中古車購入
更新日:2018.11.08 / 掲載日:2018.02.19
ONE MAKE MARKET RESEARCH MAZDA RX-8

※写真はマツダ RX-8 タイプS(2003年)
現時点では最後のロータリーエンジン搭載車。それがRX-8だ。数あるスポーツカーの中でもここまで濃い個性を持っているクルマは少ない。
2003年~2012年
2003年式 マツダ RX-8 タイプS(6速MT)
全長×全幅×全高 4435×1770×1340mm
ホイールベース 2700mm
トレッド前/後 1500/1505mm
車両重量 1310kg
総排気量 1308cc
エンジン 直列2ローター
最高出力 250ps/8500rpm
最大トルク 22.0kgm/5500rpm
10・15モード燃費 9.4km/L
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 225/45R18
中古車参考価格帯:30万円~310万円(03年~12年 ※全グレード)
スポーツカーのなかでも変化球のパッケージ
スカイアクティブと呼ぶ次世代技術で元気を取り戻したマツダだが、クルマファンにとっては復活が待ち遠しいエンジンがある。それが「ロータリーエンジン」。かつてはマツダで多くの車種(トラックやマイクロバスにまで!)搭載されていたが、燃費の悪さや排ガス規制への対応が難しいゆえに次第に採用が縮小。いま現在、残念なことに搭載を休止している状態だ。
そんなロータリーエンジン搭載車として最後まで生産されていたのが「RXー8」。ロータリーエンジン好きにとってはたまらない車両であると同時に、とても個性的なキャラクターであることにも注目したい。
たとえばパッケージング。スポーツカーでありながらも後席は実用的だからファミリーユーザーでも使えないことはない。観音開きのリヤドアを備えているから乗り降りが容易にできるのも、一般的な2ドアのスポーツカーとは一線を画している。
一方で、走りはピュアスポーツカーそのもの。孤高のロータリーエンジンは信じられないほど軽快に高回転まで吹け上がり、エンジンを回す喜びを感じられる。またハンドルを切るとスッと鋭く向きを変える操縦性も軽量なロータリーエンジンの特性を生かしたものだ。
高次元の走りを備えたスポーツカーだけど実用的。そんな存在だ。
前期型と後期型ってどこが違うの?
前期型 2003年~2008年
デビュー当時のフロントマスクはペンタゴングリルを強調している
前期型は「ペンタゴングリル」と呼ぶ5角形のグリルを強調したフロントバンパーが特徴。前部の灯火類はすべてヘッドライトユニットのなかに組み込まれ、フロントバンパーには一切のライトがないのでシンプルな印象を受ける。いっぽうでリヤスタイルは後期モデルとあまり変わらないが、テールランプユニットのデザインが違う。
大胆なフロントフェンダーが個性的で、後方にはスリットを備える。テールランプの内部も凝った意匠だ。
後期型 2008年~2012年
大型フロントバンパーでスポーティ感をいっそう強調
シャープになったフロントバンパーを採用し、あわせてフロントフェンダーの形状も改めた後期型。バンパーにはウインカーなども組み込まれている。テールランプはLED化しデザインを刷新。スタイルだけでなくエンジンも変更され、最高出力が235馬力に低められて低中速重視のセッティングになった。インテリアも質感を向上。
運転姿勢から走りをサポートするために、身体保持性が高いレカロ社製シート装着車も用意された。
INTERIOR インテリア
普通のスポーツカーと違う大人4人が座れる室内
優れた走行性能を持ちながらも、実用的な後席を備えているからファミリーユースにも問題ない。そんなRX-8だが、運転席に収まればしっかりとスポーツカーらしい包まれ感でドライバーを迎えてくれる。大きく構えたセンターコンソールは前席だけでなく後席まで続いていて、リヤシートは2人掛けだ。
※写真はマツダ RX-8 タイプS(2003年)
スポーツカーらしくタコメーターがもっとも大きなデザインで中央に配置。その中にデジタルのスピードメーターが組み込まれている。
選べるトランスミッションは3タイプ
トランスミッションはMTとATが選べるが、MTはエンジンによりベーシック仕様は5速、高出力仕様は6速を組み合わせる。ATは当初4速だったが、2006年8月の改良以降は6速へとアップデートされている。
MECHANISM メカニズム
ロータリーエンジンを筆頭にこだわりのメカを積極搭載
世界中を見まわしても唯一となったロータリーエンジンの搭載だけでなく、RX-8にはこだわりの技術が惜しみなく投入されている。マツダが目指したのは、新世代のスポーツカー。走りと実用性の両立を目指し、4人乗りながら軽量なロータリーエンジンの特徴を活かしてエンジンを前輪よりも後方に置いたフロントミッドシップを実現している。
オープンカーであるロードスターの車体設計技術を生かし、ボディ下部中央に丈夫なフレームを通すことでボディ剛性を向上。
サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーンでリヤがマルチリンク。コストを度外視し走行性能を第一に考えた選択だ。
走りを極める「スピリットR」とは?
