチ・ブルー(メタリック)
・ホッケンハイム・シルバー(メタリック)
・サンセット・オレンジ(メタリック)
この中では、高級感を感じられる黒色の「ブラック・サファイア(メタリック)」や、発色のよい白色が特徴の「アルピン・ホワイトIII」が人気のようです。
M2 ベースグレード
とことんハイスペックを追求した「M2 ベースグレード」
M2 ベースグレードは2018年に発売されたM2 コンペティションの登場に伴い、一旦はラインアップから姿を消すものの、2023年の2代目登場とともにラインナップへ復活しました。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2016年式:330万円~518万円
2017年式:298万円~598万円
2018年式:420万円~573万円
2023年式:740万円~990万円
2024年式:773万円~860万円
M2 ベースグレードの中古車はカスタムされて高額なものもありますが、初代は600万円以下で購入できる車両が多い傾向にあります。新車価格からの下がり幅を考えれば、お得な買い物と言えるかもしれません。一方、2代目はまだ数年しか経過しておらず、多少中古車が流通し始めているものの、価格はさほど下がっていません。
先代モデルとの比較
M2のベースグレードは、2シリーズをベースに走行性能を高めたモデルです。クーペらしい流れるようなフォルムや優雅さあふれるルーフラインなどは、2シリーズに相通ずるものがあります。
M2はフロントスポイラーに装着された台形のブレードや大型のエアインテークにより、優れた空力性能とエンジンやブレーキの高い冷却効果を発揮しました。また、それらのもつ特徴によるフロントマスクの力強さや19インチのホイールにより、パフォーマンスの高さが強調されています。
M2のインテリアは、ホールド性の高いスポーツシートやマルチファンクションのMスポーツレザーステアリングなどにより、スポーティーかつ高級な雰囲気が醸し出されました。M2は「M」の名が冠せられたモデルとして持ち合わせる、高い走行性能も特徴です。特にエンジンは、最大トルクを1,400rpmの極低回転から5,560rpmまでの広いレンジで発生させるため、ハイパワーながら扱いやすい特性をもっています。
M2 ベースグレードは登場から日が浅いため、それほど多くの台数は流通していません。ミッションについてはDCTモデルがほとんどのため、MTが欲しい人は根気強く探す必要があります。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力370ps。ボディサイズは全長4475mm×全幅1855mm×全高1410mmです。
第2世代(現行モデル):2023年~
第2世代にて、M2 ベースグレードが6年ぶりに復活。先代モデル(F87型)から進化したM2(G87型)には先進技術が導入され、さらなる高性能化を果たしました。
パワートレインには、3.0L直列6気筒ツインターボエンジン(S58型)を搭載し、最高出力は460psから480psへ強化。0-100km/h加速は約4.1秒を記録し、サーキットでの走行性能が大幅に向上しています。また、冷却性能の改善や剛性を高めるカーボン素材の活用により、安定したハンドリングが可能となりました。
エクステリアでは、フレームレスキドニーグリルや大きなエアインテークなど、現代的で力強いデザインを採用。ボディサイズがわずかに拡大しましたが、スポーツカーらしい低重心を維持しつつ、安定感の向上が図られています。
インテリア面でも進化が見られ、最新のBMWカーブドディスプレイやBMWインテリジェント・パーソナルアシスタントなど、デジタル化が進んでいます。第2世代M2は、日常使いから本格的なスポーツ走行まで幅広いニーズに応えるモデルとなりました。
エンジンは3.0L直列6気筒DOHCツインターボ、最高出力480ps。ボディサイズは全長4580mm×全幅1885mm×全高1410mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア(メタリック)
・スカイスクレイパー・グレー(メタリック)
・ファイヤー・レッド(メタリック)
・M ブルックリン・グレー(メタリック)
・M ポルティマオ・ブルー(メタリック)
・BMW Individual フローズン・ポルティマオ・ブルー(メタリック)
・BMW Individual フローズン・ピュア・グレー(メタリック)
・アルピン・ホワイト
・M ザントフォールト・ブルー
・M サンパウロ・イエロー
この中ではM2 コンペティション同様、高級感の感じられる黒色が特徴の「ブラック・サファイア(メタリック)」や、上品に輝く白色が特徴的な「アルピン・ホワイト」が人気です。
