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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

カスタムより上級のダイハツ ムーヴ! “ハイパー”新設定

軽の“本流”と位置づけの新型ムーヴ

【本記事は2015年1月にベストカーに掲載された記事となります。】いま、まさに軽のシェアトップ争いは熾烈を極めている。’14年1~11月の軽販売台数は、スズキが首位の63万7253台。いっぽうダイハツは63万1984台の2位で、5269台差でスズキを猛追するという構図。ダイハツとしては、’13年まで7年間死守してきた軽トップの座を是が非でも死守したいハズだ!!そんななか12月12日に発表されたのが新型ムーヴ。ダイハツ自身、軽の“本流”と位置づけるだけに新型ムーヴは、ボディや足回りなどクルマの本質から安全装備に至るまで、大幅に刷新された。 その価格は右上の表のとおりで、たとえば先代の最廉価グレード「L」が110万572円だったのに対し、新型の「L」は113万4000円。グレードにより幅はあるが、先代比3万~5万円高というのが目安だ。

新設定のカスタム“ハイパー”のポイントは?

こちらはムーヴカスタムのインパネ。シルバーヘアライン調のガーニッシュや軽初のTFTカラーディスプレイを採用するなど質感を大幅に高めた

こちらはムーヴカスタムのインパネ。シルバーヘアライン調のガーニッシュや軽初のTFTカラーディスプレイを採用するなど質感を大幅に高めた

今回のモデルチェンジの大きなポイントは、新たなグレード展開だ。ムーヴは従来、標準とカスタムという内外装の異なるふたつのモデルを展開していたが、新型では、カスタムのさらに上級グレードとしてカスタム“ハイパー”を新たに設定。 カスタム“ハイパー”は、専用デザインのアルミホイールを採用。また、ダーククロームメッキのグリルやグリル下部、フロントフォグランプのLEDラインも通常のカスタムとの違い。さらに、内装では本革をサイドに使用したシートやブルー系にカラーリングされたインパネガーニッシュも“ハイパー”だけの専用装備。ちなみにカスタムRS“ハイパー”はカスタムRSに比べ、7万5600円高の価格差だ。 カラーリングではトレンドの2トーンカラーを新設定。5パターンが選べ(すべて標準色から5万4000円高)、カスタム“ハイパーだけでなく、通常のカスタムでも選択可能だ。

基本性能をイチから見直し、進化させた新型ムーヴ

ボディは板厚形状も最適化し20kg軽量化。

ボディは板厚形状も最適化し20kg軽量化。

今回は上屋となるボディも新たに設計。新型ムーヴが採用した新開発の「Dモノコック」は、サイドアウターパネルの全面に厚板の高強度鋼材ハイテンを採用。さらに新型ではバックドアなどの外板樹脂化も行うことで、20kgの軽量化を達成した軽量高剛性ボディ骨格構造。しかも衝突安全性は従来型と同等の水準をキープした。

Dサスペンション

フロントのバンプストッパーはウレタン材の使用と早当て化でロールの抑制と乗り心地の両立を図るなど足回りも改良

フロントのバンプストッパーはウレタン材の使用と早当て化でロールの抑制と乗り心地の両立を図るなど足回りも改良

いっぽう足回りでは「Dサスペンション」を採用。リアサスペンションとストラットの剛性アップ、ブッシュ特性の見直し、さらにはコイルスプリングとアブソーバ特性の最適化を図ることで、乗り心地を改良してきた。

