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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
待ってました!! ダイハツNEWコペン登場
“クルマって楽しい”を届けたい

フロアパネル、ボディ骨格などすべてを一から新開発した新型コペン。外板パネルは両側ドア以外、ルーフパネルも含めてすべてが樹脂製
【本記事は2014年7月にベストカーに掲載された記事となります。】「“クルマって楽しい”を届けたいと思ったのです」6月19日に開催された新型コペンの発表会の場で、開発を取りまとめた藤下修チーフエンジニア(CE)は開口一番、このように述べた。軽自動車であること、電動ハードトップを採用するオープンモデルである、2シーター、FFレイアウト……。これらは初代コペンと同様である。しかし、中身はすべて一新して一から開発されている。フロアもモノコック構造も、サスペンションのアーム類なども含めて、すべてが新開発。初代コペンからキャリーオーバーされたものは何ひとつない。「感動の走行性能に加え、自分らしさを表現できるクルマに仕上げました。それがコペンです」と藤下CEは言う。「“変える”がキーワードでした。単なるコペンのフルモデルチェンジではダメだと考えたのです」と藤下CEは付け加える。
《着せ替えボディ》

《着せ替えボディ》新型コペンを語る上で、まずはこの話題に触れることになる。実際、昨年末の東京モーターショーでは、コペンをアピールする大きなポイントとして、この交換可能な樹脂外板をクローズアップしていた。だが、新型コペンの本質が「着せ替え可能」ということにあるのではない。コペンの大きなポイントは、両サイドの2枚のドアパネルを除いた13枚の外板パネルを樹脂パーツ化した、ということにある。樹脂外板を採用した最大の理由は軽量化。初代コペンで課題として残されたボディ剛性と乗り心地の問題を解決するためには、徹底したフロアの補強やボディの強化が不可欠だった。当然、これらは重量増加に繋がる。しかし、完成した新型コペンの車重はMT車が850kg、CVT車が870kgで初代コペンの830kg(5MT車)に対して20kgの増加に抑えている。樹脂外板が軽量化に大きく寄与していることはいうまでもない。ちなみに、上下曲げ剛性は約3倍、ねじり剛性は1.5倍高められているという。「樹脂外板とボディ剛性の向上はトレードオフの関係で、もの凄く苦労した部分でした」シャシー部門やボディ設計部門の開発者は口を揃える。
新型コペンの骨格

徹底的に鍛え上げたボディ骨格
モノコックはフロアパネルとボディの骨格構造で応力を分担する構造となっているが、思いのほか外板パネルにも応力の負担分がかかっているのだという。スチール製の外板パネルを単純に樹脂パネルに置き換えたのでは、ボディ剛性が低下する。「まずは、外板パネルのない状態で……、裸のボディでガッチリした剛性を出すことから始めました」とボディ開発担当者はいう。こうして誕生したのが《D-Frame》と名付けられた新型コペンの骨格である。ただ固いだけの骨格ではなく、必要に応じた部分を的確に撓らせてボディに伝わる振動を適度に「いなす」ことで高いハンドリング性能と優れた乗り心地を両立しているのだという。なにやら逆説めいた解説になってしまったが、軽量化のために採用された樹脂外板が、結果的により頑強なボディ構造を生み出すことになった、ということだ。結果的に、外板パネルは強度や応力を分担することがなくなったので、自由自在に交換することが可能となった。これが「DRESS FORMATION」と名付けられた外板パネル交換システムに繋がっていくのである。
気持ちのいい走りを誰でも気軽に楽しめるのがコペン!!

ジョーヌイエローどの色のコペンが好きですか!? ボディカラーはレッドやオレンジ、イエローなどといったビビッドなカラーも含めた全8色が用意される。電動開閉式ルーフはボディカラーにかかわらずブラックとなる。樹脂外板は交換可能だが、ドアパネルはスチールのため交換は簡単ではない。ちなみに、樹脂外板の交換費用は30万円程度となりそう
■気持ちのいい走りを誰でも気軽に楽しめるのがコペン!!新型コペンのボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1280mmでホイールベースは2230mm。全長と全幅は軽自動車の枠いっぱいでこれは初代コペンも同じ。全高は初代に対して35mm高くなっている。また、ホイールベースも同じである。エンジンは初代では4気筒を搭載していたが、今回は3気筒ターボを搭載する。現在のダイハツエンジンラインアップには4気筒はなく、3気筒を搭載するのは自然な流れであろう。また、軽量化という意味合いでも3気筒の選択は当然とも言えよう。このエンジンは基本的にはタントやムーヴなどに搭載されるKF型658cc3気筒ターボで、64ps/6400rpm、9.4kgm/3200rpmというスペックも同じ。トランスミッションは7速アクティブシフト付きCVTと5速MTを設定。初代コペンでは30%程度がMTで、新型にもMT設定の要望が大きかったのだという。やはりMTを自在に操って走らせる楽しさは、スポーツカーの醍醐味だ。
新型コペンの魅力

ボディとともに徹底的に磨き上げられたサスペンションも新型コペンの大きな魅力となる。特に横剛性を高めたことでコーナリングで強い荷重がかかってもダンパーがしなやかに動き高いスタビリティを発揮する。電動トップは約20秒で開閉可能で手軽にオープンエアの走りを楽しめる。もちろん、好みに応じてエクステリアを変更できるシステムも魅力のひとつであることはいうまでもない。新型コペンの魅力は多岐にわたっている。運転を楽しむスポーツドライブ派はもちろん、オープンエアドライブを楽しみたいという人にも、ドレスアップを楽しみたいという人にも魅力的な存在となる。価格はMT車が181万9800円、CVT車が179万8200円。軽自動車としては高いと思う人もいるかもしれないが、このクルマ、「たまたま軽自動車の規格で作った」というだけで、軽自動車の範疇を超えたスポーツカーとしてその価値を判断していただきたいと思う。