M2 CS

国内60台限定の「M2 CS」
M2 CSはコンペティショングレードをベースにして、サーキット走行において更なる高パフォーマンスを追求したモデルとなっています。コンペティションよりもボディを軽量化するとともに、エンジン・ブレーキ・サスペンションなど、走りに関するあらゆる装備を徹底的に見直すことで、高い走行性能をさらに追求しました。
中古で購入する際の目安となる予算
先代モデルとの比較
M2 CSは2020年に国内60台限定として発売されましたが、BMW Japanからプレスリリースが出た時点で完売している「幻のモデル」です。M2自体が高い走行性能を追求した車種なのですが、CSはそれをさらに突き詰め、公道走行でもサーキット走行でも高いパフォーマンスを発揮するとともに、究極のドライビングプレジャーが追求されています。
それを実現させるのは、3.0Lのツインパワーターボエンジンや専用チューニングのアダプティブMサスペンション・パワーを左右のリヤホイール間で最適配分するアクティブMディファレンシャルなどの装備です。また、Mカーボンセラミックブレーキがオプション設定されていました。高出力エンジンの動力を伝えるトランスミッションは、伝達効率の高い7速DCTモデルに加え、車を操る喜びにつながる6速MTモデルも選べます。駆動方式は、操作性の高いFRを採用しました。CSはそのインテリアも、重量を最適化したスポーツシートやアルカンタラ素材を用いたインテリアトリムなど、スポーティーさにこだわった内容となっています。
M2 CSはわずか60台しか日本国内に導入されていません。即完売という人気の高さに希少価値の高さもあいまって、中古車として流通する可能性はほとんどないでしょう。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力450ps。ボディサイズは全長4475mm×全幅1870mm×全高1415mmです。
人気のあるカラー
・鮮やかな青色が印象的な「ミサノ・ブルー」
・他車種でも人気白系の「アルピン・ホワイト」
・高級感漂う黒色の「ブラック・サファイア」
・落ち着いた雰囲気を醸し出している「ホッケンハイム・シルバー」
日本国内で60台限定でしか販売されていないため、このグレードの人気のカラーは分からない状況です。
M2 エディションブラックシャドウ

随所を黒で統一した「M2 エディションブラックシャドウ」
一方、走行面の装備は特段の変更点がなく、内外装における見た目のアクセントが他グレードとの主な違いです。ただ、黒がエクステリアやインテリアを彩ることでM2のスポーティーな世界観を演出しているのは、エディションブラックシャドウならではの特徴といえます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2018年式:486万円
2019年式:388万円
M2 エディションブラックシャドウは、2018年に台数限定で発売されたグレードです。現時点の中古車市場では、新車当時の5割程度まで価格が下がっていますが、限定車のためタマ数は多くありません。走行距離はそれほど多くありませんが、見つけたからとすぐに飛びつくことはせず、車のコンディションはしっかりと見極めましょう。
先代モデルとの比較
2018年に100台限定で発売されたのが、M2 エディションブラックシャドウです。グレード名が示すとおり、内外装のパーツにブラックを多用することで高い個性を放っています。BMWとして高いアイデンティティを示すキドニーグリルをはじめ、カーボン製のリアディフューザー・クローム仕上げのエキゾーストパイプなどをすべて黒で統一しており、独特の存在感があるのが特徴です。
インテリアもブラックを基調としながら、その中にブルーステッチをアクセントにすることでスポーティーさを演出しているレザーシートなどが、このグレードの個性を引き立たせています。M2 エディションブラックシャドウは7速DCTモデルのみのラインアップで、MT車は用意されませんでした。駆動方式は他のグレードと同様、FRのみが採用されています。
また、M2 エディションブラックシャドウは台数限定で発売されたグレードですが、その中古車はわずかながら流通しています。足で稼げばそれぞれの個体を比較することもできるので、比較的購入しやすい限定モデルといえるでしょう。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力370ps。ボディサイズは全長4475mm×全幅1855mm×全高1410mmです。
人気のあるカラー
※本記事は、2025年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。