燃費

こちらがDアシストのパワーモードスイッチ

こちらがDアシストのパワーモードスイッチ

そして気になる燃費だが、こちらはフロントアンダースポイラーなどを採用し、Cd値を約10%低減。空力性能の向上で、NAは先代比2km/Lアップの31.0km/L、ターボで同2.2km/Lアップの27.4km/Lを実現した。では、動力性能はどうか? 近年、軽自動車界では特に熾烈な燃費争いが繰り広げられてきた。これはムーヴにかぎった話ではなく、ワゴンRなどのライバル車もその熾烈な争いのなかで燃費向上のため、さまざまなテクノロジーを搭載してきた。このように燃費性能を突き詰めてきたにもかかわらず、主要メーカーの最新軽モデルに乗ると、NAエンジン車でも充分な動力性能を持つことに驚かされる。が、それでもフィットやデミオといったコンパクトカーからダウンサイジングしたユーザーにとって、軽の動力性能は非力に映ることもあるだろう。そこで、新型ムーヴに搭載されたのが「Dアシスト」だ。これは、ステアリングスイッチを「パワーモード」にするとエンジンとCVTの制御が変わり、同じアクセル開度でもエンジン回転数が上がり、スロットル開度が高くなることで、レスポンスが向上するという仕組み。その効果のほどは試乗レポートで改めてお伝えするとして、このようにドライバビリティの向上にも目を配っている点は評価できるポイント。

“スマアシ”は、後方誤発進抑制機能を搭載!!

会場では後方誤発進抑制制御の体験も行われた

会場では後方誤発進抑制制御の体験も行われた

基本性能に磨きをかけた新型ムーヴだが、予防安全技術も進化させてきた。衝突被害軽減ブレーキのスマートアシストには軽初となる後方誤発進抑制制御機能を搭載。ペダルの踏み間違いなどにより、「リバースに入れたまま強くアクセルを踏んでしまった!!」という時でも、ソナーセンサーが障害物を検知、エンジン出力を抑えてくれる。

ライバル車と比べてどう?

ムーヴとガチンコライバルとなるのは、ワゴンRやN-WGNなどのハイトワゴン系。まずは、燃費性能からチェック!!左の表はハイトワゴンカテゴリーのJC08モード燃費を並べたもの。新型ムーヴはNAでは2位。ワゴンR、S-エネチャージ搭載車の32.4km/Lは圧倒的な数値だが、エネチャージ搭載グレードのFXでは30.0km/Lとなるなどそのほかグレードでは燃費が落ちるワゴンRに対し、ムーヴは全グレード31.0km/Lを実現しているのがポイント。さらにターボ車ではクラストップの27.4km/Lという低燃費を実現している。

居住性・ユーティリティ・価格

バックドアはムーヴの特徴であった横開きからスタンダードな上下開きタイプに変更された

バックドアはムーヴの特徴であった横開きからスタンダードな上下開きタイプに変更された

では、室内の居住性はどうだろうか? こちらは下の諸元表をみてもわかるとおり、室内長ではワゴンRが最も長く、ムーヴは2位の2080mm。が、室内幅ではムーヴがワゴンRを上回るものの今度は、N-WGNがトップとなるなど、各車拮抗。そして、室内高でもN-WGNがトップで以下ムーヴ、ワゴンRの順となる。ただ、これはそもそもの全高が3車違う点を差し引く必要がありそうだ。単純な室内スペースの比較は以上のような結果だが、ユーティリティ面ではどうか? このクラスのモデルは各車ともにリアシートのスライド機構を備えているが、ムーヴの前後スライド量は240mm。これは、N-WGN(210mm)や、eKワゴン(170mm)にも勝る値だが、特筆すべきは荷室長。リアシートを最前にセットすればクラストップとなる575mmの荷室長を確保。これまではN-WGNの荷室長が560mmでトップだったが、それを上回る積載性は頼もしい。最後に価格面を比較すると各車の中間グレードはワゴンRFXが119万6640円で、ムーヴX“SA”が130万6800円。そして、N-WGN G・Aパッケージは128万5715円となる。ワゴンRの安さが際立つが、ターボ車となると話は変わり、ムーヴ優勢。ワゴンRでターボを選ぶなら159万5160円のスティングレーTしか選択肢がなく、ムーヴXターボは131万7600円。N-WGNのターボ最安もG・ターボパッケージの138万8572円なので、ムーヴの割安感が目立つ。まさに全方位で進化を遂げた新型ムーヴの登場でハイトワゴンの争いは激化必至だ!!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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