有終の美を飾る特別なモデルが、2000台が限定生産された「スピリットR」。MTモデルはレカロ製のバケットシート、ATモデルはブラック+赤ステッチの専用内装に加えスポーツサスペンションや大径ブレーキで運動性能を高めている。
中古車参考価格帯:120万円~310万円(11年~12年 ※スピリットR)
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2018年1月調べ。

MODEL HISTORY モデルヒストリー
2003年4月 RX-8を発表
個性的なデザインとパッケージングを備えたスポーツカーとして、また世界で唯一のロータリーエンジン搭載市販車としてデビュー。パッケージングや動力性能などは異なるものの、実質的には「RX-7」の後継車だ。
2004年8月 一部改良
エンジン本体に変更はないが排出ガス規制への適合などで、型式をLA-SE3PからABA-SE3Pへと変更。イモビライザーも標準装備化。
2005年10月 一部改良
インテリアをリファインして質感を向上。携帯するだけでドアのアンロックやエンジン始動ができる非接触式キーをオプション設定した。
2006年8月 一部改良
メカニズム面が大きく進化。ATが4速から6速に多段化され、AT車の最高出力が210馬力から215馬力へと高められている。
2008年3月 マイナーチェンジ
ビッグマイナーチェンジで内外装デザイン、車体剛性、サスペンション、そしてパワートレインと幅広くアップデート。もっともスポーティなグレード「タイプRS」もこのタイミングで追加された。
2009年5月 一部改良
装備の変更点が施されたが、メカニズムにおける変更点はない。この変更をもって通常モデルは最終仕様となっている。
2011年10月 「スピリットR」を追加
生産終了がアナウンスされ、それを記念する特別限定車「スピリットR」が登場。MTとATがあり、前者にはレカロ社製のフルバケットシートが標準装備される。後者は専用インテリアを採用。
2012年4月 「スピリットR」を追加生産
好評を受けて、当初は1000台のだけの予定だった「スピリットR」がもう1000台追加された。ATモデルはスポーツサスを装着。
MAZDASPEED マツダスピード
マツダスピード製パーツを採用した限定モデルってどんなクルマ?
