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更新日:2019.06.18 / 掲載日:2018.02.20
【マツダ】燃費の向上・CO2排出量の低減効果に貢献する「i-ELOOP」とは

グーネット編集チーム
i-ELOOP(アイ・イーループ)とは、2011年にマツダが開発し、以降の新型モデルに順次採用した、世界でも類を見ない「減速エネルギー回生」技術です。
i-ELOOPとは
スズキの「エネチャージ」に代表される、これまでのエネルギー回生技術では、失われていく減速時発生エネルギーを、モーターやオルタネーターなどといった発電機構で電気エネルギーとして回収し、加速時にモーターでエンジンをサポートするシステムで再利用していました。
しかし、このi-ELOOPの場合は、通常12V程度の発電圧であるオルタネーターを、25Vの高電圧を発生可能な「高性能オルタネーター」に変更しています。
こちらでは、走行中にアクセルをOFFした瞬間から発電が開始され、自動車用に新開発された「低抵抗電気二重層キャパシター(コンデンサーの一種で、大容量の電気エネルギーを化学変化させず、電気のまま蓄電できるもの)」を、7~10秒という短時間で満タン充電することが可能になっています。
キャパシターに溜められた25Vもの高圧電気エネルギーによって、エンジンの始動時に使用するバッテリーへの充電がまかなえます。
また、キャパシターに溜められている最大25Vの電圧を、DC/DCコンバーターによって12Vに変換できるため、エアコン、カーオーディオなどの車内の快適装備やAV機器、ヘッドライト・ストップランプ・車内灯で使用される電力も確保されます。
つまり、車に関する消費電気エネルギーをオルタネーターによる発電に頼ることなく、減速時に回生したエネルギーだけで、ほぼすべてまかなうことを可能なのです。
結果として、走行中の内燃エンジンはすべてのエネルギーを車の駆動に注ぎ込めるため、燃焼効率が飛躍的にアップすることが予想されます。
事実、開発をしたマツダの発表ではこのi-ELOOPの採用で、従来の発電システムと比べて約10%の燃費向上が可能だと自信をのぞかせています。
i-ELOOPがもたらす効果
このi-ELOOPはエネチャージと異なり、モーターによってエンジンのサポートをするのが目的ではなく、従来の内燃エンジンが発電のために消費していたエネルギーを極限まで減らすという発想で生まれた技術です。
そのため、このi-ELOOPを車に採用するにあたって、エネチャージでは必須の電気式の大型モーターが、一切必要ありません。
つまり、車に搭載するにあたって大掛かりな改良が必要なく、機構も非常にコンパクトかつ軽量であるため、どんなガソリン車にも低コストで採用しやすいというメリットがあります。
また、近年の車種は電装装備が充実しそれに伴ってバッテリーの劣化スピードが速いというのも、エコの観点からみて非常に問題でした。
しかし、このi-ELOOPは電力供給のほとんどがバッテリーではなく、「キャパシター→コンバーター」の流れで行われるため、バッテリーの長寿命にもつながることが予想されます。
i-ELOOPが搭載されている主な現行車種(2017年11月現在)
現在、このi-ELOOPが全車に搭載されているのは、2012年に登場した、現行モデルの3代目アテンザです。
また、アクセラ・CX-3・ロードスターの現行モデルの一部にも、このi-ELOOPが搭載されています。
・アテンザ(ATENZA)
アテンザセダン・アテンザワゴン
・アクセラ(AXELA)
アクセラスポーツ(22XD PROACTIVE・22XD L Package)
アクセラセダン(22XD PROACTIVE・22XD L Package)
・CX-3
20S PROACTIVE・20S L Package・XD PROACTIVE AT車・XD L Package AT車(メーカーオプション)
・ロードスター(ROADSTER)
S Special Package AT車・S Leather Package AT車・RED TOP AT車(標準装備)