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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
ランドクルーザー70はどこまでも包容力のあるタフガイ
ランドクルーザー70が期間限定販売で復活!

V6、DOHC3955ccの1GRFEエンジンを搭載。低速トルクがあるため、発進は2速からが正解
【本記事は2014年10月にベストカーに掲載された記事となります。】04年に販売中止となったランドクルーザー70が来年6月までの期間限定販売で復活! 男臭いクロカンが大好きという飯田裕子さんは、そのなが~いシフトストロークに魅せられてしまったようだ「旧めかしい“RV”がズラリと並んでいるな」と思ったらこの日の主役、ランドクルーザー70だった。ランクルの原点は1951年に誕生したトヨタジープBJシリーズとなる。’60年には40シリーズが登場。発展型の70シリーズは’84年に登場した。’04年に国内販売は終了したものの、マニアを中心に日本でも復活を望む声が大きかった。70はトヨタ車体の吉原工場で生産されるが、月産6500~7000台が生産され、その6~7割が中近東で販売されている超人気モデル。日本仕様は来年6月までの期間限定で約2000台が生産される予定だが、受注が好調で、すでに納期は来年というディーラーもあるという。
耐久性と信頼性それだけですごく魅力的

インテリアはご覧のようにシンプルそのものだ。ただし、販売店オプションでTコネクト対応ナビも装着できる
耐久性と信頼性それだけですごく魅力的ランクル70の変わらずに在り続ける姿とは、優れた耐久性と信頼性、悪路の走破性を満たすものとして「必要なところは変えない機能美」にある。ラダーフレームシャシーにリジッド式のサスペンションシステム(フロントにコイル、リアにはリーフスプリング)を組み合わせ、ランクル40以降変わらぬパートタイム4WDシステムはL4、H4、H2の駆動方式を選ぶことができる。私の記憶が確かならこのクルマのハンドルを握るのは実は初めてじゃないかと思う。アナログメーターの雰囲気や天井脇に備え付けられたハンドグリップの細さは“今風”ではまったくない。エンジンをかけた時の「ブフォーン」と吠えるような音質や音の大きさもノスタルジック。ハンドルの手応えと重さこそ普通だったが、シフトレバーの長さとストロークの大きさはやはり独特だ。1速から2速へとチェンジするシフトストロークが20cmほどもあるだろうか。マニュアル通りに1速ギアから走らせ順々にシフトアップを行う動作はまるで船のオールを漕ぐよう。現代の乗り物としてはとても緩々としている。急ぐ気にもならず急のつく操作をしようとも思わない。空気の澄んだドライブ日和であれば、窓を開け放し、髪をバサバサさせながら解放感にひたるドライブがピッタリだ。またピックアップの荷台の波状の床面やホイールハウスの張り出しのあたりの鉄板の重厚さも含め、ディテールのリアルなユーティリティぶりは、いまどきの日本車のラインアップでは味わえない趣味性の高さともとれる。ランクル70は新車でありながらビンテージカーを扱う愉しさにも似ている。
L4でデフロックをせずとも大きなコブも行る走破性

副変速機を持つのが70の証し。L4での登坂能力はトヨタ車随一だ
本格的なオフロード走行は4WDをL4にセットして行ったが、デフロックをせずともかなりの登坂路も大きなコブも行けてしまう。スタックした場合でもリアのみデフロックすれば通過できた。前後をデフロックすればどうなるか?「最強です。富士山も登れるかもしれません?」と開発ドライバーが教えてくれた。会場が富士山の麓、朝霧高原だったからまだ積雪もなく真っ黒な山肌をした富士山に本当にそのまま登ってみたいと思うほどだった。逆に急斜面を降りる際には「絶対にクラッチを踏まないこと」とあくまでもエンジンブレーキを使うよう注意を受けたが、“ヒルディセント機構(電子制御)”付SUVに慣れた私にとってそれはかなりのチャレンジとなった。が、そうして下った斜面や丁寧に岩の間を縫うように走り、一つひとつ確実にコブをクリアしていく達成感を自分の手足で体験できたことは新鮮だった。
本物の4WDを手に入れるなら今!

ピックアップは100kg軽く、アクセルを踏み込むと、パワースライドにも持ち込めるほどパワフル
開発責任者の小鑓貞嘉氏に「ショートボディがあったら街中でよりオシャレに乗れるかもしれないですが……」と言ってみた。「それも考えましたがやはり4ドアだろうとなりました」と切り出し、裏話を教えていただいた。実は今回日本でこれを発売するにあたり、2年かけて全役員に試乗してもらい説得したという。トータルでは4~5年かかっているのだそうだ。小鑓さんの情熱あって発売にこぎ着けたことがわかる。これ以上ない無骨さを魅力とする本格的いや本物の4WDを手に入れるなら、今しかない!