03年と04年に合計2度発売されたマツダスピードバージョンは、サスペンション強化に加えてエキセントリックシャフトまわりのバランス調整や専用PCMなどエンジンにまで手が入りフィーリングを向上。04年モデルは車高調整式サスペンションにアップグレードされている。
バージョンI
バージョンII
中古車参考価格帯:130万円~180万円(03年~04年 ※マツダスピードバージョン)
MARKET DATA マーケットデータ
コンディションによって価格は大幅に異なる
スポーツカーとしては販売台数が多く、そのおかげで中古車台数も豊富。初期型なら50万円以下の予算で十分ねらえる一方、後期型(とくにスピリットR)は200万円以上の高価格で販売されるケースもある。前期、後期ともに低走行の良質車が残存しているが、相場はやや高め。
年 式
デビュー年である2003年式とその翌年がそれぞれ21%と、もっとも豊富。全体の4割以上がこの初期型ということになる。MC時の2008年式も多い。走行距離
登場から15年が経過したが、低走行物件探しはまだ可能。5万km未満は3割近く流通している。全体的に見ると5~8万kmあたりがコアゾーンだ。
グレード
スポーツカーゆえ、走りの装備が充実する「タイプS」がもっとも豊富。限定車の「スピリットR」は低走行かつ高価格な物件として流通している。
グレード×年式別相場(RX-8)
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
標準車/タイプG | 43万円 | 43万円 | 48万円 | 63万円 | 63万円 | 89万円 | 105万円 | 115万円 | – | – |
タイプE | 38万円 | 40万円 | 61万円 | 57万円 | 66万円 | 98万円 | 101万円 | 158万円 | 122万円 | – |
タイプS | 61万円 | 70万円 | 71万円 | 82万円 | 95万円 | 119万円 | 121万円 | 113万円 | – | – |
タイプRS | – | – | – | – | – | 140万円 | 170万円 | 203万円 | 206万円 | – |
スピリットR | – | – | – | – | – | – | – | – | 166万円 | 238万円 |
走行距離×年式別相場(RX-8)
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5万km未満 | 62万円 | 77万円 | 82万円 | 87万円 | 94万円 | 153万円 | 167万円 | 203万円 | 206万円 | 255万円 |
5万km~8万km | 49万円 | 54万円 | 65万円 | 71万円 | 83万円 | 124万円 | 150万円 | 150万円 | 149万円 | 177万円 |
8万km以上 | 48万円 | 50万円 | 47万円 | 54万円 | 59万円 | 98万円 | 120万円 | 104万円 | 139万円 | 173万円 |
編集部イチオシ!
買いのグレードはどれ?
⇒タイプS
前期型のトップモデル「タイプS」が物件豊富かつ価格も手ごろで探しやすい。250馬力のハイパワーユニット+6速MT、スポーツサスを採用し、FRスポーツとして今でも楽しめる。
IMPRESSION インプレッション
自動車ジャーナリスト工藤貴宏のマツダ RX-8の GOODとBAD
GOOD
時代に流されない孤高の存在 他のクルマにはない魂がある
なにより素晴らしいのはロータリーという個性的なエンジン。アクセルを踏んだ時の軽快な回転上昇が自慢のこのエンジンを積んでいるだけで買いたくなってくる。そのうえ個性的なスタイルや鋭く切り込むハンドリングを備えているのだから、マニアにはたまらない1台だ。この濃い味わいは、RX-8のほかはRX-7などロータリーエンジン搭載のスポーツカー以外は味わえない。
BAD
燃費はよくない購入するならガソリン代は覚悟を
はっきり言って燃費は悪い(「良くない」ではない)。今どきのクルマの半分程度しか走らないから、ガソリン代が掛かることはしっかり覚悟しておこう。その点を除けば、とくに大きなバッドポイントは見当たらない。趣味のクルマとして考えて燃費は気にしないというなら、ナイスな選択だ。後席は大人も無理なく座れるが、広さや快適性に関しては過度な期待をしないこと。
ユーザー口コミレビュー
ロータリーサウンドが独特でイイ音。マニュアルシフトの操作感もクイックで楽しく、クルマの動きも分かりやすくて思ったとおりに操作できます。トランクルームがもっと広ければさらに満足。
総合評価:3.9/5.0
ドライバー歴:不明
グレード:タイプS
街乗りでも運転が楽しいクルマ。FD3S以上のコーナリングマシンで、エンジンは上まできれいに吹け上がります。欠点は、思った以上に燃費が悪いこと。リッター当たり6km程度です。
総合評価:4.4/5.0
ドライバー歴:25年
グレード:タイプS
燃費とメンテナンスは、このご時世としては相当のマイナス。そのマイナス部分も踏まえて所有することが楽しいと思えればいいクルマだと感じる。後部座席の観音開きの使い勝手がよい。
総合評価:4.0/5.0
ドライバー歴:13年
グレード:タイプE
※口コミレビューは、グーネットに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。
※すべての価格は参考価格です。
※中古車参考価格はすべてグーネット2018年1月調べ。