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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.11.28

数々の新しさチャレンジを身にまとったSUVレクサスNX

新しさ満載のプレミアムSUV誕生

【本記事は2014年8月にベストカーに掲載された記事となります。】新しさ満載のプレミアムSUV誕生レクサス久々のオールニューモデルである。昨年の東京モーターショーでコンセプトモデルが、今年の北京で量販車がお披露目された。そして今回、プロトタイプではあるものの、試乗する機会を得た。場所はカナダ、バンクーバー郊外のウィスラー。冬期オリンピックで知られるスキーリゾートである。

久々のターボ

トヨタ初のダウンサイジングターボは2L 238ps/35.7kgm、JC08モード燃費は12.8km/L

トヨタ初のダウンサイジングターボは2L 238ps/35.7kgm、JC08モード燃費は12.8km/L

さて、注目はエンジン。レクサス、というかトヨタ久々のターボである。ターボは先般日産スカイラインに同排気量のエンジンを追加したことでも話題となった。ゴルフに代表される小排気量ターボエンジンもそうだが、“2Lターボ”というのがちょっとしたキーワードになりそうだ。まるで’80年代に戻ったようでもある。プレゼンテーションでは、開発責任者の加藤氏がこんなことを言っていた。「今回の開発に関して、私的にトヨタMR2を購入してみました」と。当時を知る我々にはなかなか嬉しいエピソードである。

個性的な仕上がり

ヘッドライトは片側3個のL型のLEDをアレンジして配置する非常に複雑で凝った造形

ヘッドライトは片側3個のL型のLEDをアレンジして配置する非常に複雑で凝った造形

さてでき上がったNXだが、じつに個性的に仕上がっている。北京モーターショーの夜、会食をともにした前出の加藤氏は、「社内からは競合車群に埋もれてしまうようなものでは意味がない、という厳しい意見もありました」、というだけに、しっかりそれが実行された。フロントマスクはレクサスファミリーを主張しながら全体的なまとまり感もある。しかも、LEDをふんだんに使ったライトは夜に威力を発揮。新しい光り方を見せてくれる。私の知るかぎり、このクラスでプロジェクター型ヘッドライトを持たないのはほかに浮かばない。メルセデスSクラスかアウディA8あたりだろう。まさにクラスを飛び越えた演出だ。

ダッシュパネルの造形が新しい

インテリアの質感はクラスを超越! NXのインテリアはデザインの新しさを感じさせてくれる。その質感、素材へのこだわりは、ひとクラス上のRXなどをも凌駕するレベル

インテリアの質感はクラスを超越! NXのインテリアはデザインの新しさを感じさせてくれる。その質感、素材へのこだわりは、ひとクラス上のRXなどをも凌駕するレベル

インテリアもまたクラスを超えた感は強い。ダッシュパネルを覆うレザー、研磨仕上げのメタルなどかなり手が込んでいる。ありがちなシボ加工された硬質プラスチックによるパーツはいっさいない。何よりいいのは、ダッシュパネルの造形が新しいこと。そこに新たなインターフェイスが付くのだから新鮮だ。指の腹でモニターに写る矢印を遠隔操作するのも新しい。モニター画面は、周辺のガラスに写る光を反射しないフィルムが貼られる。それにより、設置する場所が自由になった。

ターボは非常にナチュラルなフィール

2Lターボ、2.5Lハイブリッドをラインアップするが、ターボとハイブリッドの価格差は62万円。ターボの買い得感はけっこう大きい

2Lターボ、2.5Lハイブリッドをラインアップするが、ターボとハイブリッドの価格差は62万円。ターボの買い得感はけっこう大きい

さて、前置きはこのくらいにしてロードインプレッションに移ろう。ターボは非常にナチュラルなフィールまず感じたのは、ボディ剛性の高さだ。個人的に普段RX450hを乗り回しているが、それとは明らかに違う。いってしまえば現行ISシリーズに近い感覚だ。ステアリングはニュートラルですごく反応がいい。スッと切った時のフィーリングもあって、コーナリングが楽しくなるほどだ。もちろん、電動パワステを採用しているが、このセッティングは悪くない。そこで、アメリカ仕様はどうなのかと質問すると、パワステや足のセッティングはグローバルですべて同じという答えが返ってきた。通常アメリカ向けSUVは各社ユルいチューニングを行っているが、こいつは違う。異なるのはファイナルギアレシオだけらしい。アメリカ仕様のほうが、ローギアードで出だしをよくしている。ちなみに、アメリカ向けをユルいセッティングにするのはトーイング(牽引)があるからだ。モーターホームやらキャンピングカーを牽引するのに、クイックなステアリングやブレーキ、硬い足は必要ない。その意味ではNXはかなり割り切った味付けが行われたといえるだろう。と同時に、こいつは都市型SUVという位置づけということになる。では、238psを発揮する2Lターボエンジンはどうなのか? そのテイストは、いい意味であまりターボ感がない。3000回転あたりからドーンとターボが効いて……、といったシロモノではなく、かなり自然吸気に近いフィーリングを持つ。これは昨今のトレンドで、BMWのツインスクロールターボあたりが牽引している。低回転からタービンを動かすそれは至極自然な吹け上がりを見せる。先だって試乗したフェラーリ久々のターボ車、カリフォルニアTもそうだった。560psを発揮する3.9L、V8ターボもまた実にナチュラルである。もちろん、いろいろな状況下でアクセルを踏み込むと、1000回転後半と3000回転前半あたりにターボラグは発生する。パドルを使って意図的にそれを体感することもできるだろう。だが、基本的にターボラグは少ない。そこで前出の加藤氏にそのへんを伺うと、「かつてはアクセルを踏む量に対しエンジンがパワーを供給していましたが、このクルマはそれをギアボックスがコントロールしています。エンジン出力をそのまま駆動力に変えるのではありません」、という返答だった。コンピューターの指令系統が変わったということだ。なるほど、この進化は大きい。そのターボの効き具合がメーターで表示されるのは嬉しい演出だ。速度計と回転計の間のブースト計が瞬時に変わるブースト圧を表示してくれる。これはなかなかおもしろい。乗り心地は用意された試乗車が18インチだったが、特に硬すぎるとは思わなかった。逆にターボエンジンを走らすにはいいマッチングな気がする。ただ今回リアシートを体験していないので、そこでのロングドライブはまた別の話かもしれない。そのへんはじっくり国内試乗でチェックしたい。

クルマとしての完成度が高い

ノーマルモデルは横桟グリル、Fスポーツはメッシュグリルを採用して差別化

ノーマルモデルは横桟グリル、Fスポーツはメッシュグリルを採用して差別化

ハイブリッド車は、ISやGSにラインアップされる300hとパワーソースを共有する。なので、それほど新しさはない。しかし、こちらも完成度はかなり高いといっていい。普段RX450hに慣れているぶんこちらのほうがしっくりくる部分もある。というか、RX450hに負けないパワーには驚く。これで充分だ。といった感じのファーストインプレッション。まだまだ感じたこと、試したいことはたくさんあるが、とにかく、クルマとしての完成度が高い。その意味では“まずは乗ってから”、といった仕上がり。外観も“生”のほうが断然いい感じである。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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