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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
トラスト製トヨタ86ターボに大興奮!!この280ps、扱いやすいぞ!!
86ターボ インプレッション

ターボキットの製品化に向けて鋭意開発を進めているトラスト。さらにパワーを400ps程度まで引き上げたバージョンの研究も進めているようだ。ニーズに応じて選べたらますます楽しくなる
【本記事は2013年3月にベストカーに掲載された記事となります。】ートサロンの「86&BRZワールド」でひときわ目立っていたのが、サイオンFR-Sにターボを装着した、トラストのデモカー。早速試乗のチャンスがやってきた。86&BRZにターボ仕様が追加されそうだ、との情報は本誌でもお伝えしているが、FA20エンジンとターボの相性はどうか。ひと足早く、86ターボのインプレッションをお届けしよう。
ベースは86のアメリカ仕様

おお、左ハンドルじゃん!!
グレッディFR-Sと名付けられたこのクルマは、チューニングパーツメーカーのトラストのデモカー。ベースは86のアメリカ仕様となるサイオンFRS。当然、左ハンドルだ。
グレッディターボT518Zというターボキット

ノーマルから80psアップの280ps 奇麗にパイピングされているエンジンルーム。FA20エンジンは筒内直接+ポート燃料噴射式でセッティングに一工夫あったとか
足回りからエンジン、インテリアとさまざまなパーツが装着されているが、もっとも注目なのが、グレッディターボT518Zという開発中のキットである。ターボチャージャーをメインに各種パイプ類はもちろん、スポーツ触媒やインタークーラー、コンピュータのプログラム書き換えまでが1セットになったフルコンプリート・ターボキットだ。アフターパーツのボルトオンターボとしては低めの0.5kg/cm2の過給圧で約280馬力の最高出力を実現しているが、乗りにくさはまったくない。パワーアップされたエンジンに対応するため、OS技研製のメタルシングルクラッチを組み込んであるが、クラッチ操作に必要となる踏力もほとんど変わりなく、際立つ重さはない。ターボキット装着によって280馬力までパワーアップしても、クラッチは最初はノーマルクラッチのままで問題ないという。しばらくそのままで乗っていて、滑るようになってから、強化クラッチに交換したほうがコスト的にも楽だ。
低速からグイグイ加速

インテリアではエアコン吹き出し口にブースト計設置
◆低速からグイグイ加速エンジンフィールは低速トルクも盛り上がっているので、ノーマルよりも乗りやすいくらいの印象。渋滞のない郊外路で3~5速に入れておけば、まるでATのようなイージーなドライブも可能だ。流して乗っている状態からアクセルをグイッと踏み込むと、エアコン吹き出し口に装着されたD/Aゲージ(過給圧計)の針がピュンと立ち上がり、同時にグイッと前に押し出される加速を味わえる。サーキットでタイムトライアルをしているというようなシチュエーションでなければ、ターボ付きエンジンの加速を楽しむには1段上のギアを使うのがいい。エンジン回転で前に進むのではなく、トルクで押し出される感覚になる。グレッディFR-Sはターボのツキがいいセッティング。つまり、アクセルを踏んだとほぼ同時に過給が始まる。いわゆるターボラグは皆無と言ってよく、これが乗りやすさに大きく貢献している。コーナー進入時にしっかり減速して、クリップからアクセルを踏んでいけばキッチリ脱出速度を稼げる仕様。ターボラグはなくても、低速トルクがスカッとしているエンジンだと、クリップ手前でアクセルを開けていきにくい。じつはクリップ前でアクセルを開けるというのは、簡単なようで難しい。なによりリズムが取りにくいので、ステアリング操作に集中しづらいのだ。グレッディFR-Sは、低速から太いトルクがあるだけでなく、トルクの盛り上がり方がナチュラルなカーブを描いているのもいい。特定の回転域で急激に持ち上がったりすることもないので、アクセル操作はイージーだ。試乗車は足回りをグレッディパフォーマンスダンパーに変更。タイヤはアドバンネオバで、フロント、リアともに255/35R18とかなり太めのものがチョイスされている。これだけ太いとボディも標準では対応できず、オーバーフェンダー付きのワイドボディフルキットが装着される。
これで51万4500円は安い

カッコウもいいが、それだけじゃなくて整流効果も期待できるウイングが目を引く。タイヤサイズは255/35R18。フロント、リアともにスペーサーが必要なんです!?
◆これで51万4500円は安いサスまわりはかなりの強化で、路面からの入力は大きいはずだが、ボディの強化は行なわれていない。テストの際にはタワーバーを3本装着し、1本ずつ外していったが、フィーリングには変化がなかったという。つまり、ノーマル状態でのボディ剛性が高く、ボディチューンの必要がなかったというのだ。これから86をイジろうと思っている人にはかなりの朗報。ボディがしっかりしているのは、なにをやるにしてもやりやすい。逆に86の弱いところは水温や油温が高いところだという。ノーマル状態で乗るとしても、もしサーキット走行などを考えているなら、オイルクーラーは必須と考えてほしい。まもなく発売1周年を迎えることになる86&BRZ。これからさまざまなバリエーションが生まれてくることだろう。そしてそのなかには、メーカー純正のターボ仕様もあるかもしれない。今回、ボルトオン仕様に乗ってみて、86&BRZ+ターボは「アリ」だと確信。こりゃ、メーカー純正もチューニングカーも、ますます楽しいことになってきそうだ。