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更新日:2019.06.18 / 掲載日:2018.06.04
【いすゞ】職人による流麗で美しいハンドメイド(手作り)ボディの117クーペについて

グーネット編集チーム
現在は、トラック・バスの製造販売メーカーとして有名ないすゞ自動車ですが、かつて、乗用車のベレット、ジェミニ、ピアッツァ、SUV車のビッグホーンなどを販売していました。
約15年前の2002年9月に、いすゞ自動車は乗用車及びSUV車の販売を終了しています。
1969年の広告にある「いすゞは無個性な車はつくらない」とのキャッチフレーズの通り、いすゞ自動車は個性あふれる乗用車を製造してきました。
1968年に登場した117クーペも職人によるハンドメイドのクルマで個性があふれています。
今回は、初代トヨタカローラが登場するなど、マイカー時代が本格的に到来した時期に登場した、エレガントかつ流麗で美しいデザインの高級パーソナルカー「117クーペ」を紹介します。
117クーペ「117」とは
1966年のジュネーブ国際モーターショーに出品されたのが117クーペの元になるショーカーが出展されました。
なめらかなカーブを描く流線型のボディラインと4名乗車可能なクーペは、デザインがイタリアにあるカロッツェリア・ギア社のジウジアーロが担当したことと、当時の開発コード番号が117であったことから「ギア・いすゞ117スポルト」と名付けられ、会場で注目されました。
同じ年の東京モーターショーでも117クーペは出展され、注目を集めました。
ショーカーでは終わらない。117クーペの市販化を実現させた、いすゞ自動車
モーターショーで注目を集め、市販を望む声が高まり、いすゞ経営陣もショーカーで終わらせたくないという思いがありました。
そこで、いすゞ自動車は、当時の開発コード番号をそのまま車名として「117クーペ」として量産化に踏み切りました。
イタリアから技術指導のため板金職人を招き、ボディをたたき、ハンダを盛り、ヤスリでこするなど多くの部分を職人による手作業で造りました。
こうして、1968年に117クーペが誕生しましたが、ハンドメイドのため月産わずか50台しか生産できませんでした。
117クーペの販売価格は172万円で、とても高価な高級車でした。
参考までに当時のスポーツカー、スカイラインシリーズの日産スカイラインGT-R(PGC10、ハコスカ)の価格が150万円、一般的な2000GTグレードは86万円、トヨタが世界を驚愕させたスポーツカー2000GTが238万円でした。
生産工程の多くの部分を手作りで製造されたという希少性や、「走る芸術品」とも称されるデザイン性から、117クーペは現在でも語り継がれる一台となっています。