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更新日:2019.06.18 / 掲載日:2018.02.20
【ポルシェ】スポーツ4WDモデルの礎ともなった「ポルシェ959」の性能とは?

グーネット編集チーム
ポルシェ959は、レーシングカーのクラス「グループB」のホモロゲーションを取得するために、292台のみが限定生産されました。
4バルブのシリンダーヘッドを備えた水冷式水平対向ツインターボエンジン、電子制御シャシー、エアロダイナミクスを最適化したボティに至るまで、ポルシェが当時の自動車エンジニアリングの技術を結集させたスーパーモデルです。
当時の価格は420,000ドイルマルクと非常に高価格でも、すぐに完売しました。
当時の対円為替レート、1マルク約80円(1987年)で計算すると約3,360万円でした。
ホモロゲーションとは
ホモロゲーションとは、FIA(国際自動車連盟)のレース出場に必要な型式認定のことです。
1982年にグループBのホモロゲーションは、連続する12か月に200台を製造すれば取得できるようになり、ポルシェ959も当時は200台の限定生産予定でした。
日本では、スバルインプレッサWRX STIもホモロゲーション取得のためのグレードでした。
ポルシェ959の軽量ボティと空力性能
ポルシェ959は、911から流用した、スチール製モノコックボディやガラスファイバーで強化された強化プラスチック製のボディシェル、アルミニウム製のフロントフードやドアパネルが採用されました。
現代のスポーツカーで納得できるような造り込みが、1985年にポルシェ959が導入しています。
停止状態から時速100キロまでの加速が3.7秒という、圧倒的なパワーとパフォーマンスを誇る959は、ほんの少しの揚力でも命とりになりかねないことを考え、空力性能を徹底的に追求し、Cd値は0.31を実現しました。
パワーを確実に伝えるポルシェ959の4WDシステム
ポルシェ959の4WDシステムは、単に雪道等で安全に走ることを目的とした4WDシステムではありません。
450馬力という圧倒的なパワーを誇る959では、後輪のみの駆動方式ではホイールスピンなど伝達ロスにつながり、走行時の再加速時も安定した加速が得られなくなります。
そのため、959では走行状況に応じて駆動力を自動制御するフルタイム4WDシステムを搭載しています。
ステアリングコラムから伸びるレバーで、路面状況に応じて最適な駆動モードを選択できるシステムを搭載していました。
電子制御式の油圧多板クラッチにより、定速走行状態では40%、フル加速時には20%、グリップを失いそうになると50%の駆動力をフロントタイヤに伝達する仕組みです。
更にリヤ・アクスル・ディファレンシャルにも最大100%対応の可変デフロック機能も装備し、前後の駆動配分が絶妙にコントロールされ伝達ロスを最大限に減らしています。
安定的に速く走るための4WDシステムです。